今回ご紹介する言葉は、故事成語の「罪を憎んで人を憎まず(つみをにくんでひとをにくまず)」です。
「罪を憎んで人を憎まず」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「罪を悪んで人を悪まず」をざっくり言うと……
読み方 | 罪を憎んで人を憎まず(つみをにくんでひとをにくまず) |
---|---|
意味 | 犯した罪は罪として罰し憎んでも、この罪を犯すまでには事情をあったのだろうから、その罪を犯した人までも憎んではならないということ |
由来 | 『孔叢子』の「その意を悪みてその人を悪まず」という言葉から |
類義語 | その罪を憎んでその人を憎まず |
英語訳 | Hate not the person but the vice. |
このページの目次
「罪を憎んで人を憎まず」の意味をスッキリ理解!
罪を憎んで人を憎まず:犯した罪は罪として罰し憎んでも、この罪を犯すまでには事情をあったのだろうから、その罪を犯した人までも憎んではならないということ
「罪を憎んで人を憎まず」の意味を詳しく
「罪を憎んで人を憎まず」とは、犯した罪は罪として罰し憎んでも、この罪を犯すまでには事情をあったのだろうから、その罪を犯した人までも憎んではならないということです。
「憎む」は「悪む」と表記されることもあります。読み方は同じです。
そして、聖書のヨハネ福音書8章にも同じ意味の言葉が載っています。
この考え方は漢字圏でも英語圏でも共通のものだったんですね。
「罪を憎んで人を憎まず」の例文
- 罪を憎んで人を憎まずと言うだろう。彼のことは許してやるべきだ。
- 罪を憎んで人を憎まずという言葉をよく覚えておかなくてはならない。
- 罪を憎んで人を憎まずという考え方はとても重要だ。
「罪を憎んで人を憎まず」の由来
「罪を憎んで人を憎まず」の出典は『孔叢子(くぞうし)』の「刑論(けいろん)」という章です。
この章の中に「その意を悪(にく)みてその人を悪(にく)まず」という言葉が出てくるのです。
この言葉は「罪人の心情は憎むべきだが、その人そのものは憎むべきではない」という意味を表しています。
『孔叢子』
『孔叢子』とは、孔子やその弟子の言行を書き記した本のことです。
漢の子魚が編纂したとされていますが、後世の偽作です。
「罪を憎んで人を憎まず」の類義語
「罪を憎んで人を憎まず」には以下のような類義語があります。
- その罪を憎んでその人を憎まず
「罪を憎んで人を憎まず」の英語訳
「罪を憎んで人を憎まず」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Hate not the person but the vice.
(人を憎まず罪を憎め)
まとめ
以上、この記事では「罪を憎んで人を憎まず」について解説しました。
読み方 | 罪を憎んで人を憎まず(つみをにくんでひとをにくまず) |
---|---|
意味 | 犯した罪は罪として罰し憎んでも、この罪を犯すまでには事情をあったのだろうから、その罪を犯した人までも憎んではならないということ |
由来 | 『孔叢子』の「その意を悪みてその人を悪まず」という言葉から |
類義語 | その罪を憎んでその人を憎まず |
英語訳 | Hate not the person but the vice. |
「罪を憎んで人を憎まず」はとても大切な考えかたです。
行為を責めるのは正しいですが、その人自体を責めてしまうと、それは人格攻撃になってしまいます。
この教えをきちんと胸に刻んでおきたいものです。