心理学用語「生存者バイアス」とは?意味と具体例を解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「生存者バイアス(せいぞんしゃばいあす)」です。

言葉の意味・具体例・由来についてわかりやすく解説します。

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「生存者バイアス」の意味をスッキリ理解!

生存者バイアス(せいぞんしゃばいあす):生存したもののみを基準に判断を行い、誤った結論を導くこと

「生存者バイアス」の意味を詳しく

「生存者バイアス」とは、生存したもののみを基準に判断を行い、誤った結論を導くことです。

しばしば、偏見や勘違い、またはミスにより基準とする集団に偏りが生じて、間違った考えが導かれてしまうことがあります。

このような誤りを認知バイアスと呼びます。

「生存者バイアス」は認知バイアスの一つです。特に、生き残らなかったサンプルを除外してしまうことを指します。

 

よりわかりやすく言い換えれば、生き残ったものしか調べていないせいで間違った法則をたててしまうという意味です。

「生存バイアス」とも呼ばれます。

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「生存者バイアス」の具体例

「生存者バイアス」が関係している事例を紹介します。

爆撃機に残った銃弾の痕

第二次世界大戦中、爆撃機の生存確率を上げるため、ある個所の装甲(そうこう)を厚くすることにしました。装甲とは、弾丸を防ぐための板で、いわゆるボディに当たります。

戦場から帰ってきた爆撃機の銃弾の痕を調べたところ、主翼や尾翼などの特定の部位に集中していました。

この結果を見て、軍部は「銃弾の痕が集中してる部位の装甲を強化しよう」と提案しました。

 

しかし、統計学者のエイブラハム・ウォールドは、この提案に異議を唱えます。「むしろ、銃弾の痕が無い部分の装甲を強化するべき」と提案しました。

ウォールドの提案は、軍部側の生存者バイアスを考慮しています。軍部は、戦場で生き残って帰還した爆撃機の状態を基準に対策を練りました。一方、ウォールドは、戦場で生き残れなかった爆撃機の状態を踏まえることで、致命傷を避けられると考えました。

つまり、帰ってきた爆撃機の銃弾の痕が無い部分は、帰ってこれないような致命的な損傷につながると考えました。

このエピソードは、「生存者バイアス」を考慮した例として有名です。

体罰が優れた指導法だという主張

実績のあるコーチや監督が、たびたび体罰の有用性について主張することがあります。

彼らの主張は、おおむね「実績のある選手はみな、体罰を受けて成長した」となります。

しかしこの主張は、体罰が日常的だった時代の生き残りにしか目を向けていません。活躍できる才能を持った選手が、体罰によって芽を摘み取られてしまった可能性を無視しています。

これはまさに「生存者バイアス」に引っかかってしまっている例です。

将来の夢は野球選手!

近年は減少傾向にあると言われますが、プロスポーツ選手は子供の将来の夢で根強い人気を持つ職業です。

人気である主な理由は、高額の年収や、格好よくプレーする姿にあるでしょう。

しかし、それはごく一部のスター選手に限られます。二軍や下部チームの選手を無視したイメージに過ぎません。

もちろん、スター選手に憧れて努力することは良いことですが、「生存者バイアス」がはたらいている例と言えます。

「生存者バイアス」の由来

バイアス(bias)とは、斜めや偏りといった意味です。「生存者バイアス」のバイアスは、偏りや偏見の意味合いを持ちます。

ある事故の話を聞いてあまり危険ではないと思いこむ事例があります。これは、生存者からしか話が聞けないため起こる誤解です。

これがまさに「生存者バイアス」の由来です。

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まとめ

以上、この記事では「生存者バイアス」について解説しました。

読み方生存者バイアス(せいぞんしゃばいあす)
意味生存したもののみを基準に判断を行い、誤った結論を導くこと
具体例爆撃機の銃弾の痕、体罰の主張、子供の将来の夢など
由来生存者の話を聞くと、誤解が起こりやすいことから

「生存者バイアス」は誰にでも起こりえます。ただ、このようなバイアスを知っていれば、少しでも誤解を減らすことができるでしょう。

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