人間にとって首は、とても重要な体の一部分です。このことから、「首を飛ばされる(解雇される)」「ネックになる(弱点になる)」というような言い回しにも使われています。
首を表す言葉はたくさんあります。その中でも今回は、「うなじ」「首筋」「襟足(えりあし)」の違いについて解説します。
結論:うなじと首筋は首の後ろ部分、襟足は首の後ろの髪の毛の生え際
- うなじ:髪の毛を除いた、首の後ろの部分
- 首筋:髪の毛を除いた首の後ろの部分、または耳の後ろの辺りから肩にかけての筋肉
- 襟足:首の後ろの髪の毛の生え際
「うなじ」とは?
うなじは、首の後ろ部分のことを指します。髪の毛の部分は入っていません。
うなじを漢字で書くと、「項」または「脰」となります。
うなじという言葉は、首や首の後ろを表す古い言葉の「うな」と、尻を表す「じ」を合わせて、うなじになりました。「うなづく」「うなだれる」という言葉も、同じ「うな」を由来にしています。
また、女性のうなじは髪の毛を結い上げないと見えない、隠れた部分です。したがって、うなじは色気や艶やかさを表す部分であると言われています。
「うなじ」の使い方の例
- 近年、うなじの脱毛が流行している。
- うなじに汗がにじんでいる。
- 香水をうなじにつけると、香りがよく広がる。
②の例文では、首の後ろから汗をかいていることがわかります。夏によく見る光景ですね。
③の例文では、うなじには大きな血管があり、直射日光も浴びないことから、香水をつけるのに最適な場所とされています。
「首筋」とは?
首筋は、髪の毛を除いた首の後ろの部分を指します。よって、うなじと同じ意味です。
しかし、首筋の方が、うなじよりも広い範囲に使われることがあります。首筋は耳の後ろの辺りから肩にかけての筋肉の部分も表すからです。
長い時間リュックを背負っていると、首と肩の間が痛くなりますよね。その部分を首筋と呼びます。
「首筋」の使い方の例
- 長い時間パソコンに向かっていると、首筋が痛くなる。
- 暑い日は、首筋を冷やすと気持ちがいい。
- 首筋に血が伝わるのを感じた。
②の例文では、首筋の血管は大きく、体の表面にあるので、これを冷やすことで体全体が冷えやすいと考えられています。
③の例文では、ヴァンパイアの映画のシーンのような、首に血が流れる様子が想像できます。
「襟足」とは?
襟足は、首の後ろの髪の毛の生え際のことを指します。つまり、襟足は首ではなく、髪の毛を指します。
襟足という言葉は、首を意味する「襟」と、昔、着物を着るときに髪を結いあげて日本髪にしたときに、首の後ろの左右に残された髪の毛が「足」のように見えたことが由来です。
「襟足」の使い方の例
- 襟足は短めに切ってもらうのが私のこだわりだ。
- 髪が短いから、縛ると襟足が出てしまう。
- 最近は、襟足をわざと残して髪を縛るのが流行っている。
②の例文では、首の生え際の毛は、ほかの髪の毛より少し短くなっているので、縛りにくいことがわかります。
③の例文では、首の生え際の髪をわざと残して「おくれ毛」と呼ぶこともあります。
まとめ
以上、この記事では、「うなじ」「首筋」「襟足」の違いについて解説しました。
- うなじ:髪の毛を含まない、首の後ろ部分
- 首筋:髪の毛を除く首の後ろ部分、または首から肩にかけての筋肉
- 襟足:首の後ろ部分の髪の毛の生え際
「うなじ」「首筋」と、「襟足」では指しているものが全く違うことがわかりましたね。
「うなじ」「首筋」のどちらも使える場面では、「うなじ」を使ってみると、詩的な雰囲気になり文章がぐっと豊かになります。