「対岸の火事」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「対岸の火事(たいがんのかじ)」です。

言葉の意味や使い方、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「対岸の火事」をざっくり言うと……

読み方対岸の火事(たいがんのかじ)
意味他人の問題は自分には関係ないので、痛くもかゆもないこと
類義語川向こうの火事、川向の喧嘩など
英語訳The comforter’s head never aches.(慰めを言う人の頭は決して痛まない。)

「対岸の火事」の意味をスッキリ理解!

対岸の火事(たいがんのかじ)他人の問題は自分には関係がなく、痛くもかゆくもないこと

「対岸の火事」の意味ついてもっと詳しく


「対岸の火事」とは、他人への無関心を表した言葉です。

向かいの岸で起こっている火事が自分の岸に移ることはないことから、他人の問題は自分には関係ないという意味になります。

 

たとえば、友達が仕事で悩んでいるとき、友達にとっては非常に大きな悩みでも、あなたにとっては自分の問題ほど大きくはありません。

そんなとき、『確かに大変なのはわかるけど、結局「対岸の火事」だから』と言えます。

これは『君が深刻に悩んでるのはわかるけど、その悩みは僕には関係がないから、何とも思わない』というような意味になります。

 

心の中でそう思っている人はいるかもしれませんが、他の人からすると冷たく聞こえます。便利な言葉ではありますが、時・場合・相手に注意して使いましょう。

「対岸の火事」の使い方

「対岸の火事」には、以下のような使い方があります。

  1. 世界のどこかでは今も戦争が起こっていて、誰もが世界平和について考えるべきなのはわかっている。しかし、ここは日本なので、どうしても対岸の火事だと思ってしまう。
  2. 同僚に上司と馬が合わないことを相談したら、『そんなもんだろ』と軽くあしらわれた。彼にとって僕の問題など、対岸の火事のようなものなのだろう。
  3. つい自分のことばかり大事になって、友達や家族など、周りの人が抱える問題を簡単に考えてしまうことがある。しかし、そんな風に他人の苦しみや悲しみを対岸の火事と思うような人間は、思いやりに欠けていると反省する。
  4. 帰り道、酔っぱらった男性2人が揉み合って喧嘩をしていたが、赤の他人の喧嘩など対岸の火事なので、そのまま素通りした。

①は、戦争問題について、日本は戦争が起こっていないからと、目を向けず他人事になっていることを表しています。

②は、相手の苦労など関係ないという同僚の態度を表しています。

③は、自己中心的な自分を振り返り、他人への関心や優しさが足りていないことを表しています。

④は、知らない人が喧嘩をしていても、自分には関係がなく痛くもかゆくもないことを表しています。

「対岸の火事」の類義語

「対岸の火事」には、以下のような類義語があります。

  • 川向こうの火事:「対岸の火事」に同義
  • 川向かいの喧嘩:「対岸の火事」に同義
  • 山門から喧嘩見る:安全な場所から、興味本位で事の成り行きを見物すること
  • 高みの見物:「山門から喧嘩見る」に同義

「対岸の火事」の英語訳

「対岸の火事」の英語訳には、以下のようなものがあります。

  • The comforter’s head never aches.
    (慰めを言う人の頭は決して痛くない。)
  • watch [observe] from a vantage point.
    (有利な場所から見物する。)

まとめ

以上、今回はことわざ「対岸の火事」について解説しました。

読み方対岸の火事(たいがんのかじ)
意味他人の問題は自分には関係ないので、痛くもかゆもないこと
類義語川向こうの火事、川向の喧嘩など
英語訳The comforter’s head never aches.(慰めを言う人の頭は決して痛まない。)

人間は、相手に対する関心の度合いによって、勝手に他人の問題を大きくも小さくもしてしまいます。

恋人の喜びや悲しみを自分のことのように感じていたのに、気持ちが薄れた途端、相手が何をしていても、何とも思わなくなってしまったりするのです。

しかし、どんな時も人に寄り添い、相手の立場になって物を考えられる人のほうが、ずっと素敵ではないでしょうか。