「ウール」と「メリノウール」の違いとは?メリット・デメリットも解説

違いのギモン

「ウール」は洋服によく使用されている素材ですが、「メリノウール」という言葉も時々見かけます。この二つには一体どのような違いがあるのでしょうか。この記事で詳しく解説していきます。

結論:「メリノウール」は「ウール」の一種

「ウール」は羊の毛から作られる繊維です。

「メリノウール」は「メリノ種」という羊を用いた「ウール」です。

「ウール」をもっと詳しく

「ウール」とは、羊の毛のこと、またそれから作られる繊維や糸、布のことをいいます。天然繊維に分類されています。

羊の種類によって毛の質は異なり、繊維の細さでランク分けもあります。

羊の種類や毛の生えている場所によって、16マイクロメートル(※) ~ 40マイクロメートルまでその細さはさまざまです。

例えば、通常のメリノウールは、23マイクロメートルです。高級ニット糸に使われるウールは19.5マイクロンで、エクストラファインウールと呼ばれます。

  • マイクロメートル(※):長さの単位で、1マイクロメートルは0.001ミリメートルに等しい

「ウール」のメリット

ウールには様々なメリットがあります。

  • 保温性が高い
  • 伸縮性に優れている
  • 撥水性があり汚れにくい
  • 湿気をよく吸収し、夏でも涼しい
  • 型崩れやしわになりにくい
  • 土壌中の微生物に分解され、土に還る

「ウール」のデメリット

ウールにはいくつかデメリットもあるので紹介します。

  • 毛玉ができやすい
  • 洗濯の際に注意しないと縮んだりフェルト状になったりする
  • 虫食いにあいやすい

ウールは優れた繊維ですが、上記の点には注意が必要です。

「メリノウール」をもっと詳しく

「メリノ種」という羊の毛を用いた「ウール」が「メリノウール」です。

実は、「ウール」といえば一般的に「メリノウール」のことを指します。オーストラリア、ニュージーランド、フランスのメリノ種が有名です。

その中でも、オーストラリアは世界最大の羊毛生産国です。世界中の羊毛の約 40 % を生産しており、そのうち 70 % がメリノウールです。日本に輸入されるウールも、その 80 % がメリノウールです。

高い品質基準をクリアしたことを示す品質保証のマークである、ウールマークというものがあります。そのウールマークをつけるための品質基準があります。

  • ピュアメリノウール:メリノウールを 100 % 使用した製品
  • メリノエクストラファイン:メリノウール 100 % で繊維の細さが19.5マイクロメートル以下
  • メリノウルトラファイン:メリノウール 100 % で繊維の細さが17.5マイクロメートル以下

メリノウールはウールの中でも、高品質なものとされています。

メリノウールの特徴

メリノウールは、羊毛の中でも最高の品質で、細く繊細な繊維が取れる種類です。衣料品に使われることが多いです。

メリノウールは他の羊毛に比べて柔らかく少し光沢があります。肌がチクチクせず優しい着心地が特徴です。

まとめ

以上、この記事では、「ウール」と「メリノウール」の違いについて解説しました。

  • ウール:羊の毛から作られる繊維
  • メリノウール:「メリノ種」という羊を用いた「ウール」

一言で「ウール」といってもその種類や性質に違いがあります。服を買うときなどの参考にしてください。