ことわざ「玉に瑕」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「玉に瑕(たまにきず)」です。

言葉の意味や使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

「玉に瑕」の意味をスッキリ理解!

玉に瑕(たまにきず):ほとんど完璧に近いが、わずかに欠点があること

「玉に瑕」の意味を詳しく


「玉に瑕」とは、ほとんど完璧に近いが、わずかに欠点があることや、その欠点そのものを指すことわざです。

ここでいう「玉」は、宝石を指します。宝石は一般的には美しいものとされています。

 

その美しい宝石の表面に、キズがついてしまっているのを想像してみてください。そのキズさえなければ、宝石は完璧なものだと言えるでしょう。

このことから、「玉に瑕」は、それさえなければ完璧なのに、惜しいことに少しだけ欠点があることを意味して使われます。

 

実際、完璧を目指すのは難しいものです。確かに、完璧な物は人の手によって作り出せるかもしれません。しかし、人は、どんなに完璧に見える人でも欠点はあるものです。

どんなに能力が高かったり、容姿が優れたりしていたとしても、その人には何かしらの欠点はあるはずです。それをわきまえていないと、その人の欠点に気付いた時に、必要以上に失望してしまうかもしれません。

 

自分自身に対しても失敗したときに、必要以上に落ち込むのを避けるためにも、このことわざは心得ておきたいです。

間違えやすいのは、「玉に」を、偶然を意味する「偶(たま)に」と理解してしまうことです。

「傷」と「瑕」の違い

「瑕」は、「きず」と読みますが、同じく「傷」という言葉もあります。

「傷」は、人間や動物の怪我、その痕(あと)に使います。それに対して、「瑕」は、物の損傷や、性格的な欠点に対して使います。

「玉に瑕」の使い方

  1. 彼は賢く、スポーツ万能で、人にも優しい。しかし、お酒を飲むと理性を失ってしまうのは玉に瑕だ。
  2. 先輩は仕事が早く、指導も丁寧で、後輩に対してとても優しい。ただ、スーツの着こなしがダサいのは玉に瑕だ。
  3. 彼女は、容姿端麗で有名だ。しかし、顔の目立つところにある大きなほくろは玉に瑕だ。
  4. 今年の誕生日は、早起きをしてお出かけをしてショッピングをしたり、おいしいご飯を食べたりしてとても充実した1日だった。しかし、帰りの電車が人身事故で遅延したのはまさに玉に瑕だった。

➀は、一見完璧に見える人も、唯一、酒癖の悪さという欠点があることを表した例文です。

➁も、完璧に見える先輩について、服装の面だけが欠点だということを表した例文です。

➂では、容姿に対して、それさえなければ完璧だという意味で「玉に瑕」が使われています。

➃のように人に対してでなくとも「玉に瑕」を使うことができます。この例文では、1日の充実度に対して「玉に瑕」を使っています。

「玉に瑕」の由来

先ほど説明したように、「玉」が宝石、「瑕」が宝石の表面にできたキズを意味します。

この記述が、中国の思想書である「論衡(ろんこう)」や「淮南子(えなんじ)」にあります。これが「玉に瑕」の由来であるとされています。

「玉に瑕」の類義語

「玉に瑕」には以下のような類義語があります。

  • 玉の瑕:「玉に瑕」に全く同じ。
  • 白璧の微瑕(はくへきのびか):ほぼ完全なものに、わずかな欠点があること。

「白壁の微瑕」の、「白壁」は白い宝石、「微瑕」はわずかな欠点を指します。

「玉に瑕」の英語訳

「玉に瑕」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • There are spots even on the sun.
    (太陽にも黒点がある。)
  • a fly in the ointment.
    (軟膏の中のハエ。)
  • There is no one but has weakness.
    (欠点の無い人はいない。)

地球を明るく照らす太陽にも、黒点という黒く見える部分があることから、「玉に瑕」と同じ意味のことわざとなっています。

聖書の中に、死んだハエは脂を臭くするという記述があります。 “ointment” は軟膏、香料を指し、脂が原料です。軟膏が死んだハエによって臭くなってしまうということから転じて、このような英語のことわざが生まれました。

また、There is no one but has weakness.では、慣用的に、 “but” が直前の先行詞に否定の “no” が付いていることによって主格の関係代名詞として使われています。つまり、ここでは “but” の代わりに “who” を用いることも可能です。

まとめ

以上、この記事では「玉に瑕」について解説しました。

読み方玉に瑕(たまにきず)
意味ほとんど完璧に近いが、わずかに欠点があることや、その欠点そのもの。
由来中国の思想書である「論衡」「淮南子」にある記述。「玉」は宝石、「瑕」は宝石の表面のキズを指す。
類義語玉の瑕、白壁の微瑕
英語訳There are spots even on the sun.(太陽にも黒点がある。)

「玉に瑕」の意味や使い方について理解することはできたでしょうか。

世の中を見渡せば、完璧に見えるものも欠点があるものだと気づくと思います。その欠点に気付いた時に抱く感情については、「玉に瑕」ということわざには含まれておらず、各々に任せられています。

失望の念や、「もったいない」という感情を抱くとは思いますが、欠点は誰にでもあるということは心得ておきたいですね。