「運営」と「運用」という言葉はビジネスの面で、よく使われます。この2つの言葉は意味が似ているので、使い分けが難しいと感じる方も多いでしょう。
そこで今回は、「運営」と「運用」の違いを詳しく説明します。
結論:組織を動かす「運営」、モノを上手く使う「運用」
一方で、「運用」は、「そのモノの機能を生かし、うまく使うこと」です。
「運営」をもっと詳しく
「運営」は「ある組織が、本来の役割や目的を果たせるように、人間によって組織を動かすこと」です。
「運営」は、「営」の字から、営業を目的とする場合に用いられるような印象を持つ人もいるでしょう。しかし、営利活動が伴うかどうかは、関係ありません。
「営」という文字は、「いとなむ」や「はかる」、「仕事をする」といった意味を持っています。しかし、そういった意味以外にも、「軍隊がとどまるところ」や「陣地」、「とりで」といった意味もあります。したがって、「運営」の「営」には、後者の意味が含まれています。
「運営」の類義語
- 指導:目的に向かって、教え導くこと。
- 管理:管轄し、処理すること。
- マネージメント:管理。処理。経営者。
「経営」との違い
「運営」と似た意味で使われる言葉として、「経営」があります。「目的」によって使い分けがされます。
「経営」の目的
「経営」の目的は、収益を最大化するために、人やモノや資金を活用する活動のことを指します。営利活動が伴う場合には、「経営」を使います。
「運営」の目的
「運営」の目的は、与えられた仕事を効率よく達成するために、人やモノや資金を活用することを指します。営利活動が伴うかどうかは、「運営」に関係がありません。
「運営」の使い方の例
- 2月に行われる大会の運営をする。
- 社会を運営していく方法を考える。
①は、大会という組織を動かすことを表しています。
②も、①に同じく社会を動かすことを示しています。さらに、注目して欲しいのは、「社会を動かすこと」は営利目的ではないので、「運営」が使われている点です。
「運用」をもっと詳しく
「運用」は、「うまく機能を活かして、モノを用いること」です。
「運用」の「用」は、モノについて、「役に立たせる」や「働かせる」という意味を持ちます。そのため、モノの機能を効果的に生かすことが「運用」の本質です。
「運用」の類義語
- 適用:あてはめて、用いること。
- 活用:活かして用いること。効果のあるように、利用すること。
- 施用:とりあつかい、用いること。
「運用」の使い方の例
- この機械を運用しても、問題ないですか?
- 法令が適正に運用されている。
①は、「機械」というモノを活用しようとすることを表しています。
②は、「法令」という目に見えないモノが、うまくその機能を活かせていることを表しています。
「〇〇運用」
「運用」が含まれている言葉を、いくつか紹介していきます。
資産運用
「資産運用」とは、「資産」を「うまく使うこと」です。つまり、持っている資金を管理・運用して、リターン・資産を増やすことです。
- 株式投資
- FX
- 投資信託
システム運用
「システム運用」とは、サーバーやネットワークがトラブルで停止しないように、常時、システムを稼働させる仕事のことです。
「システム運用」の主な仕事としては、システムな監視や異常発生時の記録、トラブルの原因究明などがあります。ITが発展し、私たちの生活に浸透している現代にとっては、必要不可欠な仕事です。
まとめ
以上、この記事では、「運営」と「運用」の違いについて解説しました。
- 運営:ある組織が、本来の役割や目的を果たせるように、その組織を動かすこと。
- 運用:うまく機能を生かして、モノを用いること。