「鶴の一声」の意味とは?類語や英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「鶴の一声(つるのひとこえ)」です。「一声」はわかっても、なぜ「鶴」なのかがわからないという方は多いのではないでしょうか。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「鶴の一声」をざっくり言うと……

読み方鶴の一声(つるのひとこえ)
意味大勢で議論している際、否応なしに全員を従わせるような権力者の一言。
由来鶴の鳴き声は大きくてかん高く、他の鳥の鳴き声を圧倒するほど響き渡ることから。
類義語天の声、百星の明は一月の光に如かず、雀の千声鶴の一声など
対義語雀の千声など
英語訳final word(最終決定)

「鶴の一声」の意味をスッキリ理解!

鶴の一声(つるのひとこえ):大勢で議論している際、否応なしに全員を従わせるような権力者の一言

「鶴の一声」の意味を詳しく

学校や職場の会議など大勢で議論をしているとき、他の多くの人の意見とは関係なく、権威者の一言で結論がでることがありますよね。

このような状況を表した言葉が「鶴の一声」です。「鶴の一声」は大勢が意見を出す中で、多くの人を従わせ、ことを決定づける権威者の一言を意味します。

 

ここで注意すべき点は、鶴の一声は普段からよく発言をする人には使わない点です。普段あまり発言しない人がいざという時に命令を下したり状況を決定づける発言をしたりする場面に対して使われます。

 

また、一声は「いっせい」とも読みますが、ここでは「ひとこえ」と読むので間違えないように注意しましょう。

「鶴の一声」の使い方

  1. 文化祭の出し物についてなかなか意見がまとまらなかったが、委員長の鶴の一声でお化け屋敷に決まった。
  2. 議論が長引き膠着(こうちゃく)していたが、部長の鶴の一声でプロジェクトが動き出した。
  3. 社員は部署の存続を訴えたが、社長の鶴の一声でその部署は閉鎖になることが決定した。

①と②ではまとまらない議論を有力者がまとめてくれ、議論の進行に役立ったという意味で使われています。

一方、③のように多くの人の意見を権力者がねじ伏せるといった意味で使われることもあります。ここでは発言者が権力を振りかざしているという悪い意味になります。

「鶴の一声」の由来

「鶴の一声」は鶴の鳴き声に由来しています。

鶴は基本的にはあまり鳴かない鳥です。しかし、実際に鳴くと鶴の鳴き声は大きくてかん高く、他の鳥の鳴き声を圧倒するほど響き渡ることで知られています。

このことから、他の意見を圧倒する有権者の発言に例えられるようになり、このことわざができました。

「鶴の一声」の類義語

鶴の一声には以下のような類義語があります。

  • 天の声:天からの声。転じて、権力者など強い影響力を持つものの言葉。
  • 百星(ひゃくせい)の明(めい)は一月(いちげつ)の光(ひかり)に如(し)かず:星の光をたくさん集めても1つの月の光には及ばないように、世の中の凡人をいくら集めても一人の賢者には遠く及ばないということ。
  • 雀(すずめ)の千声(せんこえ)鶴の一声:つまらない者のたくさんの発言よりも権力者の一言の方が優っているということ。

「鶴の一声」の対義語

鶴の一声には以下のような対義語があります。

  • 雀の千声:つまらないものの千の意見。

「鶴の一声」の英語訳

鶴の一声を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • final word
    (最終決定)
  • voice of authority
    (権威者の意見)
  • a word from top
    (上からの発言)

まとめ

以上、この記事では「鶴の一声」について解説しました。

読み方鶴の一声(つるのひとこえ)
意味大勢で議論している際、否応なしに全員を従わせるような権力者の一言。
由来鶴の鳴き声は大きくてかん高く、他の鳥の鳴き声を圧倒するほど響き渡ることから。
類義語天の声、百星の明は一月の光に如かず、雀の千声鶴の一声など
対義語雀の千声など
英語訳final word(最終決定)

鶴の一声は周囲から認められる権力がなくては発することができません。

このような権力を得るにはその分責任を背負わなくてはなりませんが、「この人の鶴の一声がないと話が進まない」と言われるような人物にぜひなってみたいものですね。