「和牛」と「国産牛」の違いとは?定義までわかりやすく解説

違いのギモン

牛丼、ビーフステーキ、すき焼き、炒め物。牛肉が創り出す、言わずと知れた美食のラインナップです。500円程度の安価な牛丼もあれば、150g当たり1万円する最上級黒毛和牛シャトーブリアンステーキ肉まであります。

牛肉の産地であれば、やはり日本産の肉に良いイメージがありますが、日本の牛肉、という意味の言葉は2つあります。「和牛」と「国産牛」です。どちらも「輸入牛」よりはおいしいような気がします。しかし具体的な違いは分からない人も多いと思います。

今回は、人生においてたくさん食べるであろう、あるいは食べていきたい「和牛」と「国産牛」の違いについて解説していきます。ヒンドゥー教を信仰していない人は、ぜひ読んでみてください。

結論:「和牛」は、「国産牛」の中の日本在来種

「和牛」は、日本在来の牛を改良した肉牛のことです。日本に流通している「和牛」としては、4種類います。

「国産牛」は、「輸入牛」ではない牛のことで、日本で育てられた肉牛のことです。

「和牛」をもっと詳しく


「和牛」とは、日本の在来種の牛、あるいは日本の在来種に明治期以降入って来た外来種を掛け合わせ、改良した肉牛のことです。高級な牛肉として食べるのは、基本的に後者の改良した肉牛の方で、以下の4種類があります。

名前組み合わせ産地和牛認定
黒毛和種(くろげわしゅ)在来種×デボン種・ブラウンスイス種兵庫県・三重県・滋賀県1944
褐色和種(あかげわしゅ)阿蘇牛(熊本産)×シンメンタール種熊本県・高知県1944
無角和種(むかくわしゅ)在来種 × アンガス種山口県1944
日本短角種(にほんたんかくしゅ)南部牛 × ショートホーン種岩手県・北海道1957

日本で飼育される「和牛」は170万頭いますが、その内9割以上が「黒毛和種」です。産地は日本全国にあり、神戸ビーフ・松阪牛・近江牛(おうみうし)・米沢牛といった銘柄牛は、「黒毛和種」に当たります。風味の良い油と、肉の柔らかさが特徴です。

 

「和牛」であるためには、日本で育てられる必要があります。そのため、「和牛」であれば、自動的に「国産牛」となります。

「和牛」は、種付けから誕生まで10カ月、子牛が市場に出荷されるまで8カ月、成長して肉牛として出荷されるまで20カ月かかります。

「和牛」は肉としての質は良いものの、通常よりも飼育に手間がかかる為、流通量は限られます。そのため、他の牛肉と比較すると、値段は高くなり、高級肉という扱いになります。

「国産牛」をもっと詳しく

牛肉には2種類あります。「国産牛」と「輸入牛」です。「国産牛」とは、日本で生まれ育った牛のことです。海外から輸入した子牛を育てた場合でも、日本国内での飼育期間が長く、日本で食肉加工されれば「国産牛」となります。

牛の種類としては外来種であっても「国産牛」になります。外来種の牛としては、ホルスタイン種・アンガス種・交雑種などが代表的です。

 

牛肉の格付けとして、A5ランクのように、アルファベットと数字で表現する場合があります。これはA・B・Cの3段階の歩留等級(ぶどまりとうきゅう)と、1~5の5段階の肉質等級を組み合わせた15段階で評価されています。

歩留等級とは、肉を分ける際に、肉が無駄なくとれる割合を表します。胸最長筋(きょうさいちょうきん)面積・バラ肉の厚さ・皮下脂肪の厚さなどの数値をもとに計算します。「和牛」は、歩留等級の加算の対象になります。

肉質等級は、霜降り具合・肉の色沢・肉の締まりとキメ・脂肪の色沢と質の4つの観点から決まります。

まとめ

以上、この記事では、「和牛」と「国産牛」の違いについて解説しました。

  • 和牛:国産牛のうち、日本の在来種を改良した牛
  • 国産牛:日本で育った牛

「和牛」は、「国産牛」の中で、特に洗練された牛、という感じです。黒毛和種が「和牛」の大部分を占めていることを考えると、A5ランクの黒毛和牛などは、まさに高級肉の王道といえるでしょう。

食べる機会があれば、輸入肉とは違う肉の柔らかさ・うま味を味わってみてください。