ステゴロとは「素手で喧嘩をすること」という意味です。
ステゴロは、カタカナの文字列なので、一見意味がわかりにくい言葉ですよね。
実は、漢字で表すこともできる日本語です。
この記事では、ステゴロの意味や使い方をわかりやすく解説します。
あらかじめご了承ください。
☆「ステゴロ」をざっくり言うと…
意味 | 素手で喧嘩をすること |
---|---|
類義語 | 徒手空拳、徒手、丸腰など |
代表的な人物 | 花山敬 |
「ステゴロ」をテーマにした作品 | 板垣恵介の漫画『グラップラー刃牙(バキ)』シリーズ 小幡文生の漫画『ステゴロ』など |
このページの目次
「ステゴロ」の意味
素手で喧嘩をすること
ステゴロは「武器を持たずに、素手で喧嘩をする」という意味です。
漢字で素手喧嘩(ステゴロ)と表記することもあります。
俗語的な表現なので、一般的にはあまり使われません。
ステゴロの意味を、ステとゴロに分けて解説します。
「ステ」の意味
ステゴロのステには以下のような意味があります。
- 素手(すで)
ステは、武器を捨てることから転じて、「素手」という意味です。
「ゴロ」の意味
ステゴロのゴロには以下のような意味があります。
- 喧嘩の隠語
ゴロは、定職につかずぶらぶらしている人という意味から転じて、喧嘩という意味です。
定職につかずぶらぶらしている人は、喧嘩やたかりなどで生計を立てていることが多くありました。
そのため、ゴロは喧嘩という意味の隠語で、江戸時代の後期から使われていたとされます。
ゴロのつく言葉には、以下のようなものがあります。
- ごろつく
定職につかずぶらぶらすること - ごろつき
定職につかずぶらぶらする人 - ゴロをまく
喧嘩をすること - ゴロマキ
(やくざの言葉で)喧嘩
つまり、素手(=ステ)での喧嘩(=ゴロ)なので、ステゴロは素手での喧嘩という意味をもつのです。
「ステゴロ」の使い方
ステゴロは、一般的な会話や文章に使うことは少なく、いわゆる不良漫画や任侠(にんきょう)映画などで使用されます。
あくまで普段から武器を持たず、素手で喧嘩する状態をステゴロといいます。
ただし、喧嘩の途中で落ちている武器などを使うことはステゴロの範疇(はんちゅう)とされています。
「ステゴロ」の例文
ステゴロには、以下のような使い方があります。
- 男なら正々堂々、ステゴロで勝負するべきだ。
- ステゴロで彼の右に出るものはいない。
- この漫画の魅力は、手に汗握るステゴロの闘いだ。
「ステゴロ」とは言わない場面
以下のような場面での素手での喧嘩は、ステゴロとは言いません。
- カツアゲのように一方的に相手を襲うもの
- 小さな子ども同士の体を張った喧嘩
「ステゴロ」のイメージ
ステゴロは「素手で喧嘩する」という意味です。
そんなステゴロには以下のようなイメージがあります。
- 反社会的・暴力的なイメージ
- 潔(いさぎよ)くて男らしいイメージ
それぞれ解説していきます。
①反社会的・暴力的なイメージ
ステゴロは、「いわゆる不良やヤクザ、半グレといった反社会的で暴力的な勢力」というイメージがあります。
武器をもたずに素手であっても、喧嘩をすることは暴力的である印象があるからです。
ステゴロは暴力的なイメージをもつ言葉なので、使う際には注意が必要です。
②潔くて男らしいイメージ
ステゴロは、「男性的な潔さ」や「魂のこもった熱い闘い」というイメージがあります。
たしかに、武器をもたずに素手で戦うことは、喧嘩において不利になりやすいです。
ただし、自分の拳だけで戦うということは、周囲に「潔い」「勇敢だ」という印象を感じさせます。
「ステゴロ」の代名詞、花形敬とは?
花形敬(はながた けい)は、昭和初期のやくざで、ステゴロの代名詞といえる実在の人物です。
極道の世界において、喧嘩や抗争では刀やけん銃などの武器が欠かせません。
それにもかかわらず、花形敬は武器を一切持たないステゴロで圧倒的な強さを誇り、やくざの間で有名でした。
花形敬の略歴を見てみましょう。
通称 | 花形敬(はながた・けい) |
---|---|
本名 | 花形敬(はながた・たかし) |
所属事務所 | 東興業(あずまこうぎょう)。通称・安藤組 |
生年月日 | 昭和5年生まれ、月日不明(享年33歳) |
出身地 | 東京都渋谷区 |
身長 | 180㎝ |
家族構成 | 妻 |
犯罪歴 | 前科7犯、逮捕歴22回 |
花形敬は33歳のとき抗争で刺殺されましたが、死後も花山敬をモデルとした映画や漫画などが作られています。
まさにステゴロの代名詞ともいえる伝説的な存在となっています。
花山敬の外見
[出典:Yahoo!知恵袋]
花山敬は、以下のような外見をしていました。
- いつも白いスーツと白い帽子
- 髪型は整えられた七三分け
- 縁なしのメガネ
- 顔にはおびただしい傷
- 背中には入れ墨といくつかの傷
現代で、やくざという言葉でイメージされるような外見だったといえます。
花山敬の伝説
花山敬の伝説には、以下のようなものがあります。
- 中学生のとき現役ボクサーに勝利
- プロレスラーの力道山も恐れた
花山敬がモデルのキャラクター
花山敬をモデルにしたキャラクターに、花山薫(はなやま かおる)がいます。
花山薫は、板垣恵介による人気漫画『グラップラー刃牙(バキ)』シリーズに登場するキャラクターです。
花山敬と花山薫には以下のような共通点があります。
- いつも白いスーツと白い帽子
- 髪型は整えられた七三分け
- 縁なしのメガネ
- 顔にはおびただしい傷
- ステゴロの天才
「ステゴロ」の類義語
ステゴロには以下のような類義語があります。
- 徒手空拳(としゅくうけん)
素手。空手 - 徒手(としゅ)
手に何も持っていないこと - 丸腰
武器を持っていないこと - 格闘技
自分の体で攻撃や防御を行うスポーツ
「ステゴロ」と「格闘技」の違い
ステゴロと格闘技の違いは、明確なルールがあるかどうかです。
ステゴロは「やるかやられるか」というルールのない戦いです。
一方、ボクシングや空手などの格闘技は、あくまでスポーツであり、明確なルールとスポーツマンシップに則り行います。
そのため、格闘技はステゴロには含まれません。
「ステゴロ」の英語表現
ステゴロには以下のような英語表現があります。
- He always fights with his bare hands.
(彼はいつも素手で闘う。)
ステゴロの英語訳はありませんが、ボクシングでグローブをはめずに素手で闘うことは “bare knuckle” と言います。
関連:「ステゴロ」がテーマの作品
ステゴロをテーマにした作品には、以下のようなものがあります。
- 板垣恵介の漫画『グラップラー刃牙(バキ)』シリーズ
- 小幡文生の漫画『ステゴロ』
- 黒川博行の小説『喧嘩(すてごろ)』
- 梶間俊一監督の映画『疵(きず)』
- ネット配信者格闘技祭『sutegoro ステゴロ』
『sutegoro ステゴロ』は、「踊る便所太郎」という配信者が企画したイベントのことです。
ネット配信者同士が格闘技で戦う様子を、オンラインで配信するイベントです。
2017年に第1回、2018年に第2回が開催され、イベントの閲覧者数は29万人を超え大盛況を博しました。
「ステゴロ」のまとめ
以上、この記事ではステゴロについて解説しました。
読み方 | ステゴロ(すてごろ) |
---|---|
意味 | 素手で喧嘩をすること |
類義語 | 徒手空拳、徒手、丸腰など |
代表的な人物 | 花山敬 |
「ステゴロ」をテーマにした作品 | 板垣恵介の漫画『グラップラー刃牙(バキ)』シリーズ 小幡文生の漫画『ステゴロ』など |
ステゴロは昔ながらの喧嘩の仕方です。
命の危険を伴う行為なので、なるべくステゴロで勝負しないように気をつけましょう。