社会人になると「会議」に出席する場面が非常に多くなります。
もしかしたら、学生の方でも「クラス会議」などがある人もいるかもしれません。
さて、そのような話し合いの場でよく使われる言葉が「討議」や「協議」という言葉です。
また、よく似た「審議」という言葉も聞く機会が多いでしょう。
これら3つの言葉の違いがしっかりと説明できるでしょうか。
今回は、ややこしい「討議」と「協議」と「審議」の違いについて解説していきます。
このページの目次
結論:行う順番と、内容が違う
協議:議論を受けての方向性を決めること。二番目に行う。
審議:可否を決めること。三番目に行う。
「討議」についてもっと詳しく!
「討議」とは、「ある問題に対して、互いに意見を出し合うこと。問題点を話し合うこと」という意味の言葉です。
「討論」とは違って、「どちらの意見がいいか争う」という強い意味はありません。
あくまで、「全員で一つのテーマに対して意見を出し合うこと」という意味です。
そもそも「討」という漢字には「問題点をくまなく調べる」という意味があります。
「議」は「話し合い」や「意見」という意味です。
そのため、この二つが合わさってできた「討議」という熟語は、「問題点を話し合うこと」という意味になるのです。
「討議」の使い方の例
- グループ討議で汚染問題についての意見を出し合う。
- 日本の安全保障について討議する
「協議」についてもっと詳しく!
「協議」とは、「話し合いを受けて、方向性を決めること」という意味です。
漢字だけ見ると「力を合わせて話しあうこと」という意味で「討議」との違いがわかりません。
しかし、きちんと「討議」との違いがあります。
「協議」は、「討議」の次に行われる第二段階の話し合いです。
「討議」の内容を踏まえて、より深い話し合いをしたり、議論の方向性を決めたりします。
ここで注意したいのは、「完全な結論を出すわけではない」ということです。
あくまで「方向性を決める」だけです。
しかし、「意見を出し合う」という段階の「討議」よりもステップアップしていることがわかります。
「協議」の使い方の例
- 妻とは協議離婚する予定だ。
- インターネット上のウイルス対策について協議する。
「審議」についてもっと詳しく!
「審議」とは、「議論の結論を出すこと、可否を決定すること」という意味です。
「今日の会議では、この議題について可否を決めます」と言われた場合には、それは「審議」になります。
「討議」や「協議」では必ずしも結論が出ないのに対して、「審議」では結論が出されます。
そのため、「審議」が議論の最終段階です。
「審議」の使い方の例
- 参議院で審議した結果、否決された。
- あの意見が採用されるかどうかは、最終審議にかかっている。
「討議」と「協議」と「審議」の順番についてもっと詳しく!
「討議」と「協議」と「審議」の順番はどのようにしてこの順番だと決まったのでしょうか。
「審議」はともかく、「討議」と「協議」は非常に意味が似ているのでどうして「討議」の方が先なのか不思議です。
実は、「ロバート議事法」という議事法で順番が決まっているのです。
これは、国際会議や日本の国会や社団法人などでも採用されているメジャーな議事進行規則です。
その中で、自由に意見を出す段階が「討議」、討議を受けて方向性を決めるのが「協議」で、付帯意見をつけたり、協議に差し戻したり、否決されて廃案するなどの判断を「審議」と言うと決まっているのです。
まとめ
以上、この記事では「討議」と「協議」と「審議」の違いについて解説しました。
- 討議:ある議題について自由に意見を出し合うこと。最初に行う。
- 協議:討議を受けて、さらに議論を深めて方向性を決めること。二番目に行う。
- 審議:議題についての結論を出すこと。三番目に行う。
小難しそうな熟語で、雰囲気も似ているため難しかったかもしれません。
しかし、大学や会社で使う機会がとても多い言葉です。
また、国会の議論でも採用されている定義なのでニュースを見る時に役立つでしょう。
この機会にそれぞれの違いをしっかりと理解できるといいですね。