「塗炭の苦しみ」の意味とは?使い方から英語や類義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ)」です。

「塗炭の苦しみ」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「塗炭の苦しみ」をざっくり言うと……

読み方塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ)
意味耐え難い苦しみ、ひどい苦痛のたとえのこと
由来『書経』の「有夏昏徳にして民塗炭に墜つ」という言葉から
類義語水火の苦しみ、塗炭に墜つ
英語訳Fret like a frog under a harrow, taste the bitters of life

「塗炭の苦しみ」の意味をスッキリ理解!

塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ):耐え難い苦しみ、ひどい苦痛のたとえのこと

「塗炭の苦しみ」の意味を詳しく

「塗炭の苦しみ」とは、耐え難い苦しみ、ひどい苦痛のたとえのことです。

」は「泥」、「」は「火」のことを表しています。

つまり、「塗炭の苦しみ」とは、もともと泥にまみれ火に焼かれるほどの苦しみのことを表していたのです。

そして、「途端の苦しみ」と表記するのは間違いなので注意が必要です。

「塗炭の苦しみ」の例文

  1. 離婚とリストラが同時に起こり、塗炭の苦しみを味わうことになった。
  2. あの社長は塗炭の苦しみを乗り越えて成功したらしい。
  3. 塗炭の苦しみはとらえようによっては現状を変革する力になる。

「塗炭の苦しみ」の由来

「塗炭の苦しみ」の出典は『書経(しょきょう)』という本です。

この本の中に「有夏昏徳(ゆうかこんとく)にして民(たみ)塗炭に墜(お)つ」という言葉が出てくるのです。

この言葉は「夏(か)の国の傑王(けつおう)は不徳の暴君だったため、国民は泥にまみれ火に焼かれるような苦しみを味わった」という意味になります。

これが「塗炭の苦しみ」という故事成語の由来です。

『書経』

『書経』とは、中国最古の歴史書です。

周までの帝王の言行録を整理した演説集になっています。

儒教では重要な経典のひとつである五経のひとつとして大切に扱われています。

「塗炭の苦しみ」の類義語

「塗炭の苦しみ」には以下のような類義語があります。

  • 水火の苦しみ(すいかのくるしみ)
  • 塗炭に墜つ(とたんにおつ)

「塗炭の苦しみ」の英語訳

「塗炭の苦しみ」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Fret like a frog under a harrow.
    (採土機の下にいるカエルのように悩む)
  • taste the bitters of life
    (人生の苦みを味わう)

まとめ

以上、この記事では「塗炭の苦しみ」について解説しました。

読み方塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ)
意味耐え難い苦しみ、ひどい苦痛のたとえのこと
由来『書経』の「有夏昏徳にして民塗炭に墜つ」という言葉から
類義語水火の苦しみ、塗炭に墜つ
英語訳Fret like a frog under a harrow, taste the bitters of life

「塗炭の苦しみ」はできれば味わいたくないものですよね。

しかし、この言葉は小説などでも出てくることがあります。

きちんと意味を覚えておきたいですよね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。