「淘汰(とうた)」とは?意味や使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「淘汰(とうた)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

スポンサードリンク

「淘汰」の意味をスッキリ理解!

淘汰(とうた):不適切なものを取り除き、良いものを残すこと

「淘汰」の意味を詳しく

「淘汰」は、不適切なものを取り除くはたらきを意味します。

植物を育てるときには、成長の悪い芽を取り除く「間引き」を行いますよね。間引きは、優れた芽の成長がさまたげられないために行われます。「淘汰」も「間引き」に似ています。ただ不要なものを取り除くのではなく、良いものを残すという意味を持っています。

淘汰がなければ、良いものも悪いものも残り続けます。ここに淘汰が起こることで、良いものだけが残ります。淘汰は、「逆境」や「試練」のようなものだとも言えます。

 

たとえば、ある村に同じ宿泊料金の旅館が2軒あったとしましょう。旅館Aは部屋が広くてきれいな上に食事もおいしいとします。一方、旅館Bは部屋が狭くてホコリっぽい上に食事も良くないとしましょう。明らかに差がある2軒の旅館ですが、どちらも客を集めて営業を続けています。

ところがある日、大手ホテルチェーンがこの村に進出しました。新たにできたホテルCは、安くてサービスも食事も素晴らしいです。すると、今まで旅館Aか旅館Bに泊っていた人は、ホテルCも検討します。安さを求める人はホテルCを、旅館の雰囲気や良い部屋を求める人は旅館Aを選ぶでしょう。

こうして、ホテルCの登場により、今まで営業を続けていた旅館Bは廃業に追い込まれます。

これが、淘汰の例です。ホテルの登場という環境の変化によって、競争上不利だった旅館Bは競争の世界から追い出されます。

 

なお、「淘汰」には、一般的な意味のほかに、「生物学」の用語と「地質学」の用語の2つの専門的な意味もあります。

生物学用語の「淘汰」

自然淘汰」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。これは、生物学の用語です。

ここでの「淘汰」は、「環境に適応できない個体が生き残れないこと」を意味します。

たとえば、草むらで暮らす虫に白と緑の2通りの色があったとします。白い個体のほうが草むらの中で見つかりやすく、鳥などに捕まって命を落とす確率が高いですよね。自然に「白い個体」は減っていき、いずれこの虫は緑のものしか残らなくなるでしょう。これが「淘汰」の考え方です。

 

「淘汰」は何かしらの圧力によって引き起こされます。先ほどの虫の例では、「鳥に見つかると食べられてしまう」という圧力が、虫に対してはたらきます。

ここで、白い虫の中に毒をもつものが現れたとします。この個体は、「鳥に見つかると食べられてしまう」という圧力に対して「見つからないようにする」とは別の方法で対策を取りました。長い年月を経て、「毒をもつ白い虫」と「見つかりにくい緑の虫」の2種類の虫が残るでしょう。

このときには、もはや白い虫と緑の虫はまったく違うものになってしまいます。これが、ダーウィンの考えた「進化」です。

ダーウィンの進化論は、「様々な逆境や環境変化に対応して、生物はさまざまな種に分かれてきた」という考え方です。進化は、淘汰のおかげで起こっているともいえるでしょう。

地質学用語の「淘汰」

地質学でも、「淘汰」という言葉が使われることがあります。

様々な大きさの粒が一斉に流されたときに、重いものほど下に沈むはたらき」を意味します。

このはたらきは、「分級(ぶんきゅう)作用」とも言います。

スポンサードリンク

「淘汰」の使い方

  1. 不景気によって、経営の合理化に失敗した企業が淘汰された。
  2. 自然淘汰によって進化が起こったというダーウィンの考えは、当初誰も信じなかった。
  3. 淘汰が行きすぎて、多様性が失われることは問題である。

上記の例文のように、「淘汰」は現象をあらわす言葉として使われることが多いです。「淘汰を起こす」という言い方はあまりしません。

「淘汰」の語源

「淘」は「水洗いしてより分ける」という意味があります。「汰」も、同じような意味をもちます。「淘汰」は、同じ意味の漢字を重ねて作った熟語です。

「水洗いして分ける」というのは、砂金堀りをイメージすれば理解しやすいでしょう。砂金が取れる川は、川底に砂に交じって砂金が眠っています。川底の砂粒をふるいにかけ、水で砂や小石を流していくことで、砂金が残ります。水洗いによって、悪いもの(砂や小石)は取り除かれ、良いもの(砂金)だけが残ります。

地質学用語の「淘汰」は、語源である「水洗いしてより分ける」という意味に基づく言葉です。

スポンサードリンク

「淘汰」の類義語

「淘汰」には以下のような類義語があります。

  • 間引き
  • 選抜
  • 振り分け

「全体の一部分を取り除く」という意味の言葉は、ほかにもたくさんあります。しかし、「良いものを残す」という意味は「淘汰」がもっとも強くもっているでしょう。

「淘汰」の英語訳

「淘汰」を英語に訳すと、 “selection” になります。「選択」という意味ですね。

「自然淘汰」という生物学の用語は、「自然選択」とも言います。環境に対してより適応している個体が、「自然に選択される」という意味が込められています。

スポンサードリンク

まとめ

以上、この記事では「淘汰」について解説しました。

読み方 淘汰(とうた)
意味 悪いものを取り除き、良いものを残すこと
語源 「水で洗ってより分ける」という意味の漢字2字の組み合わせ
類義語 間引き、選抜、振り分けなど
英語訳 selection(選択)

「淘汰」という言葉は、漢字が少し難しいですよね。しかしその分、使いこなせると周りから一目置かれるでしょう。

スポンサードリンク