今回ご紹介する言葉は、ことわざの「琴線に触れる」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「琴線に触れる」をざっくり言うと……
読み方 | 琴線に触れる(きんせんにふれる) |
---|---|
意味 | 良いものや素晴らしいものに触れて感動・共鳴すること |
由来 | 「感動や感情を感じやすい部分」という意味の表現から |
類義語 | 感銘を受ける、心に響く、胸を打つ、心を揺さぶられる、感嘆する、ときめく |
対義語 | 無感動、無関心、飽きる、落胆 |
英語訳 | “touch ones heart” (感動する) “be impressed” (感動する) “be moved” (感動する) |
このページの目次
「琴線に触れる」の意味をスッキリ理解!
「琴線に触れる」の意味を詳しく
「琴線に触れる」とは、「良いものや素晴らしいものに触れて感動・共鳴すること」という意味のことわざです。
「共鳴」とは、「他の人の考え方や行動に自分も心から同感すること」です。
「人が強く感動すること」「心を揺さぶられること」を表します。
「琴線に触れる」の使い方
- 映画のラストシーンが琴線に触れて、泣いてしまった。
- 私の演奏が、彼の琴線に触れるなんて思ってもみなかった。
- 演者の本気の演技が観客の琴線に触れ、大ヒットにつながったのだろう。
例文のように「琴線に触れる」は、「感動する」「心を大きく動かす」という意味で使われます。
「琴線に触れる」の間違った使い方
「琴線に触れる」は以下のように「怒りに触れる」という意味で使われることがあります。
しかし、「琴線に触れる」には、「相手の怒りを誘う」という意味はないので、このような使い方は誤用です。
「琴線に触れる」の由来
「琴線」とは、楽器の琴(こと)に張られた糸のことです。また、比喩的に以下のような意味があります。
- 感動や喜びを感じやすい心情
- 物事に感動し共鳴する胸奥の心情
つまり、「琴線」は、人間の心の中でも「感動や感情を感じやすい部分」を表すことがあるのです。
「琴線に触れる」の類義語
「琴線に触れる」には以下のような類義語があります。
- 感銘(かんめい)を受ける:忘れられないほど深く感動すること・心に刻み付けること
- 心に響く:深く感じて・心を動かされる
- 胸を打つ: 感動などで心を揺り動かすこと
- 心を揺さぶられる: 深く感じて心が動かされる状態・動揺すること
- 感嘆(かんたん)する:感心・感動のあまり声やため息を漏らすさま
- ときめく:喜び・期待などで胸がわくわくする
「琴線に触れる」の対義語
「琴線に触れる」には以下のような対義語があります。
- 無感動:心を動かされないこと
- 無関心:その事に関心・興味が乏しく、気にもかけないこと
- 飽きる:いやになって、続ける気がなくなる
- 落胆(らくたん):気力をおとしてがっかりすること
「琴線に触れる」の英語訳
「琴線に触れる」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- touch ones heart
(感動する) - be impressed
(感動する) - be moved
(感動する)
「琴線に触れる」を、翻訳サイトなどで英語に訳すと “touch the heartstrings” などの英語が出てきます。
“touch” は「触る」 “the heartstrings” は「琴線」「糸」という意味です。たしかに「琴線に触れる」の英語訳ではありますが、これでは直訳になってしまいます。
このままでは「感動する」という本来の意味を表現できていません。そのため、 “touch ones heart” や “be moved” などの表現を使うのです。
まとめ
以上、この記事では「琴線に触れる」について解説しました。
読み方 | 琴線に触れる(きんせんにふれる) |
---|---|
意味 | 良いものや素晴らしいものに触れて感動・共鳴すること |
由来 | 「感動や感情を感じやすい部分」という意味の表現から |
類義語 | 感銘を受ける、心に響く、胸を打つ、心を揺さぶられる、感嘆する、ときめく |
対義語 | 無感動、無関心、飽きる、落胆 |
英語訳 | “touch ones heart” (感動する) “be impressed” (感動する) “be moved” (感動する) |
「琴線に触れる」は、比喩的な表現なので、直訳しないように気を付けましょう。