故事成語「虎を養いて自ら患いを残す」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「虎を養いて自ら患いを残す(とらをやしないてみずからうれいをのこす)」です。

言葉の意味・例文・由来・英語訳について、わかりやすく解説します。

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「虎を養いて自ら患いを残す」の意味

虎を養いて自ら患いを残す(とらをやしないてみずからうれいをのこす)将来に危険が残ること

「虎を養いて自ら患いを残す」の意味を詳しく


「虎を養いて自ら患いを残す」とは、虎の子をかわいそうに思って育てたために、大人になった凶暴な虎に、自分が襲われてしまうという意味です。

ここから、情が移ってしまい、心配の種を断てずに将来に残してしまうこと、または未来の敵を見逃してしまうことを指すようになりました。

「養虎の患い(ようこのうれい)」と表されることもあります。意味は同じです。

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「虎を養いて自ら患いを残す」の例文

「虎を養いて自ら患いを残す」は、文中では以下のように使われます。

  1. 虎を養いて自ら患いを残すと言うから、この問題は今解決しなければならない。
  2. 彼を見逃すことは、虎を養いて自ら患いを残すことになってしまう。

「虎を養いて自ら患いを残す」の由来

中国の、前漢の時代に書かれた『史記』という本が元になっています。

 
前漢の皇帝であった劉邦は、敵のという国の項羽と戦っていました。

戦いの中、一度劉邦と項羽の話し合いの機会が設けられ、その結果として、前漢と楚は講和を結び、停戦することが決まりました。

話し合いの帰り道に、劉邦に対して部下が「今釈(す)てて撃たずんば、これいわゆる虎を養いて患いを残すなり」と言い、将来のためには項羽と停戦せずに、今倒すべきだと忠告しました。

その言葉をもっともだと思った劉邦は、来た道を引き返してそのまま項羽の軍を攻撃し、勝利しました。その結果、劉邦は天下統一を成し遂げ、漢という国の皇帝になりました

 
ここから、「虎を養いて自ら患いを残す」は、将来に敵になる可能性があるものや、心配の種を見過ごし、将来に危険を残すことを指すようになりました。

ちなみに、劉邦は部下の意見をよく聞いて丁寧に接し、謙虚な皇帝として有名だったようです。このエピソードからも、まさに劉邦が部下を丁寧に扱っている様子が見られますよね。

反対に、項羽は部下の意見を聞き入れず、自分で物事を決めていく将軍でした。この性格の差が、2 人の運命を決めたとも言えそうです。

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「虎を養いて自ら患いを残す」の英語訳

「虎を養いて自ら患いを残す」は、英語ではこのように表されます。

  • It will lead to problem in the future.
    (将来に問題を残す)

まとめ

以上、この記事では「虎を養いて自ら患いを残す」について解説しました。

読み方虎を養いて自ら患いを残す(とらをやしないてみずからうれいをのこす)
意味将来に心配の種や危険を残してしまうこと
由来劉邦の部下が、「項羽と停戦せずに、将来のために今倒すべきだ」と言ったことから
英語訳It will lead to problem in the future.

『項羽と劉邦』という小説は、「三国志」に次いで有名な中国の物語です。他にも多くの故事成語や教訓が含まれているので、この機会に、そちらも読んでみてはいかがでしょうか。

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