今回ご紹介する言葉は、ことわざの「噂(うわさ)をすれば影(かげ)がさす」です。
言葉の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「噂をすれば影がさす」をざっくり言うと……
読み方 | 噂(うわさ)をすれば影(かげ)がさす |
---|---|
意味 | 人の噂をしていると、ちょうどそこへ本人が現れることがあるということ |
由来 | 江戸時代後期の戯作者である十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』 |
類義語 | 噂を言えば主が来る、謗れば影さすなど |
英語訳 | Speak of the devil and he will appear.(悪魔のことを話すと悪魔が現れる。) |
このページの目次
「噂をすれば影がさす」の意味をスッキリ理解!
噂(うわさ)をすれば影(かげ)がさす:人の噂をしていると、ちょうどそこへ本人が現れることがあるということ
「噂をすれば影がさす」の意味を詳しく
「噂をすれば影がさす」は、人の噂をしていると、ちょうどそこへ本人が現れることがあるという意味のことわざです。人の噂や悪口はほどほどにするべきだという戒めの意味が込められています。
同じ意味で「噂をすれば影」と表現することもあります。
「噂」とは、その場にいない人の身の上話のことです。
また、「影」は、人の影のことです。「影がさす」には、「人の姿が現れる」という意味があります。
「噂をすれば影がさす」の使い方
- 噂をすれば影がさすとは言うが、風邪で休んでいるはずの友達のことで盛り上がっていたら後ろに本人が立っていてびっくりした。
- 数人で集まって悪口を言っていたら噂をすれば影がさすで、当人が後ろから現れて慌てた。
「噂をすれば影がさす」の由来
「噂をすれば影がさす」は、十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の滑稽本(こっけいぼん)『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』に登場する言葉に由来しています。十返舎一九は、江戸時代後期に活躍した戯作者(ぎさくしゃ)です。
実は、戯作と一口に言っても、範囲は広いので、以下に一部ご紹介します。
- 談義本(だんぎぼん):おもしろさと教訓を兼ねそなえ、社会を風刺した本
- 洒落本(しゃれぼん):恋愛関連の文学書
- 読本(よみほん):絵をあまり用いず、読むことに重点を置いた江戸時代後期の小説
- 黄表紙(きびょうし):絵を主とする小説である草双紙(くさぞうし)の様式の1つ
- 合巻(ごうかん):黄表紙が長編化した内容で、実録・読本・歌舞伎などの影響を受けた文学
- 滑稽本(こっけいぼん):笑いを含めた教訓的文学
- 人情本(にんじょうぼん):風俗小説の1つ
滑稽本である『東海道中膝栗毛』は、江戸から京都・大阪までの道中記です。十返舎一九が病気で亡くなるまで20年間も書かれた本でした。
「噂をすれば影がさす」の類義語
「噂をすれば影がさす」には以下のような類義語があります。
- 噂を言えば主(ぬし)が来る
- 謗(そし)れば影さす
「噂をすれば影がさす」の英語訳
「噂をすれば影がさす」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Speak of the devil and he will appear.
(悪魔のことを話すと悪魔が現れる。) - Talk of the devil and he is sure to appear.
(悪魔のことを話すと悪魔が現れる。) - Sooner named sooner come.
(名前を言うや否や現れる。)
まとめ
以上、この記事では「噂をすれば影がさす」について解説しました。
読み方 | 噂(うわさ)をすれば影(かげ)がさす |
---|---|
意味 | 人の噂をしていると、ちょうどそこへ本人が現れることがあるということ |
由来 | 江戸時代後期の戯作者である十返舎一九の滑稽本『東海道中膝栗毛』 |
類義語 | 噂を言えば主が来る、謗れば影さすなど |
英語訳 | Speak of the devil and he will appear.(悪魔のことを話すと悪魔が現れる。) |
噂は、受け取った側の気持ちを考えて発するべきですね。