今回ご紹介する言葉は、故事成語の「登竜門」です。
この言葉は有名なので、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
小説家の「登竜門」である芥川賞などが有名ですよね。
しかし、この言葉の本来の意味は、一般的に用いられている意味とは微妙に異なるのです。
そこで、「登竜門」の意味、由来、例文、対義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「登竜門」をざっくり言うと……
読み方 | 登竜門(とうりゅうもん) |
---|---|
意味 | 立身出世の関門を突破すること |
由来 | 竜門を突破した鯉は竜になるという言い伝えから |
対義語 | 点額 |
英語訳 | the gateway to success |
「登竜門」の意味をスッキリ理解!
「登竜門」の意味を詳しく
「登竜門」とは、立身出世の関門を突破することです。
そして、その関門は突破すればその道での地位が高い確率で保証されるくらい権威のあるものが多いです。
例えば、芥川賞はまさに新人小説家の登竜門だと言えます。
ただ、「登竜門」とは関門自体ではなく、関門を突破することを指すので、芥川賞などを登竜門と呼ぶのは、厳密には間違いです。
ちなみに、「登竜門」は「登龍門」「竜門」などと表記されることもあります。
また、まれに「とうりょうもん」と読まれることもあります。
「登竜門」の由来
「登竜門」の出典は『後漢書(ごかんじょ)』の「李膺伝(りようでん)」という章です。
詳しく見ていきましょう。
黄河の上流に竜門という激流の場所があるのですが、その下には多くの鯉(こい)が集まります。
多くの鯉は急流を登れませんが、もし登れたら、その鯉は龍になるという言い伝えがあります。
そして、後漢の時代に、李膺という人物がいました。
彼は宦官(かんがん)の横暴に憤り、粛清しようとしたほど公明正大な人物であり、宮廷の実力者でもありました。
そして、彼に認められると出世は間違いない、と言われてました。
このことを、「竜門を登りきると龍になる」という言い伝えでたとえたのが、「登竜門」という表現なのです。
宦官とは、去勢された官吏のことです。
宮廷内で下っ端として働く人が大半でしたが、中には大きな権力を持つ宦官もいました。
そして、宦官によって政治が乱されることもあったようです。
「登竜門」の例文
- 芥川賞は、新人小説家の登竜門だ。
- いい大学を出ることが社会で成功するための登竜門だと言われている。
- 国家試験は、いわば医者の登竜門と言えるだろう。
「登竜門」の対義語
「登竜門」には以下のような対義語があります。
- 点額(てんがく):試験に落ちること
「登竜門」の英語訳
「登竜門」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- the gateway to success
(成功への入口)
まとめ
以上、この記事では「登竜門」について解説しました。
読み方 | 登竜門(とうりゅうもん) |
---|---|
意味 | 立身出世の関門を突破すること |
由来 | 竜門を突破した鯉は竜になるという言い伝えから |
対義語 | 点額 |
英語訳 | the gateway to success |
「登竜門」は関門自体ではなく、それを突破することを表していたんですね。
誤用には注意していきたいものです。