四字熟語「和魂漢才(わこんかんさい)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「和魂漢才(わこんかんさい)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語についてわかりやすく解説します。

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「和魂漢才」の意味をスッキリ理解!

和魂漢才(わこんかんさい):日本固有の精神と中国の知識のこと。また、その両者を兼ね備えていること。

「和魂漢才」の意味を詳しく

「和魂漢才」は、日本の民族がもとから持っている精神性と、中国から伝わってきた学問などの知識のことを表します。また、この両者を兼ね備えていることも言い表します。

日本固有の精神をもって、中国の知識を吸収して活用する、という思想を表した言葉です。

 

「和魂」は、日本固有の精神である「大和魂(やまとだましい)」を意味します。「大和魂(やまとだましい)」は、日本人が持っている、日常生活における知恵や考え方、能力などを意味しています。「大和心」とも言われます。

例えば、変わりやすい日本の季節にあわせて、「何を食べるのがよいか」「どのような服装にすべきか」というような、生活上の考え方が挙げられます。

 

「漢才」は、中国の学問や文化など、専門的で教養的な知識のことを言います。具体的には、中国から伝わってきた書物にある漢文や漢詩などです。

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「和魂漢才」の使い方

  1. かつての文化人たちは、和魂漢才のような意識を持っていました。
  2. ラーメンはまさしく、和魂漢才の食べ物といえる。

和魂漢才は、学問の分野などで使われる専門的な言葉です。また、日本と中国という限られたものごとについて言う表現ということもあり、日常生活のなかでは使われる機会が少ない言葉です。

「和魂漢才」の由来

「和魂漢才」は、『菅家遺誡(かんけいかい)』という、作者不明の書物が由来とされています。昔の日本の朝廷に使える上流貴族や上級役人が守るべきことがらを、33条にまとめた教訓書です。『菅家遺誡』の成立は、少なくとも平安末期から室町以前と言われていますが、はっきりはしていません。

 

『菅家遺誡』のなかに、「凡(およ)そ国学の要(もと)むる所は、論じて古今に渉(わた)り天人を究(きわ)めんと欲すと雖(いへど)も、其(そ)の和魂漢才に非(あら)ざるよりは、その閫奥(こんおう)を闞(み)る能(あた)はず」と記されています。

この文の意味は、「おおかた日本の学問において求められるものは、論じることによって、昔から今にいたるまでの自然の道理や人間社会の出来事を探求することである。しかし、和魂漢才の意識がなければ、その奥底をのぞき見ることはできない」という内容です。

 

10世紀頃から、日本の上流社会には、「日本固有の精神をもって、中国の知識を吸収して活用するべき」という思想が広まっていました。

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「和魂漢才」の類義語

和魂漢才には以下のような類義語があります。

  • 士魂商才(しこんしょうさい):武士の精神と商人の才能をあわせ持つこと。
  • 和魂洋才(わこんようさい):日本固有の精神と西洋の知識のこと。
  • 和洋折衷(わようせっちゅう):日本と西洋の様式をほどよく組み合わせること。

士魂商才は、「武士のいさぎよさを重んじる精神と、商人として抜け目なく利益を求めていく才能とをあわせ持つ」という意味を持つ言葉です。和魂漢才をもじってできた言葉です。

現代でも、商売に関わる人たちには、スローガンや座右の銘として親しまれている言葉です。見境(みさかい)なく利益を求めるのではなく、「商人としての心意気を大切にしよう」という言葉なのです。

 

和魂洋才は、「日本固有の精神に、西洋から伝わってきた知識などを取り入れて、両方を兼ね備えること」を表しています。

明治時代のころに、和魂漢才をもとにつくられた言葉です。当時の知識人たちは、ヨーロッパ諸国やアメリカのすぐれた文化や技術、制度などを吸収し、日本という国家を発展させようと考えたのです。

士魂商才も和魂洋才も、「和魂漢才」をもとにつくられた言葉です。どちらも「日本に海外のものを取り入れる」という点で共通しているため、類義語といえます。ただ、「どの地域のものを取り入れるのか」という点が、それぞれ異なりますので、注意しましょう。

 

和洋折衷は、日本と西洋の様式を、ほどよく混ぜ合わせて調和させることを言います。「折衷」は複数のものごとのなかから、それぞれの良い点と悪い点を見て選び、ちょうどよいところで1つにまとめることです。「折中」とも書きます。

「海外のものに影響をうけて、取り込む」という点では和魂漢才と共通しています。しかし、和洋折衷によって取り込まれるものは、思想や知識というより、建築や美術といったスタイルです。

まとめ

以上、この記事では「和魂漢才」について解説しました。

読み方 和魂漢才(わこんかんさい)
意味 日本固有の精神と中国の知識のこと。また、その両者を兼ね備えていること。
由来 『菅家遺誡』
類義語 士魂商才、和魂洋才、和洋折衷

グローバル化が進む現代においては、異国の文化との交流は避けて通れません。世界の国々と交流するには、外国の文化や知識を吸収するだけでなく、まず自分や自分の国のことを理解し、発信できることが必要です。

大きな世界のなかで「自分や自分の国はどういう存在なのか」を理解し、相手との違いを考え、お互いに歩み寄ることが、異文化交流における第一歩となります。

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