「住めば都」の意味とは?使い方から英語や類語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「住めば都(すめばみやこ)」です。

言葉の意味や使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「住めば都」をざっくり言うと……

読み方住めば都(すめばみやこ)
意味どのようなところでも、住み慣れてしまえばそこが自分にとって一番いいところになるということ。
由来昔の都と田舎の差。
類義語住めば田舎も名所、地獄も住処、住めば都の風が吹くなど
対義語住まば都
英語訳To every bird, his own nest is beautiful.( すべての鳥にとって、自分の巣が一番美しい。)

「住めば都」の意味をスッキリ理解!

住めば都(すめばみやこ):どのようなところでも、住み慣れてしまえばそこが自分にとって一番いいところになるということ

「住めば都」の意味を詳しく


「住めば都」とは、どのようなところでも、住み慣れてしまえばそこが自分にとって一番いいところになるということを意味します。

交通の便が悪い場所や、スーパーやコンビニが近くに全くない場所、近所が騒がしい場所に住むことになるとします。人によっては、それぐらいが良いと思うかもしれません。

しかし、そのような場所を不便だと思ったり、うるさくて住みづらいと思う人も多くいると思います。

 

そのような時に使いたい言葉が、「住めば都」です。

どんなに住みづらい場所でも、そこに住み続ければ慣れるものです。そして、そこが自分自身にとっての「都」、つまり住み良い場所になるということです。

 

ここで言う「都」は「都会」と解釈されます。都会は一般的に考えれば、駅も近く、店も多くあり、生活をするうえで便利であると言えます。

そのため、この解釈をすると「住めば都」は、住み慣れればそこも都会と同じように住みやすい場所になるという意味で捉えられます。

 

しかし、この解釈には批判もあります。というのも、誰にとっても都会が住みやすい場所ではないからです。確かに都会は便利かもしれませんが、都会は住みづらいという人も数多くいるからです。

そのため、「住めば都」ということわざを使う際は、「都」=都会という解釈は特に考えずに、住みやすい場所と考えることがほとんどです。

 

「住むのなら都会が良い」という意味で使ってしまう人もたまに見られますがそれは誤りです。後ほど、対義語のところで出てきますが、その意味のことわざは「住まば都」です。

また、「住んでみたらよい場所だった」というのも意味としては少し違います。住み続ければ、住み慣れて自分にとってより良い場所になるという意味です。

「住めば都」の使い方

  1. 転勤で地方に行くことになった。不便な場所だが、住めば都、慣れれば住みやすい場所になるだろう。
  2. 現在も住むアパートは不便な位置にあり、住み始めた当初はすぐに引っ越そうと思っていた。しかし、住めば都、現在は非常に住みやすい場所だと自負している。
  3. 同じクラスに東京の中心地からの転校生が来た。転校先での田舎暮らしを嫌っている様子だったので、「住めば都だよ」と声をかけてあげた。

➀は、やむを得ず転勤で不便な場所に行くことになった自分に、いつか住みやすい場所になると言い聞かせている場面です。

➁は、最初は現在の場所を快く思っていなかったが、最終的にはその場所を気に入っている場面です。

➂では、田舎を嫌っている人に対して、住み続けていれば住み良くなると慰めている場面です。

「住めば都」の由来

「住めば都」の由来は、昔の田舎と「都」の差にあります。

現在では、田舎でも様々なものが手に入ったり、交通機関があったりします。その町自体に店が無かったとしても、電車やバス、自家用車などの交通手段を使えば他の町に買いに行くことができます。

しかし、昔はそうではありませんでした。都には多く店があり、多くの物を買うことができます。一方で、田舎には店が全然なく、物を調達するのは大変不便でした。

 

そのこともあり、昔は、都は便利で住みやすく、田舎は不便で住みづらいという認識が当時は定着していたのです。

しかし、結局は、たとえ不便な田舎でも、住み続ければなんだかんだ、その土地は都のように住みやすい場所になるものです。

このような経緯で、「住めば都」ということわざが生まれました。

「住めば都」の類義語

「住めば都」には以下のような類義語があります。

  • 住めば田舎も名所(すめばいなかもめいしょ):不便な場所も、住み慣れれば最適な場所だということ。
  • 地獄も住処(じごくもすみか):地獄のようなひどい場所でも、住み慣れれば住みやすい場所になるということ。
  • 住めば都の風が吹く:「住めば都」と同義。
  • 住めば都で花が咲く: 「住めば都」と同義。

「住めば都」の対義語

「住めば都」には以下のような対義語があります。

  • 住まば都:どうせ住むのであれば、不便な田舎ではなく便利な都会の方が良いということ。

「住めば都」の英語訳

「住めば都」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • To every bird, his own nest is beautiful.
    (すべての鳥にとって、自分の巣が一番美しい。)
  • Home is where you can make it.
    (家は自分が上手くやることができる場所である。)
  • Home is where you can make it.
    (家のような場所は他にない。)
  • Home is home be it ever so homely.
    (どんなに質素だとしても、家は家である。)

まとめ

以上、この記事では「住めば都」について解説しました。

読み方住めば都(すめばみやこ)
意味どのようなところでも、住み慣れてしまえばそこが自分にとって一番いいところになるということ。
由来昔の都と田舎の差。
類義語住めば田舎も名所、地獄も住処、住めば都の風が吹くなど
対義語住まば都
英語訳To every bird, his own nest is beautiful.( すべての鳥にとって、自分の巣が一番美しい。)

「住めば都」の意味や使い方を理解することはできたでしょうか。

「住めば都」ということわざが存在する一方で、本文でも触れた通り、「住まば都」ということわざも存在します。住むなら結局、都会のように便利なところがよいという考え方もあります。

どちらが良いかについては、個人の好みの問題もあります。しかし、やむを得ず不便な場所に住むことになった際には、「住めば都」ということわざを思い出すと気持ちも楽になるかもしれませんね。