「雲散霧消」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「雲散霧消(うんさんむしょう)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「雲散霧消」をざっくり言うと……

読み方雲散霧消(うんさんむしょう)
意味雲や霧が消えるように、あるものが跡形もなく消え去ること
類義語雲消霧散、雲散鳥没、雲消雨散など
対義語雲合霧集
英語訳“vanish like mist” (霧のように消える)、 “melt away” (次第に消える)など

「雲散霧消」の意味をスッキリ理解!

雲散霧消(うんさんむしょう):雲や霧が消えるように、あるものが跡形もなく消え去ること

「雲散霧消」の意味を詳しく

「雲散霧消」は、2つの同じ意味を持った単語から成り立っています。それぞれの意味を知ると、四字熟語全体の意味をより理解しやすくなります。

まず「雲散」は、「風などによって雲が流されて消えていくように、物事が消えていくこと」という意味です。同じように「霧消」にも、「霧が晴れていくように、消え去っていくこと」という意味があります。

したがって、「雲散霧消」は「雲や霧が晴れていくように、物事が消え去るさま」を表現する四字熟語なのです。雲と霧の2つの言葉を用いて、同じ意味の単語を重ねることで、「跡形もなく消える」というニュアンスを強調しています。

 

時々、「雲散霧消」を「うさんむしょう」と読む人がいます。「うんさんむしょう」が正しい読み方なので気を付けましょう

「雲」の音読みが「うん」であることに注意すれば、間違いを防ぎやすいでしょう。

「雲散霧消」の使い方

「雲散霧消」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。

  1. 昨日、私は友達とケンカをしてしまいイライラしていた。しかし、次の日目覚めるとそんな気持ちは雲散霧消していた。
  2. 彼はチームに入ってから真面目に働き続け、チーム内にあった問題を雲散霧消させてみせた。
  3. 後輩に気前よくおごっていたら、たくさんあったお金が雲散霧消してしまった。

以上のように「~が雲散霧消する」というように動詞の形で使われるのが一般的です。

1つ目の例文では、「イライラした気持ち」が消えたことを「雲散霧消」で表現しています。「雲散霧消」は、反感やもやもやといった「感情・気持ち」や、悩みや疑いなどの「考え」が消え去るさまを表すのにちょうどいい表現方法なのです。

また、2つ目と3つ目の例文にあるように「雲散霧消」は、問題などの「目に見えないもの」と、お金などの「目に見えるもの」のどちらに対しても用いることができます。「跡形もなく消え去る」というさまを強調したい場合に、この四字熟語を使うといいでしょう。

「雲散霧消」の類義語

雲散霧消には以下のような類義語があります。

  • 雲消霧散(うんしょうむさん):跡形もなく消え去るさま
  • 雲散鳥没(うんさんちょうぼつ):雲が晴れ、鳥が飛んでいくように跡形もなく消えること
  • 雲消雨散(うんしょううさん):雲のように消え、雨が散るように消え去ること
  • 海市蜃楼(かいししんろう):蜃気楼(しんきろう)のように実体がなくうつろなさま
  • 無影無踪(むえいむそう):影も足跡もなく、どこへ行ったか分からないさま

最初の3つの例文は、「雲散霧消」と同じように自然現象を用いて「跡形もなく消える」ということを表現しています。

「雲散霧消」の対義語

雲散霧消には以下のような対義語があります。

  • 雲合霧集(うんごうむしゅう):雲や霧が集まってくるように、人などがたくさん集まること

用いられている漢字から分かる通り、「雲合霧集」は「雲散霧消」の真逆の意味を持っています。

「雲散霧消」では「雲が散り、霧が消える」のに対して、「雲合霧集」では「雲が立ち込み、霧が集まる」のです。「雲合霧集」は、主に「人や物が大量に集まって出現する」際に用いられます。「雲散霧消」のように、「気持ち」や「考え」には使われないので注意しましょう。

「雲散霧消」の英語訳

雲散霧消を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • vanish like mist
    (霧のように消える)
  • go up in smoke
    (煙のように消える)
  • melt away
    (次第に消える)

最初の2つのフレーズは、「雲散霧消」の元の意味にとても近いです。1つ目の例文は、“vanish” の代わりに「散らす」という意味を持つ英単語である “disperse” を用いて “disperse like mist” というように用いることもできます。

最後の “melt away” というフレーズは、「雲散霧消」のように「気持ち」が消えていくさまを表現するのに使うことができます

例えば、“His anger melted away when he read a letter” と言えば、「手紙を読むと、彼の怒りは消えていった」という意味です。

まとめ

以上、この記事では「雲散霧消」について解説しました。

読み方雲散霧消(うんさんむしょう)
意味雲や霧が消えるように、あるものが跡形もなく消え去ること
類義語雲消霧散、雲散鳥没、雲消雨散など
対義語雲合霧集
英語訳“vanish like mist” (霧のように消える)、 “melt away” (次第に消える)など

悩みごとがある時にくよくよと悩み続けていると、時間だけが意味なく「雲散霧消」していきます。それよりも、そのもやもやした気持ちを早く「雲散霧消」させて、冷静に何をすべきか考えられるといいですね。

「雲散霧消」という四字熟語は、日常的にもよく見るので親しみのある言葉でしょう。いざ使う場面が来た時のために、この記事でしっかりと意味と使い方を理解しておきましょう。「うんさん」という誤った読み方には、くれぐれも気を付けてください。