今回ご紹介する言葉は、熟語の「出自(しゅつじ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「出自」をざっくり言うと……
読み方 | 出自(しゅつじ) |
---|---|
意味 | その人の生まれたところ、事物のでどころ |
語源 | 「自分が出たところ」 |
類義語 | 出身、出所、素性 |
対義語 | 生い立ち |
英語訳 | origin, birthplace, descent |
「出自」の意味をスッキリ理解!
「出自」の意味を詳しく
「出自」はその人の生まれたところ、事物の出どころという意味です。
出身地だけでなく、家柄や血統関係なども意味します。自分が出てきたところです。
基本的にはかしこまった場面で使う言葉であり、きちんと出身や出所を伝える、説明する場面で使います。
「出自」の使い方
- その歴史上の人物の出自は資料でも不明とされている。
- 自分の出自について知ることは、アイデンティティーの形成に役立つ。
- 使われている材料の出自を教えてください。
「出自」は、基本的には人に対して使う言葉です。出身地、血統、その人が生まれ育った環境や、歴史などを説明する場面で使います。自分自身の「出自」を相手に説明する際には「私の出自は〜です」などの表現をします。
ただし、「出自」は事物にも使うことができます。物に対して使うときには「出所」や「産地」という意味合いで使われます。その物が作られた場所などを「出自」と言います。
「出自」の語源
「出自」を構成する漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 出:でる
- 自:自ら
2つの漢字を合わせると「自分か出たところ」という意味になります。ここから生まれた場所などを意味する言葉になりました。江戸時代の語学書に「出自」を用いた一文が残されているとされています。
「出自」の類義語
「出自」には以下のような類義語があります。
- 出身:生まれた場所、土地
- 出所:物事が出てきた場所、元となったところ
- 素性:血筋、家柄、由緒
「出身」は「出自」と意味が似ていますが、「生まれた場所や土地」のみを表し、家柄や血統などの意味は持たないので、「出自」よりも狭義であると言えます。
「出自」の対義語
「出自」には以下のような対義語があります。
- 生い立ち:成長する過程や今までの経歴
- 生まれ:生まれた所・出生地、生まれた家柄・素性
- 出:出身地・出身校など、その人の出どころ
- 出所/出処:生まれたところ・出生地、物事の出てきたもと
「生い立ち」はこれまで育ってきた過程やバックグランドです。一見すると「出自」と同じような意味に思えますが、「出自」は生まれたその時点や起源のことであるのに対し、「生い立ち」は育ってきた過程です。
示している段階に違いがあることから、対義語であると言えます。
「出自」の英語訳
「出自」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- origin
(起源) - birthplace
(生まれた場所) - descent
(家系、血統)
descentは「家系・血統」の意味の他にも「下山」「降下」「子孫」などの意味があります。
- His origin is not clear.(彼の出自は不明である。)
- Your birthplace is near to mine.(あなたの出自は私と近い。)
- He is a man of high descent.(彼は身分の高い出自である。)
まとめ
以上、この記事では「出自」について解説しました。
読み方 | 出自(しゅつじ) |
---|---|
意味 | その人の生まれたところ、事物のでどころ |
語源 | 「自分が出たところ」 |
類義語 | 出身、出所、素性 |
対義語 | 生い立ち |
英語訳 | origin, birthplace, descent |
「出自」は人にも物にも使うことのできる言葉です。正しい使い方をぜひマスターしましょう。