「つきましては」とは「そういうわけで」という意味です。
目上の方へのメールなどで「つきましては」を使ったことのある方は多いでしょう。
しかし、実際のところ厳密な使い方まではわからないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では「つきましては」の意味や使い方、語源、類義語、英語訳、類義語「おかれましては」との違いについて解説します。
「つきましては」の意味
- そういうわけで
例:つきましては、アンケートにご協力ください。 - ~については
例:ご依頼の件につきましては、ただいま確認中です。
「つきましては」は「そういうわけで」「~については」の二つの意味があります。
漢字で「就きましては」「尽きましては」と書くことがありますが、漢字で使われることはほとんどありません。
それぞれの意味について以下に解説します。
意味①:そういうわけで
「つきましては」は接続詞として「そういうわけで」という意味で使われます。
主に文頭に置かれ、前に述べた内容を受けて何かを依頼したり案内するときに使います。
また、話題を変える接続詞としても使えます。
意味②:~については
「つきましては」は「~については」という意味で使われます。
主に文中に置かれ、特定の物事に言及する際に使われます。
あまり使いすぎると冗長な印象を与えてしまうので注意しましょう。
「つきましては」の使い方
「つきましては」は以下のように使います。それぞれの意味での使い方を解説します。
使い方①:そういうわけで
「そういうわけで」という意味の「つきましては」は以下のように使います。
- つきましては、日程調整をしていただきたいのですが。
- つきましては、アンケートにご協力ください。
- つきましては、こちらの動画をご覧ください。
- つきましては、一度お店にお越しください。
- つきましては、説明会にご参加ください。
- つきましては、こちらからお電話を掛けさせていただきます。
使い方②:~については
「そういうわけで」という意味の「~については」は以下のように使います。
- ご依頼の件につきましては、ただいま確認中です。
- ご指摘いただいた件につきましては、後ほど答えさせていただきます。
- 商品の発送につきましては、年内を予定しております。
- 今回の事件につきましては、ただいま調査中です。
「つきましては」は、改まった場で敬語とセットで使われることが多いです。
「つきましては」の語源
「つきましては」の語源は漢字表記を見ればわかりやすくなります。
「つきましては」は漢字で書くと「尽きましては」です。
話すことが尽きた、ということから結論を述べるときに使われるようになりました。
「つきましては」の類義語
「つきましては」には以下のような類義語があります。
- そのため
そういうわけで - 従いまして
前に述べたことからの必然的な結果として - これによりまして
こういうわけだから - これを理由といたしまして
これが原因となり - に関して
話がその事に関連するさま - については
動作・作用の対象となるものを表す - おかれましては
について - そういうわけで
事前に述べた、物事の事情や背景を、理由とする場合の表現 - あたりましては
したがって - 際しまして
そのため
類義語「おかれましては」との違い
「つきましては」の類義語に「おかれましては」があります。
よく似た言葉ですが、厳密には使い方が異なります。
以下に使い方の違いを解説します。
- つきましては
話の内容そのものや事柄を指す時に用いる
例:その件につきましては、確認中です。 - おかれましては
人や場所、会社などを指す時に用いる
例:理事長におかれましては、外出中です。
このように「つきましては」と「おかれましては」は指す対象が異なります。
「つきましては」の英語訳
「つきましては」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- therefore
(それゆえに) - so
(このように) - now
(それならば) - then
(それなら) - well
(ところで) - with regard to
(~に関しては) - in line with this
(つきましては) - about
(~について) - with a view to
(~について)
「つきましては」のまとめ
以上、この記事では「つきましては」について解説しました。
読み方 | つきましては |
---|---|
意味 | ①そういうわけで ②~については |
由来 | 「尽きましては」から由来 |
類義語 | そのため 従いまして これによりまして など |
英語訳 | therefore(それゆえに) so(このように) now(それならば) |
「つきましては」は頻繁に使われる言葉ですが、厳密な使い方のわかりにくい言葉です。
この機会にぜひ覚えておきましょう。