サラブレットとは「血統や家柄がよいこと」という意味です。
特に競馬においてよく使われる言葉ですが、人やそのほかの動物にも使われるとは知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、サラブレットの詳しい意味や使い方を解説していきます。
☆「サラブレッド」をざっくり言うと……
英語表記 | サラブレット(thoroughbred) |
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意味 | 血統や家柄がよいこと |
語源 | 「血統や家柄のよい」という意味の英単語 “thoroughbred” |
類義語 | 親の七光り 親譲りなど |
対義語 | ハイブリッド |
「サラブレット」の意味
血統や家柄がよいこと
例:あの馬はサラブレットだ。
サラブレットは「血統や家柄がよい」という意味の言葉です。
血統がよく、優秀なものに対して、プラスの意味で使われています。
サラブレットは使われる対象によって意味が異なるので、詳しくみてみましょう。
馬に対して使う「サラブレット」
馬に対してサラブレットは、「競走馬の一品種」を表すものとして使います。
イギリスで作り出された競走馬の一種で、明確な定義があります。
サラブレットと言われる馬の雄の祖先をさかのぼると、全て以下の3種のうちどれかにたどり着きます。
- バイリータルク号
- ダーレーアラビアン号
- ゴドルフィンアラビアン号
サラブレットは、17世紀初頭にイギリスのメスの馬に、アラブ系の上記3種のオスの馬を配合させたのが起源です。
その後、サラブレットは1793年に、独立した品種として認められました。
ちなみにサラブレット以外同士の馬の交配から生まれた仔馬は、サラブレットと言いません。
競馬におけるサラブレットは、単に「血筋がよく、走りが早い馬」という意味ではないのです。
品種として明確な定義があるため、どれだけ走りが早くても、上記の3種類以外を祖先に持つ馬はサラブレットということはできません。
ちなみに、サラブレットの馬は以下のような特徴を持つことが多いです。
- 時速70km程度で走ることができる
- 気性が荒い
馬に対して使うサラブレットを省略すると「サラ」になります。
その他の動物に対して使う「サラブレット」
競走馬以外の動物に対して使われるサラブレットは、「純血種(じゅんけつしゅ)」「血統書付き」という意味があります。
特にペットとして飼育されることが多い犬や猫などの動物に対して使われることが多いです。
「純血種」とは、同じ血統を持つ親から生まれてきた犬や猫の子どものことです。
また血統書とは、特定の犬や猫などの血筋が純血である場合に、公式の機関がそれを証明するために発行する書類のことです。
血統書には、父母、祖父母、曾祖父母までが記載されています。
人に対して使う「サラブレット」
人に対して使うサラブレットは、親のよい家柄や性質を受け継いだ子供を表します。
特に、親が優秀な人や偉業を成し遂げた人である際に、その子や子孫に対して使う言葉です。
以下のような人をサラブレットと表すことが多いです。
- 家柄がいい人
- 育ちがよくて優秀な人
- 特定の遺伝的性質を受け継いでいる人
遺伝子的性質とは、高身長や髪色などの親から子に遺伝する特徴のことです。
サラブレッドは、いい意味で使用することが一般的です。
しかし、近年ではよくない性質や家柄を受け継いでいることをサラブレットと表現する使い方も多く見られます。
たとえば、アルコール中毒になりやすい家系や、非行や不良行為をしていた両親の子供のことを「サラブレットだね」などと表現することがあるのです。
「サラブレット」の使い方
サラブレットは、使う対象によって若干意味が異なるので、文脈ごとに使い分ける必要があります。
また、以下のような形で使われることが非常に多いです。
- 〇〇のサラブレッド
- 〇〇界のサラブレット
実際の例文を見ていきましょう。
- 彼は、ヤンキー界のサラブレットとして有名だ。
- 君も医者になったなんて、やっぱりサラブレットだね。
- ペットショップで「サラブレットがいい」という人は減少しています。
- 今回のレースでは、あの馬が唯一のサラブレットだから絶対勝つに決まっている。
➀は、彼の両親がヤンキーとして有名な人物だったということを表す文章です。
➁のサラブレットは「親のよい家柄や性質を受け継いだ子供」という意味で使われています。
➂のサラブレットは「血統書付きの純血種」という意味で使われています。
➃のサラブレットは「競走馬の一品種」という意味で使われています。
サラブレットは、放送禁止用語に指定されている言葉です。
「優秀な遺伝子だけを残そうとする『優生思想』につながる」という考えから、人に対してサラブレットという言葉を使うのは不適切だと考える人も少なくありません。
そのため、使用する場面やシチュエーションには十分注意しましょう。
「サラブレット」の語源
サラブレットの語源は、「血統や家柄のよい」という意味の英単語 “thoroughbred” です。
“thoroughbred” は以下のような語で構成されています。
- “thorough”
完全な - “bred”
育てられた
もともとは、競走馬の品種名として使われた言葉ですが、そこから人や動物に対しても広く使われる言葉になりました。
「サラブレット」の類義語
サラブレットには以下のような類義語があります。
- 親の七光り
権力を持つ親や家庭の下に生まれた子どもが恩恵を受けること - 親譲り
親から性格や財産などを受け継ぐ - 純血種
同じ品種の動物から生まれた動物のこと - 純種(じゅんしゅ)
雑種でない家系を持つ血統書付の動物
「サラブレット」と「親の七光り」の違い
親の七光りとは、「権力を持つ親や家庭の下に生まれた子どもが恩恵を受けること」です。
家柄のよい親を持つという点ではサラブレットと同じ意味ですが、以下のような違いもあります。
- サラブレット
親のよい面を子供が受け継いでいること - 親の七光り
親や家庭といったよい環境があるだけで子ども本人には実力がない状態
つまり、親の七光りは子供に実力が伴っていないというネガティブな意味で使う言葉なのです。
「サラブレット」の対義語
サラブレットには以下のような対義語があります。
- ハイブリッド
混合 - 混血
異なる人種、種の間に生まれた子供
ハイブリッドは、「純血で、他に異物が入っていない状態」という意味のサラブレットの対義語だと言えます。
「サラブレット」のまとめ
以上、この記事ではサラブレットについて解説しました。
英語表記 | サラブレット(thoroughbred) |
---|---|
意味 | 血統や家柄がよいこと |
語源 | 「血統や家柄のよい」という意味の英単語 “thoroughbred” |
類義語 | 親の七光り 親譲りなど |
対義語 | ハイブリッド |
サラブレットの3つの意味をしっかり理解しましょう。