今回ご紹介する言葉は故事成語の「浮生夢の如し(ふせいゆめのごとし)」です。
言葉の意味・由来・使い方・類義語についてわかりやすく解説します。
☆「浮生は夢の如し」をざっくり言うと……
読み方 | 浮生夢の如し(ふせいゆめのごとし) |
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意味 | 人生は夢のように短く、はかないものだということ |
由来 | 李白の「春夜宴従弟桃李園序」 |
類義語 | 春の夜の夢など |
「浮生夢の如し」の意味をスッキリ理解!
「浮生夢の如し」の意味を詳しく
浮生夢の如しとは、人生とは短くてはかない、夢のようなものだという意味です。それでは単語に分けて、詳しく説明します。
「浮生」とは、はかない人生という意味です。「夢」は言葉通りの意味ですが、儚い(はかない)という漢字の一部分にもなってるように、曖昧なものや一時的なものを象徴するモチーフとして使われることが多いです。「如し」は例をあげる時に使われます。
そのため、簡単に言うと「人生は夢のようにはかない」になります。
「はかない=美」という考え方
日本には仏教に由来する「無常観」という考え方が根付いています。無常観とは、物事は常に変化していて、永遠ではないという意味です。そのため、変化した先にある衰えや消えゆく様を悪いものとは捉えず、むしろ美であると讃(たた)えたのです。
この考え方に影響されて、人や世間のはかなさを情緒的に表そうとした作品が数多く存在します。例えば、『万葉集』や『平家物語』などです。このように日本の美意識は、本来なら否定的なものをあえて美と捉えることだと言えます。
「浮生夢の如し」の由来
浮生夢の如しは、唐の詩人だった李白(りはく)による「春夜宴従弟桃李園序」という詩が由来だと言われています。ここで彼は、人生がいかに短くはかないものであるかを憂(うれ)い、楽しむ時間はどれほどあるかについて語っています。
「浮生夢の如し」の使い方
- 浮生夢の如しというから、やりたいことはやりたい時にやりたいようにやるのが一番良い。
- 浮生夢の如しと悲観的にならず、残された時間をいかに有意義に過ごすかを考えよう。
「浮生夢の如し」の類義語
「浮生夢の如し」には以下の類義語があります。
- 春の夜の夢:春の夜にみる夢にように短くはかないこと
- 命は槿花(きんか)の露(つゆ)の如し:人の命は朝に降りた露のようにはかないこと
- 命は風前の灯の如し:人生がはかないこと、危険が迫っている状況のこと
まとめ
以上、この記事では「浮生夢の如し」について解説しました。
読み方 | 浮生夢の如し(ふせいゆめのごとし) |
---|---|
意味 | 人生は夢のように短く、はかないものだということ |
由来 | 李白の「春夜宴従弟桃李園序」 |
類義語 | 春の夜の夢など |
「一年間」という言葉を聞いた時、それを短いと捉えますか。それとも長いと捉えますか。時間というのは不思議な概念です。例えば、同じ五分であっても短く、あるいは長く感じた経験がある人も多いのではないでしょうか。
だからこそ、同じ人生も「浮生夢の如し」のように短くではなく、長く感じられるといいですね。