音楽は私たちの日常に密接に関わるもののひとつです。小さい頃にピアノなどの楽器を習っていた人も多くいるでしょうし、小学校や中学校ではリコーダーや鍵盤ハーモニカを習います。
音楽と密接に関わる私たちは、多くの楽器に触れてきています。ですが、そんな楽器の中には似ているものが多くあり、名前だけを聞くと「どっちがどっちだっけ?」となってしまうことも多くあるでしょう。
「ウクレレ」と「マンドリン」は、そんな紛らわしい楽器のひとつです。この記事では、「ウクレレ」と「マンドリン」の違いについて解説します。
結論:見た目や発祥が違う
「マンドリン」はイタリア発祥の弦楽器で、半球のような形が特徴的です。
「ウクレレ」をもっと詳しく
「ウクレレ」は4本の弦を持つ小型の弦楽器です。
「ウクレレ」は、ハワイの伝統的な楽器で、ハワイアン音楽には欠かせない存在です。
サイズは、ソプラノ、コンサート、テナー、バトリンの4つあります。
一番小さいソプラノは全長54cm前後、コンサートが61cm前後、テナーが67cm前後、最大のバリトンは77cm前後の大きさです。
一般的に親しまれているのは、ソプラノのウクレレで、「スタンダード」とも呼ばれています。ウクレレを始めるときにも、ソプラノから始める人が多いです。
「ウクレレ」の発祥
「ウクレレ」はハワイの楽器ですが、その源流はヨーロッパにあると言われています。19世紀後半にウクレレの原型である「ブラギーニャ」がポルトガルからハワイにやってきました。
当時のポルトガルとハワイは、世界から移民を受け入れており、1870年代にポルトガルからの移民を乗せた船がハワイにたどり着きました。そこには3人のブラギーニャ職人が乗っており、ハワイについてからも故郷の楽器であるブラギーニャを作ることにしました。
ハワイには、「コア」と呼ばれる木材が存在し、職人たちはその木材を使ってブラギーニャを作り始めました。これを何度か改良し、完成させたものを「ウクレレ」と名付け、それがハワイの楽器として広まるようになりました。
「マンドリン」をもっと詳しく
「マンドリン」は、2本4対で計8本の弦を持つ弦楽器です。
「マンドリン」の全長は60cm前後です。
形は、ナポリ型と呼ばれるボウルバックタイプと、ポルトガル型と呼ばれるフラットバックタイプがあります。
ボウルバックタイプは、一般的にマンドリンとして広く知られているタイプで、ボディの背面が半球状になっているものを指します。一方で、フラットバックタイプはボディの背面が平らなものを指します。
ボウルバックタイプのマンドリンは、主にクラシック音楽に用いられ、フラットバックタイプのマンドリンはブルーグラスやカントリーという音楽ジャンルで用いられることが多いです。
ちなみに、「ブルーグラス」とはアメリカで発祥したアコースティック音楽のことで、「カントリー」とはアメリカ南部で発祥した、ポップミュージックの元となる音楽のことです。
「マンドリン」の発祥
「マンドリン」は、古代アラブ地域で発祥された「リュート」と呼ばれる弦楽器を祖先として17世紀の初めにイタリアで生まれたとされており、これはギターやバイオリンと同じ発祥のしかただと言われています。
1600年代前半、イタリアでは歌劇が栄えており、優秀な楽器職人がイタリア各地に存在しました。そんな中、1人の楽器職人が1620年頃に初めてマンドリンを制作し、それが現代にまで伝わっていると言われています。
まとめ
以上、この記事では、「ウクレレ」と「マンドリン」の違いについて解説しました。
- ウクレレ:ハワイ発祥の、ギターを小さくしたような見た目の楽器
- マンドリン:イタリア発祥の、半球のような形をした楽器