「卵」と「玉子」の違いは?使い分けや漢字について解説

違いのギモン

卵と玉子は「調理後か否か」という点が異なります。

レシピやお店のメニューを見ていて、違いが気になったことがある人もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、卵と玉子の違いを解説します。

☆「卵」「玉子」の違いをざっくり言うと……

玉子
調理の有無調理前調理後
種類特に限定はしないニワトリ限定

「卵」と「玉子」の違い

卵は調理前のたまご。

玉子は調理後のニワトリのたまご。

上記は、生物的な意味か(卵)、食材としての意味か(玉子)と言い換えることもできます。

そのため、卵はニワトリに限らず魚や虫などのたまごのことも指します。

玉子は、食用かつ多くの場合ニワトリのたまごを指します。

「卵」の意味

「卵」という漢字は生物学的な意味を持っています。

ニワトリだけではなく、魚や虫など生き物すべてに対して使います。

「画家のたまご」に使われる「たまご」には、一人前に孵化する以前という意味合いを込めて「卵」が使われています。

そのため、「画家の玉子」と表記するのは誤りです。

卵の由来

「卵」という漢字を見ると、2つの殻の中に点が1つずつ入っているのが分かります。

これは、魚や虫などの連なった卵を表しており、中の点はこれから孵化(うか)する子供を示しています。

そのため、卵には「これから孵化する子供を宿した殻」という生物学的な意味合いが含まれているこのです。

また卵は、卵の古い呼び名であった「殻の子(かいのこ)」の漢字に当てられました。

「卵」がつく熟語

「卵」がつく熟語には以下のようなものがあります。

  • 排卵
  • 卵子
  • 卵巣
  • 卵白
  • 卵生
  • 有精卵
  • 地卵

「卵」の英語訳

「卵」の英語訳には以下のようなものがあります。

  • egg
  • spawn
  • roe

egg

“egg” は鶏や虫などの殻が付いた卵を表し、“a raw egg” と表現します。

“egg” は、「芸人の卵」など修行中の人を表す言葉の表現に使いません。

spawn

“spawn” は、カエルや魚、エビなどの柔らかい卵を表します。

産卵するという意味で活用されることが多いです。

roe

“roe”は、いくらやとびこ、白子などを指します。

“spawn” とは違い、食用の魚の卵に使われる英単語です。

「玉子」の意味

玉子は「食材としての鳥類の卵」という意味です。

そのため「アジの玉子」「カエルの玉子」などとは書きません。

また、インコや文鳥など食用でない鳥類の卵も「玉子」とは表記しません。

卵と玉子の関係は、生物学的な卵という大分類に、食用としての玉子が小分類で存在していると言えます。

中国の「たまご」

中国語でも、「たまご」について使い分けがなされています。

生物学的な意味を持つものを「卵(ルァン)」、食材の意味を持つものを「鶏蛋(ジータン)」と言います。

玉子の由来

前述のとおり、卵の古い呼び名は「殻の子」であったため、平安時代に卵は「かいこ」や「かいご」と呼ばれていました。

しかしそれでは「蚕(かいこ)」と区別がつきにくいことから、卵は室町時代には「玉の子」と呼ばれるようになります。

この言葉は、ニワトリの卵が丸い玉のような形状をしていることから来ています。

これが「玉子」の由来です。

「玉子」がつく熟語

「玉子」がつく熟語には以下のようなものがあります。

  • 玉子酒(たまござけ)
  • 落し玉子

「玉子」の英語訳

英語では日本語のように卵と玉子を使い分けておらず、玉子に該当する英単語はありません。

たまごの呼び名の歴史

かつて、たまごは殻があることから「殻の子」と呼ばれており、平安時代には「かいこ」「かいご」と呼ばれていました。

このとき、たまごはまだ食用ではありませんでした。

室町時代になると、「蚕」との混同を防ぐために「玉の子」という言葉が使われるようになり、江戸時代に入ると「玉子」が浸透していきました。

同時に、江戸時代には玉子を食べるようになりました。

あいまいな使い分け

卵と玉子は、「調理前か調理後か」や「生物学的な意味か食材か」という使い分けがなされると説明しました。

しかし、この使い分けは厳格なものではなく例外が存在します。

以下であいまいな使い分けの例をご紹介します。

卵かけごはんと玉子かけごはん

「調理前か調理後か」や「生物学的な意味か食材か」という一般的な定義にあてはめると、「調理前か調理後か」というところでは調理前(生)であるため卵が使われると考えられます。

一方で「生物学的な意味か食材か」という観点から見ると、食材であるため玉子が使われると考えられます。

つまり、「たまごかけごはん」には卵を使っても玉子を使っても間違いではないことが分かります。

卵焼きと玉子焼き

卵焼きと玉子焼きは、両方の表記がなされることが多いですが主流は玉子焼きです。

なぜなら、玉子焼きは調理後かつ食材だからです。

ゆで卵とゆで玉子

「ゆでたまごは調理後かつ食用ですが、「ゆで卵」と表記する方が多いです。

これには、「調理後」の定義があいまいであることが起因しています。

ゆで卵は殻を割って調理していないため、調理前に分類されると考えられます。

温泉卵と温泉玉子

ゆで卵同様、温泉たまごも「温泉卵」と表記するのが一般的です。

殻付きのままで販売されているためだと推測できます。

「卵」と「玉子」の違いのまとめ

以上、この記事では、卵と玉子の違いについて解説しました。

玉子
調理の有無調理前調理後
種類特に限定はしないニワトリ限定

定義があいまいであるため、ざっくりと違いを把握しておきましょう。

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mikan
愛読書は広辞苑。 日本語の持つゆかしさや含み、趣深さが大好きです。大学では音声学・日本語学を専攻しました。 慣用句や四字熟語が得意分野です。