今回ご紹介する言葉は、熟語の「嘆息(たんそく)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「嘆息」をざっくり言うと……
読み方 | 嘆息(たんそく) |
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意味 | がっかりしたり感動したりしたときに出る息のこと |
類義語 | ため息、吐息 |
英語訳 | sigh(ため息) |
「嘆息」の意味をスッキリ理解!
「嘆息」の意味を詳しく
「嘆息」とは、がっかりしたり感動したりしたときに出る息のことです。
「嘆」という字に「なげく」という意味が強いため「がっかりしたり悲しんだときに出る息」という意味が強いですが、「嘆息」はネガティブな場合に限りません。
「嘆」という字には「感嘆」などに使われるように「ほめる」「感心する」という意味もあります。こちらの意味が採用される場合もあり、そのときには「嘆息」は「感動して出る息」という意味になります。
ただし、一般的には悩んでいたり失望したりといった、ネガティブなニュアンスで使われることがほとんどです。文脈で正確にニュアンスを掴みましょう。
「嘆息」の使い方
- 不幸な出来事が重なり、母の前で嘆息をもらしてしまった。
- あまりに美しい演奏に、思わず嘆息した。
上記の例文のように、「嘆息」は「嘆息をもらす」「嘆息する」の形で使われます。
①の例文では、「不幸な出来事」をきっかけとして「嘆息をもらしてしまった」とあり、「がっかりして出る息」という意味で「嘆息」が使われています。
②の例文では、「あまりに美しい演奏」を聞いて、「嘆息」という言葉が使われています。この場合の「嘆息」は「感動して出る息」ということになります。
このように、「嘆息」という言葉が使われるときはたいてい、前後にポジティブな出来事か、ネガティブな出来事か判断する言葉が入っています。文脈によって「嘆息」の持つ意味合いが変わってくるので、全体を見て意味を判断するようにしましょう。
「嘆息」の類義語
嘆息には以下のような類義語があります。
- ため息
- 吐息
「嘆息」「ため息」「吐息」はどれも、がっかりしたり感動したりしたときに出る音のない息のことです。
動き自体はどの言葉も同じものを指しますが、ニュアンスや使う形に違いがあります。
たとえば、「嘆息」「ため息」は、深呼吸で吐くときのような、やや長い息のイメージがあります。一方、吐息はふっともれる短めの息のイメージが強いです。
また、「ため息」は日常的に使いやすい口語表現である一方、「嘆息」「吐息」はやや固い文章で使われる文語表現です。「ため息をついてどうしたの」とは言いますが、「嘆息してどうしたの」とはあまり言われません。
使う形にも違いがあり、「嘆息する」と動詞の形にできるのは「嘆息」のみで、「ため息する」「吐息する」とは言いません。一方、「ため息」「吐息」は「ため息をつく」「吐息をつく」と表現できる一方で、「嘆息」は「嘆息をつく」と表現することができません。
「嘆息」「ため息」「吐息」という動作を示したいとき、「嘆息」なら「嘆息する」「ため息」「吐息」なら「つく」となると覚えておきましょう。
「嘆息」の英語訳
嘆息を英語に訳すと、次のような表現になります。
- sigh
(ため息)
sighは「ため息」「嘆息」という意味の英単語です。「嘆息」という名詞にも、「嘆息する」という動詞にもなります。
名詞の場合には可算名詞になるので、冠詞aをつけて “a sigh” にしましょう。
sighは、英語のコミックなどの擬音表現にも使われ、日本語の「はあ」がsighとなることも多いです。
まとめ
以上、この記事では「嘆息」について解説しました。
読み方 | 嘆息(たんそく) |
---|---|
意味 | がっかりしたり感動したりしたときに出る息のこと |
類義語 | ため息、吐息 |
英語訳 | sigh(ため息) |
「嘆息」は、そこまで難しくはありませんが、意味の範囲で誤解の生まれがちな表現でもあります。字の持つイメージに引っ張られすぎず、「ため息」を固くした表現だと覚えておけばよいでしょう。