「多寡」の意味とは?読み方は?使い方から英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「多寡(たか)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「多寡」をざっくり言うと……

読み方多寡(たか)
意味数量や程度が多いか少ないかを示す語。
語源「数がいくつもある。たくさん。おおい。」と「人数または勢力の少ないこと。」という意味の漢字から
類義語多少など
英語訳amount、quantity(多寡)

「多寡」の意味をスッキリ理解!

多寡(たか):数量や程度が多いか少ないかを示す語のこと。

「多寡」の意味を詳しく

「多寡」は「たか」と読み、物の量や額などが多いことと少ないことという意味です。

構成する漢字から意味を理解するとわかりやすいでしょう。

  • :数がいくつもある。たくさん。おおい。

  • :人数または勢力の少ないこと。

「多寡」の使い方

「多寡」は、物の量・額の程度に言及する際に使用されます。具体的には、「○○の多寡」という表現が一般的です。「◯◯」の部分には、「金額」「財産」「人数」などが当てはまります。

たとえば、「金額の多寡は問わない」というと、「金額が多くても少なくても問題にしない」という意味になります。

また、「多寡」はややかしこまった表現で書き言葉して使われるのが主流です。

 

例文は以下の通りです。

  • 直属の上司は正義感が強く、報酬の多寡に関わらず依頼を引き受けている。
  • プロジェクトを成功させるためには内容も大事だが、最終的には予算の多寡が決め手となるのが常だ。
  • 緊急時の対応だったため、金額の多寡は問われなかった。

 

上記の「○○の多寡」以外にも以下の表現が使われることもあります。

  • 多寡に従って
  • 多寡に関わらず

例文は以下の通りです。

  • イベントの参加人数の多寡に従って予算を配分する。
  • 贈り物の金額の多寡にかかわらず、相手にお礼を言うのは当然のことだ。

「過多」との違い

「多寡」は「過多」と読み方が似ているため、混同してしまう人が多いです。両者の違いについてしっかりと理解できているでしょうか。

以下では、「多寡」と「過多」の違いを紹介します。

  • 過多:数量などが、必要以上に多すぎること

「過多」は、決められた数量などを超えている状態を表す際に用いる表現です。そのため、物の量や額などが多いことと少ないことという意味の「多寡」とは意味が異なります。

たとえば、「ストレス過多」というと「ストレスが過剰である」様を表します。

「多寡」の語源

「多寡」を構成する漢字は以下の通りです。

  • :数がいくつもある。たくさん。おおい。
  • :人数または勢力の少ないこと。

「多寡」の類義語

「多寡」には以下のような類義語があります。

  • 多少:数量の多いことと少ないこと。多いか少ないかの程度。

「多少」は「多いか少ないか」を意味する言葉で、少しかしこまった表現の「多寡」に比べ日常会話でもよく用いられる表現です。

例文は以下の通りです。

  • 注文数の多少にかかわらず、ご注文に応じます。

 

また、「多少」は「少ない。少しの。」という意味も持つ点が「多寡」と異なります。「多寡」には、「多いことと少ないこと」という意味はあっても「少しの」と少量の場合のみを指す意味はありません。

たとえば、「多少の差異は気にしない」というと「少しの違いは気にしない」という意味になります。

 

なお、「多寡」の言い換えには、「多少」以外にも比較する対象に応じた程度を表す単語が用いられる場合もあります。

それぞれ以下の通りです。

  • 大小:大きいか小さいか
  • 強弱:強いか弱いか
  • 高低:高いか低いか
  • 軽重:軽いか重いか

「多寡」の英語訳

「多寡」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • amount
  • quantity

    (多寡)

まとめ

以上、この記事では「多寡」について解説しました。

読み方多寡(たか)
意味数量や程度が多いか少ないかを示す語。
語源「数がいくつもある。たくさん。おおい。」と「人数または勢力の少ないこと。」という意味の漢字から
類義語多少など
英語訳amount、quantity(多寡)

「多寡」は、構成するそれぞれの漢字から、言葉の意味を理解しやすい言葉だと思います。「多寡」という言葉単体で使用することは少ないため、よく使われる「○○の多寡」や「多寡に従って」という表現と合わせて覚えましょう。