正しく使い分けよう!「省略」と「割愛」の違い

違いのギモン

日本語において「省く」という意味の主な熟語として、「省略」と「割愛(かつあい)」があります。しかし、「省略」と「割愛」はどの場面でも使えるわけではありません。

どちらの言葉も、日常生活だけでなく、学校での発表、会社でのプレゼンでも使用される言葉なので正しく使いこなす必要があります。

この記事では、「省略」と「割愛」の違いを解説します。

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結論:割愛は惜しいと思いながら省く

「省略」は、あっても無くても変わらない、もしくは無い方が適切だから省くことを指します。

「割愛」は、本当はあった方がいいけど都合上、残念ながら省くことを指します。

「省略」をもっと詳しく


「省略」という言葉には、簡単にするために一部分を省くという意味があります。「省」という字にも「略」という字にも、取り除いたり省いたりというような意味が含まれています。

「簡単にするために省く」というのは、状況にもよりますが、例えば何かを説明する場面が想定できます。何かを説明する場面では、できるだけ簡潔に分かりやすく相手に伝える必要があります。簡潔に分かりやすく伝えるために一番良い方法は、難しい語や関係の無い文などを省くことです。

 

「簡単にするために省く」「分かりやすく伝えるために省く」というような場面では、「省略」という言葉が適切です。

また、「簡単にするために」というニュアンスが含まれていなくても、単に「あっても無くても変わらないから省く」といったような場合でも使用されます。

「省略」の使い方の例

  • 詳しい説明については難しいのでここでは省略します。
  • 先ほどの説明と重複するので省略させていただきます。
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「割愛」をもっと詳しく


「割愛」という言葉には、本当は省きたくないけれども、事情により仕方なく省くという意味が含まれています。

「省略」のように「簡単にするために」「分かりやすくするために」といったニュアンスは全くなく、本来であればあった方が良いものを仕方なく省く際に使うのが「割愛」です。

 

本当は省きたくないけれども省かなければいけない事情は場面によって様々です。例えば、時間の制限があり省かざるをえない場合や、文字数が超えてしまうので省かざるを得ない場合などです。

その部分を省く際に、「惜しい」「本当はあった方が良い」「やむを得ず」という気持ちが生まれるものと捉えると良いでしょう。

「割愛」の使い方の例

  • お時間の都合上、祝辞を割愛させていただきます。
  • 重要な部分ではありますが、文字数の都合上割愛します。

「割愛」の語源とは


「割愛」という言葉には、「省く」という意味を持つ「割」という漢字に合わせて、「愛」という漢字が使われています。省いたり取り除いたりするのに「愛」という漢字を使用することに疑問を感じた人も少なくないと思います。

「割愛」は、元々は仏教用語でした。仏教用語とは6世紀頃日本に伝来したと言われる仏教の教義(宗教の教え)などで使用される言葉や、それを元に派生した言葉を言います。

仏教では、イメージしにくいとは思いますが「出家」という、家庭生活など、一般人としての生活を捨て、一人の僧となって仏教の道に入ることを教えとしています。古文を読むと非常によく出てくる言葉の一つです。

 

その「出家」の際に使われていた言葉であると言われています。出家は一般人としての生活を捨てることなので、愛する人を含めた家族や故郷を切り捨てることを意味します。

愛する人、家族を割くということから、「割愛」という言葉ができ、「愛する想いを断ち切る」という意味で使用されていました。

それが語源となり、「割愛」は惜しいと思いながらも仕方なく省く際に使用される言葉となりました。

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「省略」と「割愛」を混同してしまう危険性


冒頭で述べたように、「省略」も「割愛」も学校や会社、さらには結婚式などの正式な場でも多く使用される言葉です。

「省略」と「割愛」には明確な違いがあり、正しく使いこなさないと大きな恥をかいてしまったり、失礼な言動となり人を不快にさせてしまうことも十分に考えられます。

 

会社で何かをプレゼンする際に、上司や取引先の言葉、アドバイスを「省略させていただきます」と言ったら、それを聞いた上司や取引先はどのように感じるでしょうか。

「省略」と「割愛」を正しく使い分けている人であれば、「私の言葉やアドバイスは不必要だったのか」と感じ、非常に深いな思いをすることになります。

 

結婚式の場面でも、祝電(祝福の気持ちを表すために送る電報)を、「お時間の都合上割愛させていただきます」と言うべきところを「省略させていただきます」と言ってしまうと、非常に不快に感じることになります。

祝電を送った人からすると、「時間が無いから省いて当たり前」と思ってしまうからです。

 

学校での発表などで、重複する場面があった場合に説明を省く際には、「割愛」ではなく「省略」を使用することが適切です。重複している部分を説明すると、発表を聞く側を混乱させてしまうことが考えられます。

この場合には、簡潔にするために省くので「省略」が使われ、「惜しい」という気持ちは無いと考えられるので「割愛」は適切ではありません。

まとめ

以上、この記事では、「省略」と「割愛」の違いについて解説しました。

  • 省略:説明などで簡潔にするために省くこと
  • 割愛:惜しいと思いながらも都合上、仕方なく省くこと

「省略」と「割愛」は「省く」という意味において共通はしていますが、以上で述べたように明確な違いがあります。よく使う言葉だからこそ、正しく使い分けることが求められます。

恥をかいたり、人を不快にさせないためにも「省略」と「割愛」の違いを認識し、正しく使い分けましょう。

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