「トレーサビリティ」の意味とは?使い方から英語や類義語まで解説

言葉

トレーサビリティとは「商品の生産から消費までの過程を追跡可能な状態にすること」という意味です。

トレーサビリティは、日常で使うことが少ない言葉なので、意味を知らない人も多いでしょう。

しかし、物流が活発になっている現代でとても重要な言葉です。

この記事では、トレーサビリティの仕組みをわかりやすく解説します。

☆「トレーサビリティ」をざっくり言うと……

英語表記トレーサビリティ(traceability)
意味商品の生産から消費までの過程を追跡可能な状態にすること
語源「追跡が可能である」という意味の英単語 “traceability”
類義語生産履歴管理システム
追跡可能性

「トレーサビリティ」の意味

トレーサビリティ

商品の生産から消費までの過程を追跡可能な状態にすること
例:あの企業はトレーサビリティを導入している。

トレーサビリティとは、商品の生産から加工・流通・販売・廃棄までの過程をさかのぼれる状態にすることを指します。

そのために、商品やその原材料・部品などを個別に識別し、それらの商品がどの場所でどんな工程で生産、輸送されてきたのかを記録します。

トレーサビリティが適応されている商品には、以下のようにさまざまなものが含まれます。

  • 農産物
  • 食品
  • 医薬品
  • 工業製品

特に、安全性が求められる食品関係においてトレーサビリティが話題になることが多いです。

また、トレーサビリティは以下のように大きくふたつに分かれます。

  • チェーントレーサビリティ
  • 内部トレーサビリティ

それぞれの意味を詳しく解説します。

「チェーントレーサビリティ」の意味

チェーントレーサビリティとは、複数の企業やメーカーにまたがって製品の移動ルートを追跡できる状態のことです。

原材料や部品の生産、加工、卸売、小売などの段階で、商品がどの段階でどこへ移動したのかを記録、管理します。

 

チェーントレーサビリティにより、企業や消費者はどんな流れで商品が消費者のもとに届いたのか正確に把握することができます。

それにより、消費者からの信頼性の向上につながります。

一般的にトレーサビリティと言うと、チェーントレーサビリティを指している場合が多いです。

「内部トレーサビリティ」の意味

内部トレーサビリティとは、ひとつの企業やメーカー、工場の中で移動ルートが追跡できる状態のことです。

物流全体ではなく、特定の企業や工場など、それぞれの拠点ごとに個別で実施されるトレーサビリティです。

内部トレーサビリティによって、作業の効率化や品質の向上が可能になります。

また、製造ミスなどがあった際にどの段階のミスなのかを把握しやすくなります。

「トレーサビリティ」の使い方


トレーサビリティは「商品の過程を追跡できること」や「商品の過程を追跡できるシステム」を表すために使われます。

また、食品におけるトレーサビリティは「食品トレーサビリティ」、医薬品におけるトレーサビリティは「医薬品トレーサビリティ」などと表現します。

  1. 世間では食品トレーサビリティへの関心が高まっている。
  2. 我が社の商品につきましては、トレーサビリティを完備しています。
  3. トレーサビリティによって、商品のルートを追跡する。

➀のトレーサビリティは、「商品の過程を追跡できること」という意味で使われています。

➁と➂のトレーサビリティは、「商品の過程を追跡できるシステム」という意味で使われています。

「トレーサビリティ」のメリット


トレーサビリティには、以下のようなメリットがあります。

  • 不良品の流出防止
  • 顧客からの信頼獲得
  • データ活用

メリット➀:不良品の流出防止

トレーサビリティによって不良品を減少させ、不良品への対処が安易になります。

トレーサビリティを用いることで製造工程を正確に追うことが可能になり、不良や欠陥が生じた際にその原因をいち早く解明することができます。

また、早期の問題解決によって不良品の発生流出を防止して、製品の回収などの無駄なコストを削減することができるのです。

メリット➁:顧客からの信頼獲得

トレーサビリティを導入することで、リスク管理を徹底することができます。

不良品や消費者からの疑問に素早く対応することもでき、「商品がどこから来たのか」が明確になっていることで消費者も安心して購入することができるのです。

このような点から、トレーサビリティによって顧客からの信頼を獲得することができます。

メリット➂:データ活用

トレーサビリティによって商品の動きをデータとして追うことで、それらのデータを活用できるというメリットがあります。

たとえば、顧客や納入先の情報を入手し、購入履歴や基本情報などのデータを蓄積することが可能になります。

また、原材料から製品が完成するまでのデータも手に入れられるので、アクシデントが起こった際に過去の製品の動きも合わせて、問題の原因を探ることもできるのです。

「トレーサビリティ」の語源

トレーサビリティの語源は英語の “traceability” です。

英語の “traceability” は以下の言葉を繋げて作られた言葉です。

  • trace
    追跡する・跡をたどる
  • ability
    可能である

つまり “traceability” は「追跡が可能である」という意味の単語なのです。

「トレーサビリティ」の関連語


トレーサビリティには以下のような関連語があります。

  • 牛肉トレーサビリティ法
    牛肉の情報を記録・管理することを義務付ける法律
  • トレーサビリティマトリクス
    追跡可能な一連の行程と段階における仕様をまとめた体系図
  • 計量計測トレーサビリティ
    ある測定値がどのくらいの信頼性があるものかを明らかにする仕組み

牛肉トレーサビリティ法

牛肉トレーサビリティ法によって、国内の牛の生年月日・性別・飼育者・飼育地などの情報を記録・管理することが義務づけられています。

そのために、国内で生まれたすべての牛には識別番号が付けられています。

BSE問題

牛肉トレーサビリティ法は、BSE問題をきっかけに制定された法律です。

2000年初頭にアメリカやイギリス、日本で相次いで乳牛のBSE(狂牛病)が確認されました。

BSEとは、牛の脳の中に空洞ができる感染症で、BSEに感染している牛を食した人間にも健康被害があると言われています。

この際に、各国で牛肉のトレーサビリティが確立しておらず、経路をたどれなかったことから大問題になりました。

これらの問題をきっかけにして、日本では2004年に牛肉トレーサビリティ法が制定されたのです。

計量計測トレーサビリティ

測定器の基準は国や地域ごとに異なっている場合があります。

さまざまな地域で製造した部品を集めて製品を製造する場合、サイズが一致していてもそのサイズを測るための測定器の基準が統一されていない場合があります。

そこで、基準をどこかに決めて統一的に管理することで、部品調達を安易にして品質を一定にすることを目的として導入された考え方が計量トレーサビリティです。

「トレーサビリティ」の類義語


トレーサビリティには以下のような類義語があります。

  • 生産履歴管理システム
    商品の生産の過程を情報として一括管理するシステム
  • 追跡可能性
    トレーサビリティの日本語訳

企業は、生産履歴管理システムなどを利用することで、トレーサビリティを行っているのです。

「トレーサビリティ」のまとめ

以上、この記事ではトレーサビリティについて解説しました。

英語表記トレーサビリティ(traceability)
意味商品の生産から消費までの過程を追跡可能な状態にすること
語源「追跡が可能である」という意味の英単語 “traceability”
類義語生産履歴管理システム
追跡可能性

トレーサビリティには、さまざまなメリットがあることがわかりましたね。