「善処」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語や対義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は熟語の「善処(ぜんしょ)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「善処」をざっくり言うと……

読み方善処(ぜんしょ)
意味状況に応じて適切な処置を取ること
類義語対処、対応など
対義語おざなり、なおざり
英語訳I will try my best.(できる限り善処いたします)

「善処」の意味をスッキリ理解!

善処(ぜんしょ):状況に応じて適切な処置を取ること

「善処」の意味を詳しく

善処とは、臨機応変に適正な処置を行うことを意味します。それではまず、漢字からみていきます。

「善」は道徳的に正しいこと、良いことを指します。そして「処」は物事を取りさばくことを指します。これらを合わせて、状況に合わせて対処を行うことを意味します。

このように、本来は前向きな意味合いを持つ言葉ですが、実際は明確な返答を避ける表現として使われることが多いです。

例えばビジネスシーンでは、「前向きに検討します」や「一旦保留させてください」などの意味合いで使われます。表向きは「しっかり対処する」という意味ですが、この言葉だけでは、事態が明るい方向へ向かうことは保証されないのです。

また、公的機関に何か依頼をした時、「善処します」という答えが返ってくることがあります。これは「できるかどうかの保証はできない」という意味を持ち、場合によっては「対応不可」という意味合いを含みます。

「善処」の使い方

  1. お客様からいただいた意見をもとに、改善に向けて善処いたします。
  2. よりよい環境づくりのため、善処するように努めたいと思います。
  3. この件について、御社にはご善処いただきますようお願い申し上げます。

「善処」は③のように、目上の方に依頼するときにも使える言葉です。この場合、尊敬語を意味する「ご」をつけることで、丁寧な表現になります。

「善処」の類義語

「善処」には以下の類義語があります。

  • 対処:状況に適した行動をとること
  • 対応:周囲に応じて物事を行うこと
  • 取り計らう:物事が上手くいくように処理する

「対処」は、行動を伴う言葉であるため、善処よりも具体性を持っています。「対応」は、人や状況に応じることを意味するため、善処のように必ずしも問題を良い方向に処理する意味合いは持ちません。

「取り計らう」は、相手の気遣いや思いやりを丁寧に表した言葉でもあります。

「善処」の対義語

「善処」には以下の対義語があります。

  • なおざり:いい加減に放置すること
  • おざなり:その場を逃れるためにいい加減な言動をすること

なおざりとおざなりは言葉が似ていることもあり、意味も同じだと誤解している人は多いです。なおざりはいい加減で何もしないこと、おざなりはいい加減な発言や行動をすることという違いがあるため、間違えないように使い分けましょう。

「善処」の英語訳

「善処」を英語に訳すと以下のような表現になります。

  • cope with
    (対処する)
  • deal with
    (対応する)
  • Let me think what I can do.
    (できる範囲で検討させていただきます)
  • I will try my best.
    (できる限り善処いたします)

まとめ

以上、この記事では「善処」について解説しました。

読み方善処(ぜんしょ)
意味状況に応じて適切な処置を取ること
類義語対処、対応など
対義語おざなり、なおざり
英語訳I will try my best.(できる限り善処いたします)

「善処」はその場の状況などで意味合いが少し変わってしまう、曖昧な言い回しです。そのことに注意しながら用いると良いでしょう。