「台頭」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「台頭(たいとう)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「台頭」をざっくり言うと……

読み方台頭(たいとう)
意味勢力を増して目立つこと
類義語登場、デビュー、急伸など
対義語衰退、凋落、衰微など
英語訳rise(台頭)

「台頭」の意味をスッキリ理解!

台頭(たいとう):勢力を増して目立つこと

「台頭」の意味を詳しく

「台頭」とは、勢力を増し、だんだんと目立つようになることです。「だいとう」と誤読されることが多いですが、正しい読み方は「たいとう」です。

「台頭」は、もともと「擡頭」の漢字が用いられていました。現在では、この「擡」という字を簡単な「台」に置き換えて表記するのが一般的です。

「擡」という字には「もたげる」「もちあげる」という意味があります。「もたげる」とは「起こる」「増す」という意味です。

 

「擡」という字に「頭」という字が組み合わさり、「頭をもたげる」という意味になります。

「頭をもたげる」には、「それまで意識していなかった考えが浮かび上がる」という意味と「勢力を得て目立つようになる」という意味があります。「台頭」の場合は、後者の「勢力を得て目立つようになる」という意味になります。

「台頭」の使い方

  1. ナショナリズムの台頭が、世界のあり方を大きく変えていった。
  2. 新興国がどんどん台頭し、市場の競争が激しくなっている。

上記の例文のように、「台頭」は「○○の台頭」や「台頭する」という形で使われます。

①の例文では、「ナショナリズム」が勢力を得た結果、それまでとは大きく世界が変わったことを表しています。

②の例文では、「新興国」が力を伸ばしたことにより、「市場の競争が激しくなる」という結果に繋がっています。

このように、結果的に新しい勢力の出現がそれまであった環境を大きく変化させるというような場合に、「台頭」という言葉がよく使われます。

「台頭」の類義語

台頭には以下のような類義語があります。

  • 登場:新しい人やものが世の中に現れること
  • デビュー:新人が初めて公の場に姿を現すこと
  • 急伸:売り上げなどが急激に伸びること
  • 頭角:頭の先

「登場」と「デビュー」は、「新しく姿を現す」という意味を持ちます。その勢力などの大きさに関わらず、初めて世に出ることを表します。

「急伸」とは、売り上げなどお金に関わる数字がいっぺんに成長することです。「台頭」とは違い、人や勢力そのものに対して使うことはないので注意が必要です。

 

「頭角」は、「頭角を現す」という慣用表現が「台頭する」と似た意味になります。

「頭角」は動物の角や、頭の先のことを表します。これを「現す」ことで、才能などが他の人より抜きん出ているという意味になります。

一方で「台頭」には、個人の才能や器量が優れているというニュアンスはありません。あくまでも、「勢力を得ることで周囲から抜きん出る」という意味になります。

「台頭」の対義語

台頭には以下のような対義語があります。

  • 衰退(すいたい):勢いを失い、衰えていくこと
  • 凋落(ちょうらく):勢いを失い、落ちぶれていくこと
  • 衰微(すいび):盛んであったものが、勢いを失っていくこと
  • 退廃(たいはい):衰え廃(すた)れていくこと

「衰退」「凋落」「衰微」は、どれも「一度勢いづいたものが勢いを失う」というニュアンスを持ちます。

そもそもの勢いが弱く、衰えたときの変化が小さいときには、これらの言葉はあまり使われません。

「退廃」は「頽廃」とも表記し、一般的には「道徳が薄れ不健全になる」という意味で使われます。一方で、単に「衰えていく」という意味も持ち、この意味が「台頭」と対になります。

「台頭」の英語訳

台頭を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • rise
    (台頭)
  • raise one’s head
    (台頭する)
  • come to the fore
    (頭をもたげる)
  • gain power
    (勢力を得る)

「○○の台頭」など、「台頭」を名詞のまま使いたいときにはriseという単語が使えます。

“raise one’s head” と “come to the fore” と “gain power” は、どれも「台頭する」という動詞の形で「台頭」を使いたいときに使える表現です。

 

“raise one’s head” は、one’sの部分にhisやitsなど、台頭しているものを所有格で当てはめて使う表現です。たとえばhisとした場合には「彼が台頭する」となり、 “the company” とした場合には「その会社が台頭する」となります。

“come to the fore” は、日本語で「頭をもたげる」や「目立つ」などと訳されます。foreには「前」という意味があるため、「前面に出ていく」という意味になるのです。

“gain power” は、他の表現に比べ「勢力を得る」というニュアンスが強くなります。ただし、その分「目立つ」というニュアンスが弱くなります。

「目立つ」と「勢力を得る」の、どちらの意味が強いかによって使い分けるといいでしょう。

まとめ

以上、この記事では「台頭」について解説しました。

読み方台頭(たいとう)
意味勢力を増して目立つこと
類義語登場、デビュー、急伸など
対義語衰退、凋落、衰微など
英語訳rise(台頭)

「台頭」は、さまざまな場面で使われる言葉です。少し難しい言葉ではありますが、しっかりと意味を覚えておくようにしましょう。