今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「トレース」です。
「トレース」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。
☆「トレース」をざっくり言うと……
英語表記 | トレース(trace) |
---|---|
意味 | 順にたどって調べる、そっくりに写し取る |
語源 | 古期フランス語 の trace |
類義語 | トラック |
「トレース」とは?
「トレース」の意味を詳しく
「トレース」とは、順を追って調べる、そっくりに写し取ることです。
「トレース」には以下の4つの意味があり、使う場面によって意味が変わります。
- 製図や絵画の原図の上に薄紙をおいて写し取ること
- 人や動物が行動した跡をたどること、追跡すること
- コンピュータのプログラムが実行された動きをたどり、問題発見につなげること
- 登山などで前の人が歩いた道を歩くこと
一般的に上記のような意味を持っています。上のように「トレース」は、ビジネスシーンにおいても、日常生活においても用いられます。
「トレース」の使い方
「トレース」は、以下のように使われます。
- 先生が描いた風景画をトレースした。
- 大学受験で成功するために、行きたい大学に合格した先輩の勉強方法をトレースする。
- コンピュータでプログラミングをしていたら、何らかの問題が発生したので、スタックトレースを見る。
- 登山では危険を回避するために、トレースを歩きましょう。
上の例文のように、文章中で「トレース」は、名詞としても、動詞としても用いることができます。
①の場合は、「製図や絵画の原図の上に薄紙をおいて写し取ること」という意味で用いられています。
②の場合は、「元々ある方法をなぞる、真似る」という意味で用いられています。「憧れの人のようになりたければ、その人の真似をしろ」というような言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
③の「スタックトレース」はIT分野で用いられる言葉です。コンピュータプログラミングにおいて、何かしらの問題が発生した場合に使われます。問題の原因や、どこで不具合が起きたのかを調べるために、命令の実行順に過程をたどることをいいます。
④の場合は、「前の登山者が歩いた道」という意味で用いられています。
「トレース」の語源
トレースの語源は古期フランス語 の “trace” です。
trace は「誰かがそこにいたことを示す跡」という意味です。さらに、trace は引きずるという意味の traho と 引くという意味の dreg がもととなっています。
「トレース」の類義語
トレースには以下のような類義語があります。
- トラック(track):跡を追う、なぞる
track は trace と意味が似ています。track も traceも「追跡する、なぞる」という同じ意味を持っていますが、少し違った意味のニュアンスがあります。
traceは「動作がすでに終わったものや、現在の位置や形がはっきりしないものの動きを調べること」という意味があります。それに対して、trackは「現在も動いてているものや、位置や形が明確なものの動きを調べること」という意味を持っています。
つまり、警察犬が犯人を追跡する場合などは、犯人の現在の服装や顔ははっきりしていない上に、明確な位置も分からないのでtraceを使います。一方で、登校中の息子の忘れ物を届ける場合などは、息子の通学路が分かっているのでtrackを使うということになります。
まとめ
以上、この記事では「トレース」について解説しました。
英語表記 | トレース(trace) |
---|---|
意味 | 順にたどって調べる、そっくりに写し取る |
語源 | 古期フランス語 の trace |
類義語 | トラック |
意味をはっきり理解できたでしょうか。「トレース」にはさまざまな意味があるので、場面や文章によって意味を使い分けられるようにしましょう。