「トライアスロン」と「バイアスロン」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

「トライアスロン」と「バイアスロン」を知っていますか?ぞれぞれの競技について、どのくらいの知識を持っていますか?「トライアスロン」を知っていても、「バイアスロン」という競技はあまり知らない人が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「トライアスロン」と「バイアスロン」の違いと、それぞれの競技について詳しい解説をします。

結論:それぞれに含まれる、種目の数・種類が違う。

「トライアスロン」は、水泳・自転車ロードレース・長距離走の3種目で構成されています。

「バイアスロン」は、クロスカントリー・ライフル射撃の2種目で構成されています。

種目からもわかるように、「トライアスロン」は主に夏の競技として、「バイアスロン」は、冬の競技として認識されています。

「トライアスロン」をもっと詳しく


トライアスロンでは、水泳・自転車・長距離走の3種目を行い、総合でのタイムが競われます。それぞれの種目は、スイムバイクランと呼ばれます。この順番で種目が行われます。安全を考慮した上で、この順番となっています。

「トライアスロン」の「トライ」は、ラテン語で「3」を表しています。また。「アスロン」は運動や教義を表しています。そのため、「トライアスロン」には、3種目が含まれているのです。

2000年のシドニーオリンピックから、オリンピックの正式競技となりました。

「トライアスロン」のルール

次に、主要なルールをご紹介します。

スイムのルール
  • スイムキャップ・ゴーグル・ウェットスーツを、着用する
  • ブイやコースロープをつかんで休めるが、つかんで進んではならない
バイクのルール
  • 規定のヘルメットを、必ずかぶる
  • トランジションエリア内では、バイクへの乗車禁止
  • バイクへは乗車ラインを越えてから乗り、降車ラインの手前で降りる
  • スイムからバイクへの移行時は、ヘルメットのストラップを締めるまでバイクに触らない
  • バイクからランへの移行時は、バイクをラックにおいてからストラップを外す
ランのルール
  • キープレフトが基本で、一休みもできる
  • 追い越しは、必ず右側から行う。追い越しのあとは、素早くキープレフトに戻る
  • 総合フィニッシュでは、サングラスを外す

「トライアスロン」の分類

総距離(ディスタンス)によって、5つに分類されます。

スイムバイクラン
スプリントディスタンス750m25km5km
オリンピックディスタンス1.5km40km10km
ハーフディスタンス1.9km90km21km
ミドルディスタンス2.5km100km23km
ロングディスタンス3.8km180km42.195km

独自の競技距離を、使用している大会もあります。

 

「バイアスロン」をもっと詳しく


「バイアスロン」では、クロスカントリースキーとライフル射撃を行い、スキー走力の速さと射撃の命中率の正確さを競います。「トライアスロン」とは違い、スキーの途中に、射撃が含まれています。

「バイアスロン」の「バイ」は、ラテン語で「2」を表しています。先ほども述べたように、「アスロン」は運動・競技を表すので、「バイアスロン」に2種目が、含まれていることがわかります。

男子が1960年スコーバレー大会から、女子は1992年アルベールビル大会から、オリンピックの正式競技になっています。「トライアスロン」よりも早い段階で、正式競技となっています。

「バイアスロン」のルール

スキーで滑走する距離や、射撃回数は、「バイアスロン」の種目によって異なってきますが、大まかな規定は同じです。

スキーのルール

スキーの滑走法は、フリー走法です。主として、スケーティングという走法が取られます。スケーティングとは、左右の足へ交互に体重をかけ、スケートのように前へ進む走法です。

ライフル射撃のルール

射撃は、50mの距離にある標的5個に対して、5発行います。

射撃には、伏射(ふくしゃ)と立射(りっしゃ)の2つがあります。前者は伏せて両ひじで体を支える姿勢、後者は立って両腕で銃を支える姿勢です。

標的の黒点部の大きさは、伏射の場合が直径45mm、立射の場合は直径115mmです。

射撃でのミスは、ペナルティーとしてタイムもしくは距離に加算されます。タイムの場合は、1発外すと1分を加算します。距離の場合は、150mの「ペナルティーループ」を1周することになります。

「バイアスロン」の分類

バイアスロンには、大きく分けて7つの種目があります。種目によって、スキーで走行する距離が違ったり、射撃数回も違ったりします。

個人(インディビデュアル)

スキーは、男子20km、女子15kmです。ライフルでは、伏射・立射・伏射・立射の順で合計4回の射撃を行います。ペナルティーは、走行タイムに1分が加算されます。総合のタイムを競います。

スプリント(短距離)

スキーは、男子10km、女子7.5kmです。ライフルでは、伏射、立射を合計2回の射撃を行い、外した弾1発につきペナルティループを1周します。課される距離が、「個人」より短いです。ゴールに到着した順番が、そのまま順位となります。

パシュート(個人追い抜き)

スキーは、男子12.5km、女子10kmです。ライフルでは、伏射・伏射・立射・立射の順で合計4回の射撃を行い、外した弾1発につきペナルティループを1周します。

スタートの際、前もって行なったスプリントの順位でスタートします。たとえば、スプリントで1位の5秒遅れで2位ゴールの選手は、1番目の5秒遅れでスタートします。ゴールに到着した順番が、そのまま順位となります。

マススタート(一斉スタート)

個人の一斉スタート方式であり、スタート直後は選手間の接触、転倒が多く見られます。スキーは、男子15km、女子12.5kmです。ライフルでは、伏射、伏射、立射、立射の順で合計4回の射撃を行い、外した弾1発につきペナルティループを1周します。ゴールに到着した順番が、そのまま順位となります。

リレー

男子は7.5km、女子は6kmを、4人でリレーします。ライフルでは、伏射と立射を2回行います。外した場合は予備弾として各射撃ごとに3発までの使用が許されていますが、外した弾1発につきペナルティループを1周しなければいけません。ゴールに到着した順番が、そのまま順位となります。

ミックスリレー(男女混合)

男子2名、女子2名の4名混合であり、ともに6kmです。ライフルでは、伏射と立射を2回行います。外した場合リレーと同様に予備弾3発の使用が許されていますが、外した弾1発につき、ペナルティループを1周します。ゴールに到着した順番が、そのまま順位となります。

ミックスリレーは、世界選手権大会のみでしか実施されません。

スーパースプリントクオリフィケイションファイナル

予選でのスキーは、男子3.6km、女子2.4kmです。ライフルでは、伏射と立射を行います。ペナルティーが出た時点で失格ですが、予備弾3発の使用が許されています。

決勝では、男子6km、女子4kmです。ライフルでは、伏射・伏射・立射・立射の順で合計4回の射撃を行います。予選と同様、ペナルティーが出た時点で失格であるが、予備弾3発の使用が許されています。ゴールに到着した順番が、そのまま順位となります。

オリンピックでは、採用されていません。

まとめ

以上、この記事では、「トライアスロン」と「バイアスロン」の違いについて解説しました。

  • トライアスロン:水泳・自転車ロードレース・長距離走の3種目で構成される。
  • バイアスロン:クロスカントリー・ライフル射撃の2種目で構成される。
名前が似ている2競技ですが、競技内容はまったく違います。これらの違いを抑えて、スポーツ観戦をもっと楽しみましょう。