今回ご紹介する言葉は、熟語の「嘱託(しょくたく)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「嘱託」をざっくり言うと……
読み方 | 嘱託(しょくたく) |
---|---|
意味 | 仕事を頼んで任せること。またその頼まれた人自身。 |
類義語 | 委嘱、委任、付託など |
英語訳 | commission(物事を他人に任せること) |
「嘱託」の意味をスッキリ理解!
「嘱託」の意味を詳しく
「嘱託」は、仕事を頼んで任せることや、その頼まれた人自身を意味する熟語です。「属託」という漢字を用いられることもあります。
この熟語を構成する「嘱」の字には、「言いつける、頼む、任せる」という意味があります。もうひとつの「託」の字は、「任せる、ゆだねる、頼る」という意味を持っています。
したがって、この熟語の構成は、同じような意味を持つ漢字を重ねたものだと分かります。
また、「嘱託」も「属託」も、「ぞくたく」と読まれることがあります。この場合、意味はほとんど変わりませんが、「報酬を支払う」という要素が加わります。つまり、「金品を支払って協力や頼み事をする」という意味になるのです。
現代ではほとんど使われることのない用法ですが、頭には入れておきましょう。
「嘱託」の使い方
- 定年退職後は、嘱託社員としてここに勤め続けるつもりだ。
- 彼には、資料収集の仕事を嘱託しよう。
- 嘱託医としてこの病院に勤務して、もう三年になる。
①の「嘱託社員」という使い方は、日常生活で見かける「嘱託」の最も多い用法です。
これは、正社員としてではない雇用形態のひとつを指します。「嘱託」の意味からも、正式の雇用関係や任命ではない方法で「仕事を頼んで任せられた」人のことだと分かりますね。
「嘱託」の類義語
嘱託には以下のような類義語があります。
- 委嘱(いしょく):外部の人に、特定の仕事を任せること。
- 委任(いにん):特定の仕事を、他の人に任せること。
- 付託(ふたく):他に頼み、任せること。
- 依嘱(いしょく):頼りにして、頼むこと。
「嘱託」の英語訳
嘱託を英語に訳すと、次のような表現になります。
- commission
(物事を他人に任せること) - charge
(物事をするよう、人に命じること) - entrusting with
(任せること、託すこと) - part-time employee
(非常勤の雇用者)
“charge” は、“charge A to do” という形で「A に to do 以下をするように命じる」という意味になります。ここでは、Aの部分に人を指す言葉が入ります。
“entrusting with” は、“entrust A with B” という形で用いられます。A には人を、B には仕事を指す言葉が入り、「B を A に託す」という意味になります。同じ意味は、“entrust B to A” という形でも示すことができます。
「嘱託社員」という言葉を表すのには、“part-time employee” という単語を用いるのが適切です。こちらも合わせて覚えておきましょう。
まとめ
以上、この記事では「嘱託」について解説しました。
読み方 | 嘱託(しょくたく) |
---|---|
意味 | 仕事を頼んで任せること。またその頼まれた人自身。 |
類義語 | 委嘱、委任、付託など |
英語訳 | commission(物事を他人に任せること) |
「嘱託社員」という言葉はビジネスの場でよく使われます。これを構成する「嘱託」の意味をきちんと知っておくことで、誤用を防ぐことができます。