「大概」と「大抵」の違いとは?意味や使い方までわかりやすく解説

違いのギモン

みなさんは、日常会話のなかで「大概」と「大抵」どちらを使うことが多いでしょうか。

どちらも同じようなニュアンスで使われていることが多いように見えますが、実はこの2つの言葉には微妙に違いがあるんです。一体どのように使い分ければ良いのかわかりますか?

今回は「大概」と「大抵」の違いについて、例文付きでわかりやすく解説していきます。

結論:「大概」は全体の中の主要な部分、「大抵」は全体の中の多くの部分

どちらも全体の中の大部分を指す言葉ですが、強いて違いを挙げるとするならば、細かいところを省いた主要な部分が「大概」程度や量を多く占めていることが「大抵」になります。

このほかにもそれぞれ複数の意味を持つ言葉であるため、文脈からふさわしい意味を推測する必要があります。

また、「大概」は地域によっては特殊な意味で使われています。

「大概」をもっと詳しく

「大概」は、全体の中の主要な部分を表します。細かい肉づけを省いた大まかな骨組みのようなイメージをすると良いでしょう。くわしい部分にまでは及ばないけれども、だいたいの大事なポイントは押さえているという状態のことを言います。

単純に「ほとんど」「だいたい」という意味もあります。おそらくこの意味で使われることが一番多いのではないでしょうか。全体の中の大部分を表し、この場合は「大抵」にも置き換えることができます。

ほかには「ほどほど」「ある程度」という意味もあります。

 

また、特殊なケースとして、関西地方では「いいかげん」という意味で使われることが多く、標準語圏とは少し違うニュアンスで認識されています。

たとえば、「大概にしときや」は「いいかげんにしときな」、「大概やなぁ」は「いいかげんだな」という意味です。

「大概」の使い方の例

「大概」を使った例文を4つご紹介します。

  1. 彼の説明を聞いて、イベントの大概を理解した。
  2. 今年公開された大概の映画は観た。
  3. 「悪ふざけも大概にしておきなさいよ。」と注意する。
  4. この手のストーリーは展開の見当が大概つく。

①では、イベントの「主要な内容」という意味で「大概」が使われています。細かい点はともかく、大まかにイベントの主旨を把握できたということが表現されています。

②では、「ほとんど」という意味を示しています。数ある映画のうちのだいたい全部という意味になります。

③では、「ほどほど」という意味で使われています。何かしらのボーダーラインに達する前の状態を表しています。

④では、「ある程度」という意味で使われています。②の用例と似ていますが、②は量的な「ほとんど」であるのに対し、④は程度的な「ほとんど」を表しています。

「大抵」をもっと詳しく

「大抵」は、全体の中の多くの部分を表します。全部ではないけれども、そのものの大部分を占めているという状態のことを言います。

同じ意味の言葉として「だいたい」「ほとんど」があります。

おもに、程度や頻度について使われがちであることが特徴に挙げられます。「大概」に言い換えても問題なく使える場合が多いです。

「大抵」の使い方の例

「大抵」を使った例文を3つご紹介します。

  1. 私は大抵、夜ご飯は家で一人で食べる。
  2. 大抵の人は、寝る前にお風呂に入る。
  3. 難関大学の入試に合格するには並大抵ではない努力が必要だ。

①では副詞として用いられており、毎日ではないがほとんどの日はそうであるという頻度的な意味を表しています。

②では形容詞として用いられており、全員ではないがだいたいの人はそうであるという意味になっています。

どちらも共通して、100%というわけではなく違う場合もあるというという意味合いが強いですね。

③では、人並みと同じ程度という意味で「並大抵」という熟語が用いられてます。この熟語は、うしろに打消しの「~ない」を伴って使われることが多いです。

まとめ

以上、この記事では、「大概」と「大抵」の違いについて解説しました。

  • 大概:全体の中の主要な部分を含んだ大部分。
  • 大抵:全体の中の大部分。

いかがだったでしょうか。

なかなか「どちらを使うのが正しい」とはっきり使い分けをするのは難しい言葉かもしれませんが、この記事を読んで、若干の意味合いの違いを少しでも感じていただけていたら幸いです。

今後、「大概」や「大抵」を使う際にはぜひ意識してみてください。