「うってかわって」の意味とは?使い方や類義語、英語訳を徹底解説

言葉

「うってかわって」とは「大きく変わって」という意味です。

「先ほどとはうってかわって…」など、「うってかわって」を使った表現を何回か聞いたことがあっても、実際に自分で使ったことはあまりないという方が多いのではないでしょうか。

使い慣れていない言葉は、いざ使おうとすると「言い回しを間違えていないだろうか?」などと心配になってしまいますよね。

この記事では、「うってかわって」の使い方や類義語、英語訳について詳しく解説します。

「うってかわって」の意味

うってかわって

大きく変わって

例:昨日とはうってかわって、今日はとてもよく晴れていますね。

「うってかわって」とは、「大きく変わって」という意味です。

「どう見ても、それまでの状況とは全くことなる状態になっている」と思えるような、激しい変化を表します。

人の状態や天気などがすっかりと変わったときによく使われます。

「うってかわって」と「あたかも」は全く違う意味

「うってかわって」は「あたかも」と混同されることがありますが、両者は全く意味が異なります。

  • うってかわって
    ガラリと変わることを表す
  • あたかも
    「まるで〜のようだ」「まさしく」という意味を表す

「うってかわって」の使い方

「うってかわって」は、「〇〇とはうってかわって」という言い回しでよく使います。

〇〇の中には、変化する前の時期や状態が入ります。

具体的な例文を見てみましょう。

  1. 昨日とはうってかわって、今日はとてもよく晴れていますね。
  2. 30分前とはうってかわって、空は暗くなっていた。
  3. この商店街の人通りは、昔とはうってかわって人通りが少なくなっていた。
  4. 人見知りをしていた幼少期とはうってかわって、今の彼はとても社交的だ。
  5. 落ち込んでいた先ほどとはうってかわって、彼は明るい表情になっていた。
  6. 音楽番組を見ていたときとはうってかわって、妹はつまらなさそうにスポーツ中継を眺めていた。
  7. 先週とはうってかわって、上司の機嫌が突然良くなった。
  8. 私の好きなアイドルが、前とはうってかわった髪型に変わっていた。
  9. 今回の曲は、今までとはうってかわった印象だね。
  10. リフォームのおかげで、ぼろぼろだった我が家は、昨日までとはうってかわった様子になった。

「うってかわって」は、まれに例文⑤⑥のように、「うってかわった△△」というかたちで使うことがあります。

「うってかわって」を使う際の注意点

「うってかわって」を使う際には、以下の2点に気をつけましょう。

注意点
  1. ビジネスでのネガティブな場面では使わない
  2. 「うってかわってしまった」は誤表現

1つずつ解説します。

①ビジネスでのネガティブな場面では使わない

「うってかわって」は、ビジネスでのネガティブな場面では使わないようにしましょう

ビジネスシーンにおいて、悪い意味で予定や状況が大きく変わることは、その仕事に関わる多くの人に影響が出るため、避けたいところですよね。

そのため、状況が大きく悪化してしまったこをわざわざ「うってかわって」という言葉で表現すると、無神経に話している印象になります。

たとえば、「先週とはうってかわって進捗が遅くなってしまい、会議の準備に支障が生じています」と言われたら、「こちらに申し訳ないという気持ちは本当にあるのか」という印象になりますよね。

 

そのため、ビジネスシーンのネガティブな状況では、「うってかわって」を使わないようにしましょう。

②「うってかわってしまった」は誤表現

「うってかわってしまった」という表現は誤用ですから、気をつけましょう。

「うってかわってしまった」は、「何かを打って、打った結果、変わってしまった」という意味になってしまうからです。

そのため、「うってかわって」は「〇〇とはうってかわって」というかたちで使いましょう。

「うってかわって」の由来


「うってかわって」は、「打って変わる」という言葉が由来となっています

「打って変わる」を分解すると、「打って」と「変わる」に分けることができます。

  • 打って
    強調を表す
  • 変わる
    変化する

つまり、「打って」が「変わって」を強調しているため、「うってかわって」は、「とても大きく変化する」という意味になっているのです。

「うってかわって」を「打って変わって」と表記することは少ない

「うってかわって」の由来は「打って変わる」であるものの、「うってかわって」を漢字で「打って変わって」を書くことは少ないです。

というのも、漢字にすると「何かを打ちつけて、その結果変わって」という意味にもとれてしまい、まぎらわしいからです。

そのため、「うってかわって」は通常、ひらがなで表記されます。

「打って」の意味を詳しく

「打って」は強調を表す言葉です。

ここでの「打って」は、「ボールを打つ」などで使うような「物を何かに当てる」という物理的な意味ではありませんから、気をつけましょう。

ちなみに、強調を表す「打って」は、「うってかわって」のほかにも、下記のような言葉で用いられています。

  • 打ってつけ
    とても当てはまっていること
    ※ひらがなで「うってつけ」と使うことも多い
    例:あの人は、司会者に打ってつけだ。
  • 打って出る
    積極的に出ていくこと
    例:彼は市長選に打って出た
  • 打って一丸となる
    関係するすべての人が心を1つにする
    例:大会の成功のため、打って一丸となりましょう

「うってかわって」の類義語

うってかわってには以下のような類義語があります。

  • 一変(いっぺん)して
    すっかり変わること
    例:漫才の大会で優勝してから、彼らの生活は一変して忙しくなった。
  • 一転(いってん)して
    大きく変わること
    例:彼は無罪を主張していたが、一転して容疑を認めた。
  • 様変わり(さまがわり)して
    様子がすっかり変わること
    例:綺麗だった建物が、10年ぶりに訪れると様変わりしていた。
  • ガラリと変わって
    大きく変わること
    例:昨日までとはガラリと変わって、彼女はショートヘアになっていた。
  • 激変して
    様子や情勢が急激に変化すること
    例:この数年で、自然環境は激変していった。
  • 豹変して
    明らかに大きく変わること
    例:久しぶりに会って、彼の語り口は豹変していた。
  • 手のひらを返したように
    態度や評価を急に変えることのたとえ
    例:優しかった友達が、手のひらを返したように、私を無視し始めた。

「うってかわって」の英語訳

「うってかわって」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • change completely
    (完全に変わる)
    例:I was confused, because his mood changed completely.
    (彼の機嫌が完全に変わったので、私は困惑した。)
  • change radically
    (完全に変わる)
    例:My lifestyle changed radically.
    (私の生活スタイルは完全に変わった。)
  • be completely different from〜
    (〜とは完全に違って)
    例:His idea is completely different from mine.
    (彼の考えは私の考えとは完全に異なる。)

「うってかわって」のまとめ

以上、この記事では「うってかわって」について解説しました。

読み方うってかわって
意味大きく変わって
由来打って変わる
類義語一変して
一転して
様変わりして など
英語訳change completely
(完全に変わる)
change radically
(完全に変わる)
be completely different from〜
(〜とは完全に違って)

様子や状況の大きな変化を表したいときには、ぜひ「うってかわって」を上手に使いこなしましょう。

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