スマートフォンを充電する際に、USBケーブルを使用しますよね。USBケーブルがなければ充電もデータのやり取りも困るという人も多いです。しかしこのUSBケーブルは多くの種類があります。どれが自分のスマートフォンやデバイスにあっているのか分からない人も多いですよね。
そのなかでも、多く普及しているのは「USB2.0」と「USB3.0」です。両者にはどういった違いがあるのでしょうか。この記事では「USB2.0」と「USB3.0」の違いを解説します。
結論:速度と給電力の違い
「USB3.0」は2008年に登場したUSB規格で、「USB2.0」の10倍の速度で通信ができます。
「USB2.0」をもっと詳しく
「USB2.0」が登場した2000年当時は、フロッピーディスクと呼ばれる書類や文書を保存する程度しかできない、四角い形をした記録媒体を使用しなくなった時期です。その代わりに光化学ドライブと言われる大容量の記録メディアが台頭してきた時代でした。
この記録メディアはCD-RやCD-RWといったものです。容量は700MB程なので、およそ5分の曲が14曲ほど入ります。また、一方で ハードディスクと呼ばれるパソコンの記録を行う部分のパーツの価格が安くなった時代でもあります。
大容量のハードディスクが安価で購入できるようになったのです。こうした記録を行うメディアが普及した時代でした。
この大容量のメディアが登場すると一体何が起こるのでしょうか。当然ながら大容量のメディアなので、そこに書き込まれるデータの容量も大きいです。そうすると、その大容量のデータを書き込み、やり取りするための道具が必要になってきます。
例えば大きな荷物を運ぶ際には、手で持っていくよりも車を使って運んだ方が早くて簡単ですよね。それと同じ理論で、メディアにデータを高速に書き込むためのケーブルが必要なのでした。
そのケーブルの規格として発明されたのがUSBで、「USB2.0」は文書やドキュメントといったデータ容量の小さいものだけではなく、このような大きなデータの通信を可能にするため開発されました。このような時代背景が「USB2.0」誕生のきっかけになったのです。
この「USB2.0」のケーブルを使って、ハードディスクやCDドライブを外付けして使用するのが一般的でした。つまりこうした大容量化のデータのやり取りの際のニーズを満たすものとして生まれてきたのです。
「USB3.0」をもっと詳しく
一方の「USB3.0」は、「USB2.0」と何が違うのでしょうか。冒頭でご説明したように、1番異なっている点はその速度にあります。「USB2.0」と比べて10倍もの速度が出るので、圧倒的な違いです。飛行機と乗用車と同じくらい速度の差があります。
これほど速度の違いが生まれてしまったのも、もちろん技術の発達が理由として挙げられますが、それだけではありません。このような時代背景が「USB3.0」の誕生の背景にもあります。
「USB2.0」は主に音楽データや写真といった、2000年代前半のニーズのために使われていましたが、「USB3.0」が登場したのが2008年です。この8年間の間にデジタル業界で大きな変化があったのです。
今では誰もが当たり前のようにSNSなど見ている動画を、この頃多くの人がパソコンを使ってデータを管理するようになったのです。2005年前後に今ではあまり見かけなくなった家庭用ビデオカメラが、DVDにデータを記録するようになりました。
そのDVDデータのやりとりにもケーブルがもちろん必要です。しかし、動画のデータ容量は写真や音楽と比べ物にならない大きさなのです。動画は写真が何枚もパラパラ漫画のように組み込まれ、さらに音声も入っています。
そのため膨大な数の写真と音楽を合わせたものが動画のデータ容量と同じなのです。これほど大きなデータをやり取りするには「USB2.0」では足りません。そこで「USB3.0」が登場したのです。「USB3.0」はDVDなど、とても大きな容量のデータを通信することに向いています。
さらに「USB2.0」と異なる点は速度だけではありません。USBパスパワーという、コンセントがなくてもUSBポートにつなげば、デバイスが充電される技術があります。この技術も 「USB2.0」と比べて約2倍パワーアップしたのです。
このことによって、消費電力の大きいデバイスも「USB3.0」のポートにつなげば、動作します。コンピューターに接続して使う道具として使えるものが増えたのです。例えばポータブルブルーレイドライブなどの商品でも問題なく動作します。
しかし、「USB3.0」は比較的新しい技術なので、端末によっては動作しません。これを見分ける方法としては、パソコンのUSBポートの色を見ることが効果的です。もし「USB3.0」に対応しているならば、USBポートの部分が青色になっています。そうでなければ、対応していません。
デバイスが「USB3.0」に対応していなければ、こういった高速通信を行うことができないので注意が必要です。
まとめ
以上、この記事では、「USB2.0」と「USB3.0」の違いについて解説しました。
- USB2.0:写真や音楽データなどの大きなデータ通信に用いる規格
- USB3.0:動画などのとても大きなデータ通信に用いる規格
同じ形のUSBでも、時代によってこれほどの違いがあるのですね。技術の進歩により、新しい技術も安価で利用することができます。「USB3.0」も手に入れやすい価格になっているので、「USB3.0」を購入する方が良いです。ぜひこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。