「アーバン」の意味とは?使い方から英語までわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「アーバン」です。

「アーバン」の意味・使い方・語源などについて分かりやすく解説します。

☆「アーバン」をざっくり言うと……

英語表記アーバン(urban)
意味都市的な、都会的な
語源ラテン語のurbanus

「アーバン」とは?

アーバン(urban):都市の、都会の

「アーバン」の意味を詳しく

「アーバン」とは、「都市の」「都会の」を意味する形容詞です。「洗練された」というニュアンスもあります。

「都市」にも「都会」にも、厳密な定義はありません。アーバンの指す対象にも、厳密な定義はないと言えます。

しかし、都市や都会のイメージは多くの人が共有しているでしょう。「都市」と「都会」それぞれの意味を説明しながら、「アーバン」の意味を解説します。

「都市的な」アーバン

都市を大まかに定義すると「人がたくさん集まっていることで、様々な機能が集まっている空間」と言えるでしょう。都市の機能としては、お店が集まる「商業機能」だけでなく、役所や議会などが置かれる「政治機能」、オフィスや銀行などが集まる「経済機能」などが挙げられます。

 

どの機能がどれだけ集まっているかは、都市によって様々です。しかし、共通しているのは、単に人がたくさんいる以外の何かがあるということです。

「アーバン」から派生した言葉に、「サバーバン(suburban)」があります。これは、「郊外の」を意味する形容詞です。都市のまわりにつくられる郊外(suburb)は、「サブ(sub)のアーバン(urban)」ということです。

人口で言えば、都市(アーバン)よりも郊外(サバーバン)の方が多いこともあります。しかし、郊外には都市的な機能が多くありません。郊外に生活する人が、平日は都心のオフィスや学校に通い、休日も都心のデパートに買い物に行くのはよくあることです。

「都会的な」アーバン

「都会」とはどういう意味でしょうか。都会の対義語である「田舎(rural)」にも厳密な定義がありません。都会も田舎も、俗に使われている言葉です。学問や行政の世界ではあまり使われません。

「都会」と聞けば多くの人が、高層ビルが立ち並び、おしゃれなお店やカフェがたくさんある光景を思い浮かべるのではないでしょうか。

「かっこよくて、おしゃれで、洗練されている」のが、多くの人のもつ「都会」のイメージでしょう。そこから、「アーバン」には「洗練されている」というニュアンスがついたと言えます。

「アーバン」の使い方

  1. ニューヨークの旅行に備えて、アーバンウェアを買った。
  2. 彼は上京してアーバン・ライフを満喫しているそうだ。
  3. 名古屋・大阪間の移動手段として、近鉄のアーバンライナーが挙げられる。

上の例文のように、「アーバン」は複合語で使われることが多いです。❶の例文の「アーバンウェア」は「都市生活向けの服」という意味です。❷の例文に出てくる「アーバン・ライフ」は「都会暮らし」という意味です。

❸の例文のような列車の名前の一部として「アーバン」を聞いたことがある人もいるかもしれません。

「アーバン」の語源

「アーバン」の語源はラテン語の “urbanus” です。

ラテン語の名詞で「都市」を意味するurbs(ウルブス)の形容詞形がurbanusです。

「アーバン」と「シティ」の違い

ラテン語で「都市」を意味する言葉として、 “civitas(キウィタス)” もあります。これは、英語の “city” の由来となった言葉です。

英語では、「アーバン」と「シティ」のどちらも「都市」を意味します。アーバンは形容詞、シティは名詞という違いはありますが、大まかな意味としては同じです。

では、「アーバン」と「シティ」にはどのような違いがあるのでしょうか。

 

「アーバン」は都市的・都会的なものを指しますが、「シティ」は行政区分や都市機能のことを指すことがあります

「アーバン」は、都市的な環境に注目した言葉です。人が集まり、建物がたくさん建っていれば、「アーバン」と言えます。とりわけ、中心街や繁華街のような都会的なところでは、「洗練された」というニュアンスで使われます。

 

一方、「シティ」は、都市の機能にも注目した言葉です。たとえば、行政区分としての「○○市」は○○ cityと訳します。シティの中に都会的ではない部分があっても、市内であれば「シティ」と言うことができます。

シティの語源であるラテン語のキウィタスは、古代ローマ時代に、市民権を持った市民が活動する共同体という意味で使われはじめました。市民の食糧を生産する周辺の農村も含めた範囲を「キウィタス」と呼びました。

キウィタスは、ローマ時代以降意味を変えていきます。それは、時代や地域によって、「都市」の意味が異なっていることも意味します。その中で、キウィタスは、ラテン語から英語に伝わってcityになりました。

まとめ

以上、この記事では「アーバン」について解説しました。

英語表記アーバン(urban)
意味都市的な、都会的な
語源ラテン語のurbanus

今や世界の人口の半数近くが都市に住んでいます。都市に関係する言葉を知っておくのは、大いに意味があるでしょう。