「ステマ」とは?意味から違法性や事例までわかりやすく解説

言葉

ステマとは「消費者に広告だと気づかれないように、商品やサービスの宣伝を行うこと」という意味です。

SNSやネット上で見かけることの多い言葉ですが、完璧に意味を説明するのは難しいでしょう。

意味を知っていても、使い方や類義語がよく分からないという人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、ステマの意味や使い方、類義語について詳しく解説します。

「ステマ」の意味

ステマ

消費者に広告だと気づかれないように、商品やサービスの宣伝を行うマーケティング手法

ステマとは、消費者に広告だと気づかれないように、商品やサービスの宣伝を行うことです。

マーケティング手法の1つとされていますが、倫理的・法的な問題が指摘されます。

近年では、ステマに該当した場合は処罰の対象になる事例が増えています。

「ステマ」のおもな手法

ステマには2つの手法があります。

  1. なりすまし型
  2. 利益提供型

①のなりすまし型は、企業の関係者が一般の消費者を装って商品を高く評価し、その商品のイメージアップを行う方法です。

②の利益提供型は、企業が影響力のある有名人と金銭的なやり取りをし、宣伝であることを明らかにせずに商品を紹介させる方法です。

最近では、「#PR」「#AD」といった表記をすることで、口コミと広告を分ける取り組みがなされています。

ちなみに、「PR」はプレスリリースの略で、「AD」はアドバタイジングの略です。

「ステマ」の使い方

ステマは、PRであることを隠した状態で宣伝が行われたときに使います。

以下でステマの例文をご紹介します。

  1. ステマをした会社のイメージが悪くなった。
  2. ステマはモラルを欠いた行為だ。
  3. ステマが多くて何を信じれば良いのか分からない。

「ステマ」の由来

ステマはステルスマーケティング(stealth marketing)を略した言葉です。

stealth marketingは、以下のように成り立っています。

  • stealth
    こっそり行うこと
  • marketing
    市場調査や販売までの一連の流れ

つまり、stealth marketingは「市場調査や販売までの一連の流れをこっそり行うこと」という意味をもつのです。

「ステマ」の類義語

ステマには以下のような類義語があります。

  • やらせ
    事前に打ち合わせておきながら、あたかも自然に起きたことかのように見せること
  • サクラ
    報酬をもらう代わりに、イベント等が盛況であるように見せる人のこと
  • サブリミナル効果
    潜在意識にイメージやメッセージを植え付けること
  • 提灯記事
    特定の個人や団体などについて、実際よりも良く見えるように書いた新聞や雑誌記事

ステマとアフィリエイトの違い

ステマとアフィリエイトは、全く異なるマーケティング手法です。

ステマアフィリエイト
報酬固定報酬・成果報酬成果報酬
広告であることを開示をするかしないする
リスク軽犯罪法に触れる可能性がある
炎上の対象になる
成果が上がるまでに時間がかかる

アフィリエイトとは、企業がブロガーやインフルエンサーなどに商品の宣伝や販促をしてもらい、実際に販売につながった場合に限り、報酬を支払うというマーケティング手法です。

ステマとアフィリエイトは、商品をメディアで紹介したり、口コミをするという点で似ています。

決定的な違いは、ステマが「宣伝活動であることを隠す手法」であるのに対し、アフィリエイトはPRであることを明らかにした上で宣伝をするという点です。

「ステマ」の対義語

ステマには以下のような対義語があります。

  • ダイマ
    ①企業が顧客に直接コミュニケーションを取ること
    ②隠さない宣伝行為のこと

ダイマは、ダイレクトマーケティング(direct marketing)の略です。

しかし、ダイマはネットスラングの意味合いが強く、本来の意味とは異なった意味で使われています。

ダイレクトマーケティングは、「企業が顧客に対し、直接的にコミュニケーションを図ること」という意味です。

ところが、ネットではステマが「隠している宣伝行為」、ダイマが「隠さない宣伝行為」と認識されているのが現状です。

「ステマ」の英語訳

ステマを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • undercover marketing
    (宣伝だと知られないように行われる広告活動のこと)

「ステマ」が許されない理由

ステマが許されない理由は、以下の通りです。

  1. 炎上につながる
  2. 業界全体への不信感につながる
  3. ハイリスク・ローリターン

それぞれについて解説します。

①炎上につながる

ステマは、PRであることを隠して行う販促活動のことですが、言い換えれば消費者をだましているということです。

そのため、ステマは炎上につながってしまいます。

ステマは商品に興味を持ってくれた消費者への裏切り行為であり、炎上を誘発するため行わない方が良いでしょう。

②業界全体への不信感につながる

ステマが発覚すると、その企業だけでなく業界全体に不利益が生じる可能性があります。

実際に、ステマ騒動として問題となった「ペニオク事件」では、ステマを行った事業者だけでなく、業界全体の信頼度が下がってしまいました。

ステマは、自社だけではなく他社に迷惑をかけることにつながるのです。

③ハイリスク・ローリターン

ステマを行うには、信頼を失う可能性があるという大きなリスクを背負わなければなりません。

水面下でステマをする手間と、一度失った信用を取り返すことの大変さを考えたとき、ステマを行うことは効率的とは言えません。

「ステマ」がなくならない理由

ステマがなくならない理由は、以下の通りです。

  1. コストがほぼかからない
  2. ユーザーの信頼を得やすい
  3. 広告とは知られずに拡散できる
  4. 日本の法律では明確に禁止されていない

①~③のメリットがある上、法律では明確に禁止されていないため、ステマはなかなかなくなりません。

しかし、ステマであることが発覚した後のことを考えると、やはりハイリスクなマーケティング手法と言えます。

「ステマ」の規制

各国のステマ規制は以下の通りです。

アメリカのステマ規制

2009年、アメリカは「広告における推奨及び証言の利用に関する指導」を改定し、ステマを取り締まっています。

イギリスのステマ規制

2008年、イギリスは「不公正取引からの消費者保護に関する規正法」を施行しており、ステマを規制しています。

日本のステマ規制

現在、日本にはステマを直接規制する法律は存在しません。

しかし、景品表示法上・不正競争防止法・健康増進法・医薬品医療機器等法(旧薬事法)・医療法などに該当する場合は、処罰の対象になります。

「ステマ」の事例

実際に起きたステマの事例についてご紹介します。

ペニーオークション事件

ペニーオークション事件は、入札するごとに手数料が発生する「ペニーオークション(ぺニオク)」で発生したステマ事件です。

2010~2011年にかけて話題になった事例で、サイトの運営そのものが詐欺まがいのものであったことが発覚しました。

それだけでなく、複数の芸能人がぺニオク側から依頼され、実際は落札していない商品について「ペニオクで製品を安く落札できた」などとブログに投稿していたことが明るみになりました。

ペニーオークション事件は、日本でステマという言葉が浸透するきっかけとなった事件です。

食べログ高評価事件

食べログ高評価事件は、2012年にグルメ口コミサイト「食べログ」で起きた事件です。

口コミ評価の代行業者が、飲食店から金銭を受け取る代わりに高評価をつけるというものです。

代行業者から営業を受けた飲食店側が、「食べログ」を運営するカカクコムに通報し発覚しました。

調査では、39社もの代行業者が存在したことがわかりました。

ディズニー映画「アナ雪2漫画」事件

ディズニー映画「アナ雪2漫画」事件は、ディズニー映画について起こったステマ事件です。

Twitterに、映画の感想を描いた漫画7本が、それぞれ別の人物によって投稿され、ステマ疑惑が浮上。その後、配給元のウォルト・ディズニー・ジャパンが謝罪するに至りました。

ステマの指示は、広告代理店の担当者によるもので、漫画を投稿した人物たちもそれぞれにTwitter上で謝罪しています。

ソニー・エリクソン事件

ソニー・エリクソン事件は、通信機器メーカーのソニー・エリクソンが行ったステマ事件です。

「観光客を装った俳優に、カメラ機能を搭載した自社の携帯電話で通行人に写真を撮るよう頼ませる」というものでした。

これは、通行人をだまして自社の携帯電話の購買意欲を上げるために行ったものとして、批判されました。

デビッド・マニング映画評価ねつ造事件

デビッド・マニング映画評価ねつ造事件は、アメリカの映画配給会社ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントが架空の映画評論家、デビッド・マニングに自社の映画を宣伝させていた事件です。

最終的に、デビッド・マニングの映画評をきっかけに映画を観に行った観客が、1人あたり5ドルの賠償金を受け取ることとなりました。

Yahoo!ショッピング事件

2017年に、Yahoo!ショッピングで起きたステマ事件です。

Yahoo!ショッピングの検索結果の「おすすめ順」は、広告料金を支払った店舗が上位表示される仕組みになっています。

しかし、Yahoo!ショッピング側はそれを明示していなかったため、ステマに当たるのではないかと報道されました。

Yahoo!側は、「サイト全体がカタログであるため、ステマには当たらない」という見解を示しつつも、「おすすめ順」については説明不足であったとして、サイト上の説明が一部変更されました。

「ステマ」と混同されやすいマーケティング手法

ステマと勘違いされやすいマーケティング手法としては以下のようなものが挙げられます。

  • バズマーケティング
    口コミを戦略的に活用したマーケティング手法
  • バイラルマーケティング
    ユーザーが、友人や同僚に紹介するように仕向けるプロモーション手法
  • インフルエンサーマーケティング
    SNSで影響力を持つ​インフルエンサーに、製品をPRしてもらうマーケティング手法

「ステマ」の対策

ステマの被害に遭わないためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 有名人やインフルエンサーを過信しない
  • 同じ製品が同時期に宣伝されていたら怪しむ
  • 製品が根拠なく褒められていたら疑う

この他にも、アマゾンのレビューのサクラ口コミを除く「サクラチェッカー」というツールを利用してみるのも一つの手です。

「ステマ」のまとめ

以上、この記事ではステマについて解説しました。

読み方ステマ
意味消費者に広告だと気づかれないように、商品やサービスの宣伝を行うこと
由来ステルスマーケティング
類義語やらせ
サクラ
サブリミナル効果
提灯記事
対義語ダイマ
英語訳undercover marketing(宣伝だと知られないように行われる広告活動のこと)
デメリット炎上につながる
業界全体への不信感につながる
ハイリスク・ローリターン
規制ステマを直接規制する法律はない(景品表示法上・不正競争防止法・健康増進法・医薬品医療機器等法・医療法に抵触する可能性はある)
事例ペニーオークション事件
食べログ高評価事件
ディズニー映画「アナ雪2漫画」事件
ソニー・エリクソン事件 など
対策有名人やインフルエンサーを過信しない
同じ製品が同時期に宣伝されていたら怪しむ
製品が根拠なく褒められていたら疑う

ステマの意味をしっかり理解し、ステマに引っかからないように気を付けましょう。

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