「疑わしきは罰せず」の意味とは?使い方から英語や類語や対義語まで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「疑わしきは罰せず(うたがわしきはばっせず)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。

☆「疑わしきは罰せず」をざっくり言うと……

読み方疑わしきは罰せず(うたがわしきはばっせず)
意味犯罪事実がはっきりと証明されず、「疑わしい」と思われるだけの時には、被告人に対して有罪宣告をしてはならないとする原則
類義語「疑わしきは被告人の利益に」など
対義語擬制、みなし
英語訳In dubio pro reo.(疑わしきは罰せず)

「疑わしきは罰せず」の意味をスッキリ理解!

疑わしきは罰せず(うたがわしきはばっせず):犯罪事実がはっきりと証明されず、「疑わしい」と思われるだけの時には、被告人に対して有罪宣告をしてはならないとする原則

「疑わしきは罰せず」の意味を詳しく


「疑わしきは罰せず」は、刑事訴訟(けいじそしょう)における原則です。

具体的には、刑事訴訟において、被告人が有罪であることを合理的に検察側が証明することができなければ、裁判所は被告人に対して有罪宣告をしてはならないとするものです。

この原則は、無罪の人に対して間違って有罪を宣告してしまう「冤罪(えんざい)」を防ぐ役割があります。一方で、たとえどんなに疑わしいと思われても、合理的に被告人の有罪を立証することができなければ、被告人を無罪にしなければなりません。

この原則は、再審の請求に対する審判手続においても適用されます。

「疑わしきは罰せず」の使い方

  1. 疑わしきは罰せずを守らなければ、罪のない人に不利益が及んでしまう可能性がある。
  2. 間違いなくこの人物が犯人であると思われるのに、疑わしきは罰せずの原則によって裁判が難航している。
  3. 疑わしきは罰せずに対抗するべく、検察官は証拠集めに奮闘する。

「疑わしきは罰せず」の類義語

「疑わしきは罰せず」には以下のような類義語があります。

  • 疑わしきは被告人の利益に:犯罪事実がはっきりと証明されず、「疑わしい」と思われるだけの時には、被告人に対して有罪宣告をしてはならないとする原則
  • 無罪推定(むざいすいてい):犯罪者であるとする判決を受けるまでは、無罪であると考えられる原則

「疑わしきは被告人の利益に」は、「疑わしきは罰せず」のラテン語訳である “in dubio pro reo” を直訳したものです。

「無罪推定」は、「推定無罪」や「無罪の推定」などの言い方をする場合もあります。

「疑わしきは罰せず」の対義語

「疑わしきは罰せず」には以下のような対義語があります。

    • 火のないところに煙は立たぬ:うわさが立つからには、何らかの根拠があるはずだということ

「疑わしきは罰せず」の英語訳

「疑わしきは罰せず」を英語に訳すと、次のような表現になります。

      • In dubio pro reo.
        (疑わしきは罰せず)
      • A suspect’s guilt must be proved beyond reasonable doubt.
        (被告人の有罪(判決)は、正当な疑いの上で証明されなければならない。)
      • The suspect must always be given the benefit of the doubt.
        (被告人は、常に疑いに関して利益を与えられなければならない。)

“In dubio pro reo.” は、元はラテン語の訳です。 “In dubio” で、「疑わしい場合には」という英語表現になります。

2つ目と3つ目の英語訳は、「疑わしきは罰せず」の概念を示したものです。意訳として「疑わしきは罰せず」と解釈することが可能です。

まとめ

以上、この記事では「疑わしきは罰せず」について解説しました。

読み方疑わしきは罰せず(うたがわしきはばっせず)
意味犯罪事実がはっきりと証明されず、「疑わしい」と思われるだけの時には、被告人に対して有罪宣告をしてはならないとする原則
類義語「疑わしきは被告人の利益に」など
対義語擬制、みなし
英語訳In dubio pro reo.(疑わしきは罰せず)

「疑わしきは罰せず」で救われる人もいれば、苦しむ人もいます。あちらを立てればこちらが立たぬというように、すべてにとって都合の良いようにすることは大変難しいことです。

しかし、そのような中で最善の選択をすることが、最も重要なことなのです。

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香菜
「読者を不快にさせない記事」をモットーに執筆・編集しています。有名美容ライターの元でアシスタントを経験し、その後出版社に就職。現在は著名人への取材やエンタメ記事の執筆も行っています。