「チョッキ」と「ベスト」と「ジレ」の違いとは?違いは呼び方だけ?

違いのギモン

ファッション業界の言葉はカタカナ語が多く、日本人には意味がよくわからないものも多いですよね。

そして、中には似たようなものを指していて、区別が難しい言葉もあります。

例えば、「チョッキ」と「ベスト」と「ジレ」はどれも似たようなものを指しているイメージがあって何が違うのかわかりにくいですよね。

そこで、今回は「チョッキ」と「ベスト」と「ジレ」の違いについてわかりやすく解説していきたいと思います。

結論:語源が違う

「チョッキ」と「ベスト」と「ジレ」は語源が異なるだけで、どれも同じものを指しています。

まず、「チョッキ」の語源はさまざまですが、日本語の「直着」が語源だという説が有名です。

また、「ベスト」の語源はアメリカ英語の “vest” です。

そして、「ジレ」の語源はフランス語の “gilet” です。

「チョッキ」をもっと詳しく

チョッキの語源はさまざまですが、日本語の「直着」が語源だという説が有名です。

語源は「直着」、フランス語の “jaque” 、ポルトガル語の “jaqueta” 、ジャケットのなまりなど、さまざまで正確なことがよくわかっていません。

ただ、「直着」が一番有力な説だと言われています。

 

そして、チョッキは日本でしか使われない言葉です。

つまり、チョッキは和製英語なのです。

そして、インナーシャツとアウタージャケットの間に着ることが多いでしょう。

この場合、結果的に3枚着るので、チョッキは秋冬用のアイテムだと言うことができます。

 

ただ、チョッキの中にはアウターとして着用することを目的としたアイテムもあります。

ちなみに、日本でチョッキという言葉が使われるようになったのは1864年のことです。

この年に行われた長州征伐のために作られた軍服の名前として「チョッキ」が使われたのです。

そして、「チョッキ」は明治時代には一般的な名前でしたが、英語の普及に伴い使われなくなっていきました。

現在では「ベスト」などのほうが一般的な呼びかただと思います。

チョッキの種類

チョッキには主に3つの種類があります。それぞれについてみていきましょう。

デニムベスト

デニムベストはデニムを使ったチョッキです。ラフな印象があり、カジュアルさ、やんちゃさなどを出せます。

ニットベスト

ニットベストはニット素材でできたチョッキです。

そして、ニットベストはシンプルなシャツに重ねることで防寒しながらカジュアルさを加えることができます。

ちなみに、ニットベストはデニムベストに比べカジュアルすぎずきっちりとしたイメージを崩すすぎないトップスです。

そのため、年齢やスタイルに関係なく幅広いシーンでつけることができます。

オフィスカジュアルとして用いられることが多いでしょう。

ダウンベスト

ダウンベストは羽や綿の入った暖かめのチョッキです。

アウターとして利用されることが多いでしょう。

そして、寒さが厳しい時期に特に重宝します。

「ベスト」をもっと詳しく

ベストの語源はアメリカ英語の “vest” です。

そして、チョッキと同じものを指しています。

 

イギリス英語ではこれを “waistcoat(ウエストコート)” と言います。

ちなみに、イギリス英語で “vest” というと「袖なしの肌着」という意味になります。

また、フランス語の “vest” は袖がないという点は同じですが、ジャケットコートのようにアウターとして着るもの、という意味が強いです。

そのため、フランス製のベストは背面まで上質な生地を使い、装飾性の高い場合が多いでしょう。

 

そんなベストはチョッキよりもおしゃれな印象があります。

ちなみに、ベストが初めて作られたのは16世紀だという説があります。

そして、19世紀初めにイギリスの郵便配達員が防寒のため着ていたポストボーイウエストコートが、今のベストの原型になっています。

「ジレ」をもっと詳しく

ジレの語源はフランス語の “gilet” です。

そして、ジレは日本語のチョッキやアメリカ英語のベストと同じように、袖のないインナーとアウターの間に着る衣服のことを表しています。

ちなみに、インナーとアウターの間に着る衣服のことを中衣と言います。

 

そして、ジレは中衣なので、前面のみ上質な生地が使われています。

また、ジレはチョッキやベストよりもおしゃれな印象です。

そして、フランス生まれのグランドにつけられていることが多いでしょう。

 

また、ジレはカジュアルに着られることもあり、若者を中心に人気のファッションアイテムです。

そして、女性用のものが多いでしょう。

 

ちなみにジレの歴史は、1770年代のフランスにまでさかのぼります。

当時のフランスでは、イギリスから短い新しい形のベストがやってきて、フランスではこのベストのことをジレと呼んでいました。

そして、貴族は上着の下にこれを着ていました。

 

ちなみに18世紀には上着の丈が短くなり、それに合わせてジレの丈も短くなりました。

また、ジレは袖なしになっていきました。

 

その後、19世紀半ばになるとジレは背広の下に着るチョッキとして用いられるようになりました。

そして、同じ頃から女性にも使われるようになり、スーツの下にブラウスやシャツの代わりに着られるようになりました。

まとめ

以上、この記事では、「チョッキ」と「ベスト」と「ジレ」の違いについて解説しました。

  • チョッキ:日本語の「直着」が語源だという説が有名
  • ベスト:語源はアメリカ英語の “vest”
  • ジレ:語源はフランス語の “gilet”

「チョッキ」と「ベスト」と「ジレ」は同じものを指していたんですね。

このように、ファッション業界の言葉には、語源が異なるだけで同じものを指しているものもたくさんあります。

探してみるのも面白いのではないでしょうか。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。