腋と脇の違い|意味と使い方まで詳しく解説

違いのギモン

「腋」と「脇」の決定的な違いは、「腋は “両腕の付け根の下” だけを表すのに対して、脇にはその他の意味もある」という点です。

両方とも「ワキ」と読むため、使い分けに迷ったことがある方が多いのではないでしょうか。

この記事では、どちらを使っても問題ない場合や、脇のみを使う場合などについて、詳しく解説します。

結論:「腋」と「脇」の違い

「腋」と「脇」の違いは、「腋は “両腕の付け根の下” だけを表すのに対して、脇にはその他の意味もある」という点です。

ワキ

両腕の付け根の下

ワキ

  1. 両腕の付け根の下
  2. 何かのすぐ傍
  3. 目的からズレた方向
  4. 主役を助ける役割

「脇」には「両腕の付け根の下」だけでなく、「何かのすぐ傍」「目的からズレた方向」「主役を助ける役割」という意味もあるのです。

「腋」と「脇」のどちらを使ってもいい場合

身体のワキ(両腕の付け根の下)を漢字で書く場合、「腋」と「脇」のどちらを使っても問題ありません。

「腋」と「脇」を区別することもできる

身体のワキを漢字で書く場合に、「腋」と「脇」を厳密に使い分けたいときには、以下のように区別しましょう。

身体のワキの区別の仕方
  1. 常用漢字を使うなら「脇」
  2. 医学的には「腋」

まず、身体のワキを、より簡単な漢字で表したい場合は、「脇」を使いましょう。

「脇」が常用漢字(じょうようかんじ)であるのに対して、「腋」は常用漢字ではないからです。

一方、医学的な意味で、正確に身体のワキを表したいときは「腋」を使いましょう。

医療において、身体のワキに関するものには、すべて「腋」という字を使うからです。

常用漢字とは

国が制定した、社会生活での漢字使用の目安。

「脇」のみを使う場合

通常、身体の “ワキ” は、「腋」と「脇」のどちらで書いても問題ありません。

しかし、以下の場合には、「腋」ではなく「脇」を使います

「脇」のみを使う場合
  1. 慣例として「脇」を使う場合
  2. 「何かのすぐ傍」という意味で使う場合
  3. 「目的からズレる」という意味で使う場合
  4. 「主役を助ける役割」という意味で使う場合

以下、1つずつ解説します。

①慣例として「脇」を使う場合

以下の表現では、「腋」ではなく「脇」を使うのが一般的です。

慣例として「脇」を使うもの
  • 脇(わき)に挟む
    ワキの下に何かを挟むこと
  • 脇(わき)に抱える
    ワキを使って、何かを持つこと
  • 小脇(こわき)に抱える
    ワキを使って、ちょっと何かを持つこと
  • 脇を締める
    二の腕から肘あたりまでの部分を、体の側面につけること
    (ワキが開かないようにすること)
  • 脇が甘い
    注意不足であること

②「何かのすぐ傍」という意味で使う場合

「何かのすぐ傍」という意味は、「脇」のみにあるものです。

したがって、この意味が元になっている言葉は「腋」では表せず、「脇」でのみ表すのです。

「脇」を「何かのすぐ傍」という意味で用いる場合、主に以下のような表現があります。

  • 〜の脇
    〜のすぐ傍
    例:「書類を机の脇に置いておきます。」
  • 脇付(わきづけ)
    手紙において、宛名の横に書き添える敬意の言葉
  • 外脇付(そとわきづけ)
    手紙の内容を端的に説明する言葉
    例:「親展」「○○在中」など
    ※脇付の左下に書く

③「目的からズレる」という意味で使う場合

「目的からズレる」という意味は、「脇」のみにあるものです。

したがって、この意味が元になっている言葉も「腋」では表せず、「脇」でのみ表します。

「脇」を「目的からズレる」という意味で用いる場合、主に以下のような表現があります。

  • 脇道(わきみち)に入る
    運転中や歩行中などに、メインではない道路に入ること
  • 脇道に逸れる(それる)
    話が本題とは違う方向に進むこと

④「主役を助ける役割」という意味で使う場合

「主役を助ける役割」という意味は、「脇」のみにあるものです。

したがって、この意味が元になっている言葉も「腋」では表せず、「脇」でのみ表します。

「脇」を「目的からズレる」という意味で用いる場合、主に以下のような表現があります。

  • 脇役(わきやく)
    劇や実生活において、主役となる人をサポートする役割

「脇」の類義語


「脇」の類義語は、3つのパターンに分けられます。

「脇」の類義語のパターン
  1. 「何かのすぐ傍」という意味のもの
  2. 「目的からズレた方向」という意味のもの
  3. 「主役を助ける役割」という意味のもの

類義語①「何かのすぐ傍」という意味のもの

「何かのすぐ傍」という意味の類義語には、以下のようなものがあります。

  • 傍ら(かたわら)

類義語②「目的からズレた方向」という意味のもの

「目的からズレた方向」という意味の類義語には、以下のようなものがあります。

  • 余談(よだん)
    本題ではない話
  • 横道(よこみち)
    本道ではない道路
    または、本題ではない話

類義語③「主役を助ける役割」という意味のもの

「主役を助ける役割」という意味の類義語には、以下のようなものがあります。

  • 端役(はやく)
    主役ではない役
「腋」には類義語がない

ここまでに紹介した言葉は、あくまでも「脇」の類義語です。

身体のワキのみを指す「腋」には、類義語がありません。

「脇」の対義語


「脇」の対義語は、3つのパターンに分けられます。

「脇」の対義語のパターン
  1. 「真ん中である」という意味のもの
    =「何かのすぐ傍」という意味での「脇」の対義語
  2. 「筋が通っている」という意味のもの
    =「目的からズレた方向」という意味の「脇」の対義語
  3. 「主役」という意味のもの
    =「主役を助ける役割」という意味の「脇」の対義語

以下、1つずつ解説します。

「腋」には対義語がない

これから紹介する言葉は、あくまでも「脇」の対義語です。

身体のワキのみを指す「腋」には、対義語がありません。

対義語①「真ん中である」という意味のもの

「真ん中である」という意味の対義語には、以下のようなものがあります。

  • 中央
  • 中心

上記の言葉は、どちらも「ちょうど真ん中にあること」を表します。

対義語②「筋が通っている」という意味のもの

「筋が通っている」という意味の対義語には、以下のようなものがあります。

  • 本題
    話題の核となる内容
  • 本筋(ほんすじ)
    正当な筋道

対義語③「主役」という意味のもの

「主役」という意味の対義語には、以下のようなものがあります。

  • 仕手(して)
    能や狂言(きょうげん)における主人公
  • 中心人物
    リーダーのような役割をもつ人

「腋」と「脇」の英語訳


両腕の付け根の下を表す場合、「腋」と「脇」はどちらも同じ英語訳になります。

  • armpits
    (腕の付け根の下)
  • underarms
    (腕の下)

「脇」がもつ、「両腕の付け根の下」以外の意味には、それぞれ以下のような英語訳を使うことができます。

  • sides
    (何かのすぐそば)
  • to wander away from the subject
    (目的からズレる)
  • to support 〜
    (〜を助ける)

「腋」と「脇」の成り立ち


「腋」と「脇」は、漢字の成り立ちにも違いがあります。

参考までに知っておきましょう。

「腋」の漢字の成り立ち

「腋」という字は、「月」と「夜」の二字から成り立っています。

「腋」の漢字の成り立ち

  • 身体の太りぐあい

  • 身体の太りぐあいを表す「月」
    +身体のワキを表す「亦」

「夜」をさらに分解すると、「月」と「亦」の二文字から成り立っています。

この「亦」に、両腕の付け根の下という意味があるのです。

「亦」の二箇所の点が、腕の付け根を表しているのです。

「脇」の漢字の成り立ち

「脇」は、「月」と「劦」の二字から成り立っています。

「脇」の漢字の成り立ち
  • :身体の太りぐあい
  • :力を加える

「月」と「劦」を組み合わせると、「身体の両側から力を入れて、何かを挟むもの」という意味になります。

この成り立ちから、「脇」は、何かを挟むことができる「ワキ」を表すようになったのです。

また、「劦」の「力を加える」という意味から派生して、「主役の人に力を与えて、サポートする役割」という意味も生まれました。

「腋」と「脇」の違いのまとめ

以上、この記事では、「腋」「脇」の違いについて解説しました。

意味①両腕の付け根の下
意味②何かのすぐ傍
意味③目的からズレる
意味④主役を助ける役割

「腋」と「脇」を迷うことなく、正しく使い分けられるようになりましょう。

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Chinatsu
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新卒1年目でWebライター3年目。 学生時代からWebライターの仕事を始め、多くの記事を執筆・編集してきました。 丁寧な解説に定評があります。