今回ご紹介する言葉は、ことわざの「二足の草鞋を履く(にそくのわらじをはく)」です。
言葉の意味、使い方、由来、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「二足の草鞋を履く」をざっくり言うと……
読み方 | 二足の草鞋を履く(にそくのわらじをはく) |
---|---|
意味 | 両立できないような、全く違う2つの仕事を1人で行うこと |
由来 | 昔、ばくち打ちが武器を持って、ばくち打ちを取り締まることも仕事に兼ねたこと |
英語訳 | Wear two hats.(一人二役する、同時に2つの仕事をこなす) |
このページの目次
「二足の草鞋を履く」の意味をスッキリ理解!
「二足の草鞋を履く」の意味を詳しく
「二足の草鞋を履く」は、両立できないような、全く違う2つの仕事を1人で行うことを意味することわざです。
多くの人が「両方こなしていてすごい」と相手を褒める場合に使っていますが、本来は褒(ほ)め言葉ではありません。
実は、「二足の草鞋を履く」には、どっちつかずで悪い、という否定的なニュアンスが含まれてます。
一般的には、非難されやすい2業種の両立を「二足」として表している場合が多いです。
タイトルの下にある女性の写真を見てください。右手で赤ちゃんをあやしながら、左手で仕事をしているとしましょう。
この女性にとって、おそらくどちらも欠かせないものですが、どちらもこなすのは大変なことです。
しかし、人間誰しも時間は平等なので、赤ちゃんと遊んでいる時間は仕事ができないですし、逆も当てはまります。
この場合、2つの物事をこなしているのはすごいけれども、結局どっちつかずになってしまいます。
本気でひとつの物事に取り組んでいる人から見ると、「二足の草鞋を履く」は、「真剣にやる気がない」と捉えられる可能性があるのです。
「二足の草鞋を履く」の使い方
- 彼が二足の草鞋を履くと言い始めたので、家族はそれに反対した。
- 二足の草鞋を履くようなやり方で成功するほど仕事は甘くないぞ。
「二足の草鞋を履く」の由来
昔、ばくち打ちが武器を持って、ばくち打ちを取り締まることも仕事に兼ねたことが、この言葉の由来です。
「二足の草鞋」という慣用句ができたのは、江戸時代でした。
草鞋は、稲を編んで作られる日本の伝統的な履物のひとつです。
この当時、草履や下駄はなく、草鞋が普及していたので、「両立すること」の例えとして草鞋が使用されました。
「二足の草鞋を履く」の英語訳
二足の草鞋を履くを英語に訳すと、次のような表現になります。
- Wear two hats.
(一人二役する、同時に2つの仕事をこなす) - Double in brass.
(一人二役する、同時に2つの楽器を演奏する)
まとめ
以上、この記事では「二足の草鞋を履く」について解説しました。
読み方 | 二足の草鞋を履く(にそくのわらじをはく) |
---|---|
意味 | 両立できないような、全く違う2つの仕事を1人で行うこと |
由来 | 昔、ばくち打ちが武器を持って、ばくち打ちを取り締まることも仕事に兼ねたこと |
英語訳 | Wear two hats.(一人二役する、同時に2つの仕事をこなす) |
余談ですが、一般的に、男性は女性よりひとつの物事を極めるのが得意だと言われています。いろんなことに手を出しがちな女性は、ぜひ心に止めておきたいことわざですね。