「斜陽」の意味とは?使い方から英語や対義語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「斜陽(しゃよう)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「斜陽」をざっくり言うと……

読み方斜陽(しゃよう)
意味西に傾いた太陽。かつて勢いがあったものが勢いをなくしつつある様子。
語源作家・太宰治の小説『斜陽』
類義語没落、衰退、落ち目など
対義語隆盛、旭日、安泰など
英語訳the setting sun(夕日)、declining(衰える)、twilight(たそがれ)

「斜陽」の意味をスッキリ理解!

斜陽(しゃよう):西に傾いた太陽。かつて勢いがあったものが勢いをなくしつつある様子。

「斜陽」の意味を詳しく

今回紹介する斜陽は西に傾いた太陽、またその光、夕日という意味で使用される熟語となっています。

しかし、現代では斜陽をそのままの意味で使う場面は少なく、かつて勢いがあったものが時代の変化により勢いをなくしつつある様子というニュアンスで使用する方が多いです。

さらに、斜陽という言葉はビジネスでも使われることがあり、その際に使われる意味としては、かつては莫大な利益を生み出したり多くの雇用を創出したものの、現在はそれほどでもない業種や新しい技術に取って代わられた業種となっています。

斜陽の広義な意味合いは衰退といったところになるでしょう。

「斜陽」の使い方

  1. インターネットが普及したこの世の中ではもはやテレビ産業は斜陽産業であるといえる。
  2. Macbookの普及によりWindowsのパソコンは斜陽化の一途をたどっている。
  3. 夕方ごろまで爆睡してしまって、窓からさしてきた斜陽で目を覚ました。

まず、①の例文を見ると、斜陽産業という言葉を用いているのがわかります。これは、かつては莫大な利益を生み出していたものの、やがて衰退へ向かっていく産業のことを指しています。

②は、斜陽化という言葉を使用しており、これは「衰退化」という意味を表しています。競合が出てきてしまうと、企業が取り組んでいる事業は衰退して恐れがあるということを暗に示していますね。

③は斜陽を西に傾いた太陽の光として用いています。会話の際に斜陽をこの意味で使用することはあまりないと言えるでしょう。

「斜陽」の語源

斜陽の語源は作家・太宰治の小説『斜陽』だと言われています。

もともと斜陽は西に傾いた太陽、夕日などの意味で用いられてきました。しかし、太宰治の小説『斜陽』の内容は、没落していく上流階級の人々を描いた作品となっています。

このことから、斜陽という言葉の意味にかつて勢いがあったものが時代の変化により勢いをなくしつつある様子や没落を含むようになったと言われています。

太宰治は1947年に『斜陽』を世に出しているので、それ以前の斜陽という言葉には西に傾いた太陽といった意味しかなかったらしいです。

「斜陽」の類義語

斜陽には以下のような類義語があります。

  • 没落:栄えていたものが衰え滅びること
  • 衰退:力や勢いがおとろえ退歩すること
  • 落ち目:くだりざかになる状態・運命
  • 斜日:西に傾いた太陽、夕日、入り日
  • 落陽:入り日、夕日

見てわかる通り、類義語は主に、落ちていくさまを表す意味合いと、そのまま夕日などの太陽の様子を表す意味合いとで二極化しています。

これらの類義語はどちらか一方の意味しか持ち合わせていません。しかも、一方の意味だけを含む熟語は多数存在しています。そのため、斜陽は多くの意味を含む珍しい熟語であると言えるでしょう。

「斜陽」の対義語

斜陽には以下のような対義語があります。

  • 隆盛(りゅうせい):栄えて盛んなこと
  • 旭日(きょくじつ):朝日
  • 安泰:無事で安らかなこと
  • 朝陽:朝日、日の出
  • 曙(あけぼの):ほのぼのと夜が明けはじめるころ

対義語の意味合いも二極化しており、一方は、栄えている様子を示したポジティブな熟語となっています。

もう一方は、朝日などの明け方の日を表した熟語であることが分かります。

「斜陽」の英語訳

斜陽を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • the setting sun
    (夕日)
  • declining
    (衰える)
  • twilight
    (たそがれ)

まとめ

以上、この記事では「斜陽」について解説しました。

読み方斜陽(しゃよう)
意味西に傾いた太陽。かつて勢いがあったものが勢いをなくしつつある様子。
語源作家・太宰治の小説『斜陽』
類義語没落、衰退、落ち目など
対義語隆盛、旭日、安泰など
英語訳the setting sun(夕日)、declining(衰える)、twilight(たそがれ)

斜陽は2つの意味を合わせ持つ珍しい熟語となっています。

また、太宰治の小説の題名としても使われている熟語のため、使いこなせば自分を”文学に詳しい人”と他人に思わせることができることでしょう。