「外科」と「整形外科」と「形成外科」の違いとは?施術部位が違う?

違いのギモン

病院にはさまざまな科がありますが、その中でもバリエーションが豊かなのが、手術に関する科です。

これには「外科」のほかに、「整形外科」や「形成外科」などがあげられます。

私たちは普段、この3つの科の違いを意識しなくても生きていけますが、よく考えたら違いをよく知りませんよね。

そこで、今回は「外科」と「整形外科」と「形成外科」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:担当する病気やケガが違う

まず、「外科」は手術的な方法で病気やケガなどを治療する科の総称です。

次に、「整形外科」は運動器の機能的改善を重視して治療する外科です。

そして、「形成外科」は体の表面の異常を治療の対象としている外科です。

つまり、「外科」は総称で、「整形外科」と「形成外科」では担当する病気やケガが異なります。

「外科」をもっと詳しく

外科は手術的な方法で病気やケガなどを治療する科の総称です。

そして、手術と言ったら普通は外科が行います。

ちなみに、外科の種類は以下の通りです。

  • 脳神経外科
  • 消化器外科
  • 胃腸外科
  • 呼吸器外科
  • 心臓血管外科
  • 循環器外科
  • 乳腺外科
  • 性感染症外科
  • 内視鏡外科
  • ペインクリニック外科
  • 腹部外科
  • 肝臓外科
  • 胸部外科
  • 肝臓外科
  • リウマチ科
  • 整形外科
  • 口腔外科

まだありますが代表的なものはこのくらいでしょう。

ちなみに、基本的には外科は担当する部位によってわかれています。

ただ、例外もあり、例えばペインクリニック外科は痛みの治療を行う外科です。

「整形外科」をもっと詳しく

整形外科は運動器の機能的改善を重視して治療する外科です。

具体的には、整形外科が担当するのは骨や関節などの骨格系、それを取り囲む筋肉やそれらを動かしている神経などです。

そして、背骨や骨盤など体の土台となる骨や手足を主な治療対象としています。

整形外科はその専門分野によってさらに細かくわけられますが、その概要は以下の通りです。

  • 脊椎外科:背骨と脊椎を主に扱う
  • 手のひら外科、肩関節外科:主に手や腕を扱う
  • 股関節外科、膝関節外科、足の外科:主に足や脚を扱う
  • スポーツ医学科:スポーツによるけがや障害を扱う
  • 骨・軟部腫瘍(しゅよう)外科:できものを扱う
  • 骨代謝外来:骨粗しょう症(※1)を主に扱う

骨粗しょう症(※1)

    • :後天的に骨がもろくなり、骨折などを引き起こしてしまう病気のこと

「形成外科」をもっと詳しく

形成外科は体の表面の異常を治療の対象としている外科です。

具体的には生まれながらの異常もしくは病気やケガなどによってできた身体表面が見た目のよくない状態を治療します。

 

ちなみに、昔、形成外科が整形外科だと名乗っていた時代があったため、現在でも形成外科が整形外科の意味で使われることがありますが、これは誤りです。

また、形成外科から派生して美容外科ができ、これは現在ではブームになっていますよね。ちなみに、美容外科とは健康なものをより美しく見せる外科のことです。

ただ、美容外科は病気やケガを治療しているわけではないので保険適用外です。

 

さて、ここからは形成外科の治療の種類と手術の例について解説していきたいと思います。

形成外科の治療の種類

形成外科では、やけどの治療、ケガや手術のあとの皮ふの治療などが行われます。

また、生まれつきの見た目の治療を行う場合もあります。例えば、生まれつきのあざや皮下腫瘍などです。

ほかにも、眼球が収まっている骨のくぼみやほほ骨などの顔面骨折の治療を行う場合もあります。

形成外科の手術の例

形成外科の手術の例としてはまず、頭蓋骨や顔やあご骨などの生まれつきの変形に対する矯正手術があげられます。

また、がんや外傷などによる顔面の部分欠損の再建手術を行う場合もあります。

そして、鳩胸(※2)などの生まれつきの胸の変形の矯正手術や乳がんなどで切除された乳房の再建手術が行われる場合もあります。

また、生まれつきの性器の異常に対する形成手術が行われる場合もあります。

  • 鳩胸(※2):異常に前に張り出ている胸のこと

まとめ

以上、この記事では、「外科」と「整形外科」と「形成外科」の違いについて解説しました。

  • 外科:手術的な方法で病気やケガなどを治療する科の総称
  • 整形外科:運動器の機能的改善を重視して治療する外科
  • 形成外科:体の表面の異常を治療の対象としている外科

「外科」と「整形外科」と「形成外科」ではこのような違いがあります。自分の状況によって、受診する科を適切に選んでいきたいものですね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。