「収拾」の意味とは？使い方から類義語や英語まで例文付きで解説

今回ご紹介する言葉は、熟語の「収拾(しゅうしゅう)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「収拾」をざっくり言うと……

「収拾」の意味をスッキリ理解！

「収拾」の意味を詳しく

「収拾」には、2つの意味があります。

1つ目の意味は、「物を拾うこと」です。「落とし物を収拾する」などのように用います。

2つ目の意味は、「混乱した事態をおさめて、状況を整えること」です。通常、「収拾」はこちらの意味で使われることが多いです。中でも、「収拾がつかない」という言い回しがよく使われ、事態を落ち着かせることができないさまを表します。

どう使い分ける？「収拾」と「収集」の違い

「収拾」と同じ読み方の言葉に「収集」があります。両者は非常に混同されやすいですが、それぞれ意味が異なる言葉です。

「収集」には、2つの意味があります。1つ目は、「物を寄せ集めること」です。「ごみを収集する」などのように用います。

「収集」の2つ目の意味は、「趣味や研究のために材料を集めること」です。この意味では、「切手を収集する」「情報を収集する」といった使い方があります。

「収集」が持つ2つの意味は、どちらも「何かを集めること」を表しています。そのため、「収拾」が表す「混乱した事態を落ち着かせること」とは意味が異なることがわかります。

注意すべきは、「収拾」が「物を拾う」という意味で用いられる場合です。「拾う」と「集める」のニュアンスの違いをきちんと押さえましょう。

「拾う」とは、落ちているもの、または他人が落としたものを手で取り上げることを表す言葉であり、何かがそこに落ちている状態が前提となります。したがって、「落とし物」などが「収拾」の主な対象です。

一方、「集める」は多くの物を1つの箇所に寄せ合わせることを表します。そのため、「収集」の対象は幅広く、「切手」などの形があるものから「情報」などの形がないものまで含まれます。

「収拾」の使い方

①では、「物を拾う」という意味で「収拾」が用いられています。「収拾物」とは、拾って回収した落とし物のことです。

②では、「混乱した事態を落ち着かせる」という意味で「収拾」が用いられています。文中では、メンバー同士の口論が落ち着きそうにないことを「収拾がつかない」と表現しています。

③の「収拾策」とは、「混乱した事態を落ち着かせるための策」のことです。

「収拾」の類義語

収拾には以下のような類義語があります。

「対処」や「対応」は、必ずしも混乱した状態が前提にあるわけではありません。一方、「収拾」は差し迫った問題がそこにあることが前提であり、かつその問題を解決することまでを含んでいる表現です。

「収拾」の英語訳

収拾を英語に訳すと、次のような表現になります。

それぞれを用いた例文は以下の通りです。

ちなみに、「収拾がつかない」を表す英語表現は以下の通りです。

それぞれを用いた例文は次の通りです。

まとめ

以上、この記事では「収拾」について解説しました。

「収拾」は、字面の似ている「収集」と混同されやすいです。ただ、それぞれの意味をきちんと押さえれば、何か問題を解決することが「収拾」であり、何かを集めることが「収集」であると理解できるでしょう。