「熱帯低気圧」と「台風」の違いとは?定義からメカニズムまで解説

違いのギモン

「熱帯低気圧」や「台風」は夏などになるとニュースでよく聞く言葉ですよね。そして、みなさんの中には「台風が熱帯低気圧に変わりました」という言葉を聴いたことがある方もいると思います。

しかし、「熱帯低気圧」と「台風」の違いについて正確に解説できる人はなかなかいないと思います。

そこで、今回は「熱帯低気圧」と「台風」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:台風は風速が17.2m/s以上の熱帯低気圧

まず、熱帯低気圧とは亜熱帯や熱帯で海から大量の水蒸気が上昇することにより、空気が渦を巻いてできる低気圧のことです。

一方、台風とは熱帯低気圧の中でも北西太平洋や南シナ海にあり、風速が17.2m/sを超えるものを指します。

ちなみに、天気図上ではどちらもTTDと表記され、区別されていません。

「熱帯低気圧」をもっと詳しく

熱帯低気圧とは、簡単に言うと亜熱帯や熱帯で海から大量の水蒸気が上昇することにより、空気が渦を巻いてできる低気圧のことです。

しかし、より厳密に言うならば、低気圧のうちでも以下の条件を満たしたものを言います。

 

まず、条件の1つめは暖かい空気だけでできているということです。ちなみに、低気圧の上部が冷たい空気になっている時は、温帯低気圧などと呼ばれます。

次の条件は、海水が蒸発し、水蒸気になって上昇し、熱を放出するエネルギーをエネルギー源にしているというものです。

そして、3つめは他の低気圧よりも最大風速が増して行きやすいというものです。

最後に4つめは広い範囲に低気圧の層を持っているということです。つまり、熱帯低気圧は大きな低気圧でなくてはなりません。

そんな熱帯低気圧に覆われると、強い風が吹いたり、強い雨が降ったりします。

「台風」をもっと詳しく

台風とは、熱帯低気圧のうちでも、北西太平洋や南シナ海にあり、風速が17.2m/sを超えるものを指します。

つまり、熱帯低気圧が発達してできるのが台風なのです。ただ、熱帯低気圧が発達してできるのは他にもサイクロンやハリケーンなどがあり、台風だけではありません。これらの違いは地域や最大風速などにより異なります。

そして、このうち台風は赤道よりも北、東経180°線よりも西の北西太平洋や南シナ海にあり、中心付近の10分間の平均風速が17.2m/sを超えるものを指します。

 

ちなみに、台風は熱帯低気圧と同じように、温かい海面から吸収された水蒸気が雲粒になる時に放出される熱をエネルギーとして発達します。

また、海面や地上との摩擦でエネルギーを失っていきます。そのため、仮にエネルギーの供給が0になってしまうと、台風は2~3日ほどで消滅してしまいます。

そして、陸上ではエネルギーを供給することが難しいため、台風は上陸すると勢力が弱くなっていきやすいです。

 

また、北上するにつれて周りの空気の温度は下がっていき、台風の内部の温度と差が大きくなってくるため、周りの空気と台風との間に前線ができるようになります。こうして、台風は温帯低気圧になっていくのです。

ちなみに、台風の中でも最大風速が32.7m/sを超え、43.7m/s未満のものは「強い台風」、最大風速が43.7m/s以上54m/s未満のものを「非常に強い台風」、最大風速が54m/sを超えるものを「猛烈な台風」と言います。

まとめ

以上、この記事では、「熱帯低気圧」と「台風」の違いについて解説しました。

  • 熱帯低気圧:亜熱帯や熱帯で海から大量の水蒸気が上昇することにより、空気が渦を巻いてできる低気圧
  • 台風:風速が17.2m/sを超え、北西太平洋もしくは南シナ海にある熱帯低気圧

熱帯低気圧と台風との間には、このように明確が違いがあります。この違いを友達などに自慢してみるのもいいかもしれません。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。