「先般」「先日」「過日」の違いとは?使い分けをわかりやすく解説

違いのギモン

過去を指す言葉として「先般」「先日」「過日」の 3つがあります。「~はありがとうございました。」という形でそれぞれ用いられることもあり、意味の違いがわかりづらいと感じる方は多いかもしれません。

今回は「先般」「先日」「過日」の違いについて解説します。

結論:「先般」は近い過去、「先日」は近い過去の日、「過日」は過去の日

「先般」とは、あまり遠くない過去を指す言葉です。

「先日」とは、近い過去のある日を指します。

「過日」とは、過ぎ去ったある日のことを指し、近い過去も遠い過去も含まれます。

「先般」をもっと詳しく


「先般」とは、あまり遠くない過去を指す言葉です。後に解説する「先日」や「過日」との違いは、特定のある日のことを言及していない点と、またその時に起きた出来事の方に意味の中心があることです。

例えば、「先般の会議でのご指摘を踏まえて、計画を修正しました。」と言う場合、過去の特定の日について言及しているわけではなく、会議で指摘を受けたという出来事に重点を置いています。

そのため、「先般」は、相手がその出来事を思い出せる範囲であれば使用可能ですが、結果としてあまり遠くない過去のことを指す場合が多いです。

「先般」の使い方の例

  1. 先般は大変お世話になりました。
  2. 先般の通り、その件に関しましてはお断り申し上げます。
  3. 先般の事情により、納入が遅れてしまいますことをご了承ください。

➌の「先般の事情」とは、前に起きた出来事の事情という意味で、相手もその出来事を認識しているという前提があります。

「先日」をもっと詳しく


「先日」とは、近い過去のある日のことを指しています。ある特定の日を指す言葉であり、「先般」と違って出来事に意味の中心はありません。

「先日」という言葉を使える明確な期間は決まっていませんが、当事者がすぐにその日を思い出せるくらいに近い日のことを指していることは確実に言えます。

「先日」の使い方の例

  1. 恐ろしいことが先日起きました。
  2. 先日はお会いできて嬉しかったです。
  3. 先日聞きそびれたことがあります。

「過日」をもっと詳しく


「過日」とは、過ぎ去ったある日のことを指し、近い過去にも遠い過去にも使えます。先ほど解説した「先日」は「過日」の中に含まれていると言えます。

ただ、近い過去の日を表す場合は「先日」が使われることが多いです。「先日」を使うほどすぐにはその日を思い出せないという場合に「過日」を使うことが多いです。

「過日」の使い方の例

  1. この放送は過日放送です。
  2. 過日は大変お手数をおかけしました。
  3. 過日はお忙しい中丁寧にご対応いただき、誠にありがとうございます。

まとめ

以上、この記事では、「先般」「先日」「過日」の違いについて解説しました。

  • 先般:近い過去とその時の出来事
  • 先日:近い過去の日
  • 過日:過去の日

「先般」「先日」「過日」はどこかで被る部分があり、完全には切り離して考えることは出来ません。ですが、出来事に意味の中心があったり、近い過去や遠い過去を指したりなど、それぞれに特徴のあるニュアンスもあるため、上手く使い分けるようにしましょう。