今回ご紹介する言葉は、故事成語の「三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず)」です。
この言葉はとても大切な考え方を示しています。
ぜひ意味を知っておきたいところです。
そこで、「三十六計逃げるに如かず」の意味、由来、例文、類義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「三十六計逃げるに如かず」をざっくり言うと……
読み方 | 三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず) |
---|---|
意味 | 計略には様々なものがあるが、困った時には逃げるのが最善策だということ |
由来 | 檀道済が逃げる敵を、「三十六策走るがこれ上計なり」と皮肉ったことから |
類義語 | 征服のための屈伏、逃ぐるが奥の手、逃げるが一の手、など |
英語訳 | One pair of heels is worth two pair of hands |
このページの目次
「三十六計逃げるに如かず」の意味をスッキリ理解!
「三十六計逃げるに如かず」の意味を詳しく
「三十六計逃げるに如かず」とは、計略には様々なものがあるが、困った時には逃げるのが最善策だということです。
転じて、「面倒なことが起こった時には逃げるのが得策」という意味も表します。
ちなみに、「三十六計」というのは、古代中国の兵法をまとめたものです。
三十六種類の計略が書かれています。
そして、「三十六計逃げるに如かず」は「負けるが勝ち」とは違います。
負けるが勝ちとは、「場合によっては争わないで相手に勝ちを譲ったほうが有利な結果になる」という意味です。
「三十六計逃げるに如かず」は勝ちを譲るということではないので、意味が違うのです。
「三十六計逃げるに如かず」の由来
「三十六計逃げるに如かず」の出典は『南宋書』の「王敬則(おうけいそく)伝」という章です。
詳しく見ていきましょう。
中国の南北朝時代に、南朝の宋の王敬則が反乱軍を率いて、斉(せい)という国の王の蕭道成(しょうどうせい)父子を建康(けんこう)という場所で攻めました。
すると、蕭道成父子は逃げました。
そのうわさを聞いた宋の名将檀道済(たんどうさい)は、「三十六策走(にぐ)るがこれ上計なり」と皮肉ったのです。
これが「三十六計逃げるに如かず」の由来です。
「三十六計逃げるに如かず」の例文
- 相手はあの大企業だぞ。三十六計逃げるに如かずだ。
- 株が暴落し始めた。ここは三十六計逃げるに如かずだ。
- 三十六計逃げるに如かずだ。こういう時には逃げるに限る。
「三十六計逃げるに如かず」の類義語
「三十六計逃げるに如かず」には以下のような類義語があります。
- 征服のための屈伏
- 逃ぐるが奥の手
- 逃ぐるをば剛の者
- 逃げるが一の手
「三十六計逃げるに如かず」の英語訳
「三十六計逃げるに如かず」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- One pair of heels is worth two pair of hands.
(たとえ手が2対あっても、1対のかかとのほうが逃げる時に役立つので価値がある)
まとめ
以上、この記事では「三十六計逃げるに如かず」について解説しました。
読み方 | 三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず) |
---|---|
意味 | 計略には様々なものがあるが、困った時には逃げるのが最善策だということ |
由来 | 檀道済が逃げる敵を、「三十六策走るがこれ上計なり」と皮肉ったことから |
類義語 | 征服のための屈伏、逃ぐるが奥の手、逃げるが一の手、など |
英語訳 | One pair of heels is worth two pair of hands |
時に逃げることも重要、というのが「三十六計逃げるに如かず」の意味だったんですね。
日常生活でも役立てていきたいものです。